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近年、建築業界では深刻な問題を抱えています!
それは、人手不足です。
国土交通省の統計からも、 建設業就業者数は著しく減少していることがわかります。減少幅はなんと30%です。
1997年 | 2016年 |
685万人 | 492万人 |
建築業は「きつい、汚い、危険」と呼ばれる3K職場とされて、新たに就業を希望する若者が減ったことが人手不足の原因といわれています。
しかし、現在の建設現場では最新の重機や機材によって作業が行われることも多く、デジタル技術を活用して現場作業者への負担を減らす働き方の変革に取り組んでいます。
一方で最新の技術を導入することは設備等の不具合発生リスクを伴います。不具合発生時の対応については、どうしても人に頼らなければなりません。
そこで今回は、建築業における効率かつ迅速なトラブル対応をどのように解決すれば良いのか、について説明します。
工事現場でよくあるトラブルとは
何事にもトラブルは付き物です。ここでは工事現場における主なトラブルについて説明します。
見積もりのトラブル
工事現場における見積もりに関するトラブルに、建設材料不足問題もあります。見積もりで大まかに「材料一式」と記載してある場合は特に注意が必要です。
建築現場では、様々な種類の材料をたくさん使用します。「材料一式」と記載しただけでは何が含まれているのかわかりません。材料やその数量に不足が生じれば追加費用の請求となり、場合によっては多額な追加請求に繋がることもあるでしょう。
このような見積もりのトラブルは会社の信頼にも関わるため、
見積もりに関するトラブルは事前に確認しておけば防ぐことが可能です。
工事の段取り段階でしっかり確認して、現場でのトラブルは防ぎたいものです。
工事が遅れることによるトラブル
基本的に工期については、建築前に施主との契約によって決まります。工場の建築では竣工遅れが、事業の売上に直接影響するため大きなトラブルになることもあります。
建築工事の場合、天候に左右される場合が多いため、その分を考慮して工期を決めますが、作業不具合によるトラブルを繰り返しているようでは計画通りに工事を進めることはできないでしょう。
そのため、万が一トラブルが発生した場合は速やかに解決しなければなりません。
現場周辺の住民とのトラブル
建築工事には、騒音と振動が発生する作業を伴います。この騒音と振動によって現場周辺の住民とトラブルになるケースがあります。昔であれば問題にはならなかった程度の騒音や振動でも、今では苦情となってしまいます。
建築工事については、法律で様々な基準が決まっていますが、基準以下の騒音や振動であってもトラブルとなる場合があるので注意が必要です。住民とトラブルになった場合、一番近くにいる工事責任者が対応することになるでしょう。
工事責任者が住民とのトラブルの対応に追われてしまうと、本来の作業指示ができなくなります。そしてこの手のトラブルが発生すると、工事を一旦止めて住民との話し合いをしなければならないため、トラブルを解決するまで工事を止めなければならないことも少なくありません。
重機や機械の故障
現在の建築工事では、様々な重機や機械を使います。例えば、柱を立てたり梁を持ち上げたりするためにクレーン車を使います。またネジを締める場合は、電動式工具を使って効率的に行います。
建築工事においてはこれらの重機や機材は欠かせません。
しかし、機械である以上故障することもあります。電動工具などは、充電を忘れると使えません。
それでも不測の事態によるトラブルが発生することがあるでしょう。
トラブル発生時に迅速に対応する方法
建築現場でトラブルが発生した場合はどうすれば良いでしょうか。そもそも予定外のことが起きるのがトラブルです。
予定外のことなので、その場で対応を決めなければなりません。
工場などの製造現場では、同僚や上司に連絡すれば直ぐに対応されるでしょう。しかし建築現場では、同僚や上司が近くにいることは稀です。工事責任者以外の殆どは作業者となります。
経験豊富な工事責任者であれば効率的に対応できるかもしれませんが、そうでない場合もあります。
トラブルが発生した時の対応としては、
まずは会社へ連絡して対応者の応援要請をすること
そこで重要なのが、現場で起きていることを正確にできるだけ詳細に伝えることです。応援に行くとしても現場の状況がわからないと、誰を向かわせれば良いか、バックアップとして何をすべきか判断ができません。
そのため会社へ連絡する時には、
そして、現場への移動時間も掛かります。その間でもできることについては、会社側でバックアップしてもらえることがあれば要請しましょう。
リアルタイムに情報共有
トラブル発生時に迅速に対応する方法としては、現地の状況をいち早く理解することです。特に建築現場では、対応できる人員が少ないため会社側でリアルタイムに現地の状況が把握できるようにしなければなりません。
現在であればスマートフォンやタブレットを利用して現地の状況を把握することができます。手配漏れ等のトラブルであれば、通話とメールで状況を伝えることができます。
特に作業ミスや施工ミスなどの場合、設計者へ詳細な状況の報告が必要です。
そのような時は、カメラを利用することで現地の状態をそのまま撮影して、電子帳票で報告することができます。設計者は電子化された報告によって、詳細な確認ができるので的確な指示を行うことができます。
まとめ
建設現場に限らず、現場でのトラブル発生はできるだけ避けたいところです。
しかし、不具合が発覚してトラブルとなるのは現場で起こります。建築現場については、市街地から山奥まで様々なところで作業を行うため、場所によっては応援者が直ぐに駆け付けられないこともあるでしょう。
建築業では深刻な人手不足を、技術開発と設備投資によって解消しようとしています。新技術によって、より少ない現場作業者で工事を行えるように取り組みを進めています。しかし、新技術の導入段階には多くのトラブルも伴います。さらに新技術のトラブル対応については、対応できる人も限られます。
現在ではインターネットを活用することで、遠隔地の情報をリアルタイムに取得することが可能です。また、クラウドを活用したグループウェアを駆使することで、一度に大勢の人とコミュニケーションを取ることができます。
これまでのトラブル発生時では、刻々と変わる情報共有に時間と手間が掛かっていました。関係者とリアルタイムで情報共有できることは、迅速なトラブル対応に繋がります。
IT技術を活用して、通常作業の効率化と同様にトラブル発生時の対応についても準備しておきましょう。
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