ピッキングリストの必要性や運用の流れ│より効率化するポイント!

ピッキングとは、倉庫内において指定された商品を集める作業を表す物流用語です。
複数の注文の商品をすべて集めるトータルピッキングと、注文ごとに商品を集めるオーダーピッキングの2種類があり、現場の状況に合わせて適切な方法が選択されます。

今回は、円滑なピッキング作業に欠かせないピッキングリストの概要や必要性、運用の流れについて解説します。
ピッキング作業をより効率化するためのポイントにも触れますので、企業のご担当者様はぜひ参考にしてください。

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ピッキングリストはなぜ必要?

ピッキング作業は、取り扱う商品数が増えると手間がかかりやすくなる点が課題です。
作業を正確かつ効率的に行うには、ピッキングリストの活用をおすすめします。こちらでは、ピッキングリストの役割や必要性について解説します。

ピッキングリストとは?

ピッキングリストとは、ピッキングの際に使用する出荷内容が書かれた指示書のことです。
商品名や商品コード、数量などの情報が記載されており、出荷指示書とも呼ばれています。ピッキング作業時には、紙やスマートフォン、タブレット、ハンディターミナルなどを用いてリストを参照するのが基本です。
従来は紙ベースのピッキングリストを使用するのが一般的でしたが、近年ではバーコードを活用したピッキングシステムなどデジタル化が図られています。

ピッキングリストが必要になる理由

ピッキングリストは、ピッキング作業を素早く効率的に行うために必要です。
リストに基づいてピッキング作業を進めるため、内容がわかりやすければ作業をスムーズに行いやすくなります。
また、ピッキングリストを活用することで、作業者が直接在庫や棚卸しの確認を行わなくても必要な情報がリスト上で得られます。
これにより、トータルの作業時間が短縮される点もメリットです。

ピッキングリストの運用の流れ

ピッキングリストを運用する際は、どのような手順で進めるのが良いのでしょうか。
続いては、ピッキングリストの運用の流れについて、リストの作成方法も含めて3つのステップでご紹介します。

Step1.使用するツールを選ぶ

・エクセルを使用してピッキングリストを作成する

ピッキングリストを作成する際は、エクセルのテンプレートを利用すると便利です。ひな形として基本的な項目が入力されているため、初めて作成する場合でもわかりやすいのが特徴です。カスタマイズ性にも優れており、必要な項目や書式を自由に設定し、自社の業務フローに合わせたリストを用意できます。

また、Web上に公開されているピッキングリストのサンプルを参考に、リストに加えたい項目を選ぶのも良い方法です。出力して手書きで使用する場合は書き間違いに注意しましょう。紙に出力せず、デジタル機器で見ながら使用することも可能です。

・WMS(倉庫管理システム)を利用する

WMSとは入荷や出荷作業、在庫管理、帳票管理などを効率化するためのシステムです。倉庫内作業の正確性の向上と業務効率化を目的として、多くの企業で導入されています。WMSにはピッキングリストの自動作成機能を搭載した製品もあり、注文時の伝票を読み込むだけでリストの作成が完了します。手入力の必要がなく、書き間違いなどのミスを減らせる点もメリットです。また、完成後のリストはシステム上で一元管理でき、必要なタイミングでいつでもアクセスできます。

物流のデジタル化にともない多くのWMSが登場しており、サービスごとに提供内容が異なるため、導入の際は自社に適したものを選ぶことが重要です。

Step2.ピッキングリストに載せる項目を考える

ピッキングリストの作成や管理に必要なツールを選んだら、リストに記載する項目を検討しましょう。基本的な項目としては、商品名や商品コード、個数、在庫数などが挙げられます。商品保管場所(ロケーション番号)やピッキングルートまで記載しておくと、より便利に活用できます。

また、現場によってはSKUなどの情報を載せるのも良いでしょう。SKUとは、受注や発注、在庫管理を行う際の最小保管単位を意味する言葉で、商品の種類を表しています。例えば、同じ商品でも4色のバリエーションがある場合、4SKUと表記します。

Step3.実際に業務で試用する

ピッキングリストを作成したら、実際に現場に導入して使ってみましょう。使用して不要と感じた項目や見やすさなどをブラッシュアップします。また、現場の作業員からのフィードバックも積極的に募り、リストの改善に役立てましょう。試用期間が終わった後も、定期的にリストの見直しを行い、業務内容の変化や新たに導入した設備に応じて柔軟に対応することが大切です。

ピッキング作業を効率化するためのポイント

ピッキング作業は、倉庫内業務のなかでも多くの人員と時間が必要な仕事です。また、ヒューマンエラーが発生しやすい業務でもあり、正確性と効率の向上が求められます。こちらでは、ピッキング作業を効率化するためのポイントを解説します。

ピッキングリストの情報は最小限にする

ピッキングリストの情報が多すぎると、作業者がリストをチェックする際に迷いやすくなり、時間がかかってしまうデメリットがあります。そのため、ピッキングリストを作成する際は、必要な情報を網羅しつつ、リストが煩雑にならないように注意しましょう。重要な項目はカラーやフォントを変更するなど、目立つように工夫して表記するのもおすすめです。

ロケーションを管理し整える

ロケーションとは、倉庫内の商品保管棚のレイアウトを指します。自社のピッキング方式に基づいてロケーション管理を徹底し、倉庫内の通路やラック配置を最適化しましょう。これにより、作業者が倉庫内を移動しやすくなり、ピッキング作業の効率化が期待できます。また、商品がどこの棚に保管されているのか一目でわかるように、ロケーション番号を見やすく表示することも大切です。

作業ルールを作る

作業ルールを明確にすることで、作業におけるムラや無駄の発生を防ぎやすくなり、効率のアップにつながります。例えば、ピッキング時に商品を取り出す順番や仕分けエリアへの移動方法など、簡単なルールでも明確にしておくことが大切です。

倉庫管理のデジタル化を図る

人的ミスの発生により作業効率が低下している場合は、倉庫管理のデジタル化を図るのがおすすめです。デジタル化によって、人的ミスの削減が期待できます。例えば、ピッキングリストを手書きで運用している場合、書き間違いや計算間違い、書いていたものが消える、文字が読みにくいなどのトラブルが発生する可能性があります。WMSや帳票管理システムなどを導入してピッキングリストの作成・管理をデジタル化することで、上記のようなミスを防止し、作業を効率化できるでしょう。

新しくシステムを導入する場合は、ピッキングリストだけでなく庫数データや入出庫のデータなどを一元管理できるシステムを選ぶと便利です。データの共有も行えるシステムを導入することで、作業の効率化がさらに進みます。

ピッキングリストを活用して倉庫内作業を効率化しよう

本記事では、ピッキングリストの必要性や運用の流れ、ピッキング作業を効率化するポイントについてお伝えしました。ピッキングは、倉庫内作業において欠かせない業務である一方、ミスによる効率の低下や属人化などの課題を抱えやすい特徴があります。今回紹介した内容を踏まえてピッキングリストを作成し、適切に運用することで業務改善に役立てましょう。

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