リードタイムとは?短縮する方法や理由を解説

顧客のニーズが多様化・細分化した現代において、ビジネスの更なる効率化が求められています。
その中でも、製造から顧客の手元に商品が届くまでのスピードをいかに迅速にできるかが大きな課題となっています。

このスピードを一般的にはリードタイムと言います。
リードタイムについては、主に製造業や流通業でリードタイム短縮の取り組みが行われていましたが
顧客ニーズの多様化によって全ての産業でリードタイムを重視するようになりました。

ものづくりの現場においては、昔から標準作業時間によって管理を行ってきました。
一方現場以外の管理業務などにおいては、標準作業時間が明確にされていない場合が多く
効率化を行ってもリードタイム短縮になっているのかはっきりしないということがあります。

そこで今回は、管理業務の中でも報告書作成のリードタイム短縮について説明します。

リードタイムとは

リードタイム=顧客からの注文を受けてから納品までの期間を指す言葉。
主に製造現場や物流関係の現場で使われてきた。

リードタイムとして有名なのが、トヨタ生産方式のジャストインタイムです。
ジャストインタイムは「必要な物を、必要な時に、必要な量だけ」供給することで、リードタイムの理想形とも言えます。

しかし現実は、製品を組み立てる時間や組み立てた製品を運搬する時間があるため、リードタイムが必要です。
ジャストインタイムでは、必要な時間を最小限にするための工夫を行っているのです。

これは現場におけるリードタイムですが、一般的なビジネスにおいても
企画・開発から物流・販売までの全ての工程にリードタイムという言葉が使われます。
リードタイムは現場だけのものではないということを覚えておきましょう。

リードタイムを短縮する理由

あらゆるビジネスにおいて共通の課題がリードタイムの短縮です。
ここでは、リードタイムを短縮する理由について説明します。

人員・在庫数の削減

リードタイム短縮の理想形がジャストインタイムですが
本当のジャストインタイムが実現できれば、無駄な人件費や在庫数は不要となります。

しかし現実はそうはいきません。ジャストインタイムを実現するために、作業者を配置し在庫を持つ必要があります。
ジャストインタイムにおけるリードタイム短縮では、各工程における作業を効率化し
最低限の在庫を持つことで実現しているのです。

作業の効率化と在庫数を最小限にすることによって、コスト削減が図れ、事業利益の確保につながります。

機会損失の減少

営業の仕事では、顧客が製品を必要としている時に製品を売り込む必要があります。
どんなに良い商品でも、顧客が必要とする時期に必要な量を供給できなければ意味がありません。

そのため、顧客が希望する時期に必要な量を納品するためにも、リードタイム短縮が必要なのです。
そうしないと、せっかくのビジネスチャンスを逃すことになります。

業務効率の見える化

リードタイム短縮を行うためには、事前に作業標準を作成する必要があります。
そもそも業務のやり方がバラバラだと、作業にかかる工数もまちまちになります。

特に事務作業や管理業務の場合、似たような作業を繰り返し行うことはあっても
まったく同じ作業を繰り返し行うことは少ないのではないでしょうか。

代表的な例として報告書作成があります。
報告書を作成する作業は繰り返し行いますが、まったく同じ報告書を作成することはないでしょう。

報告書の内容が違えば、作成や確認する工数も違ってくるからです。
定期報告する報告書を作成する場合、定型の書式を作成して効率化を図っている会社は多いことでしょう。
しかし、不具合報告書のような不定期に発生する報告書を作成する場合は
定型の書式があったとしても、中身を作成するのに時間がかかります。

いずれにしても、業務のリードタイム短縮を行うことによって
報告書の作成だけではなく様々な業務の効率が見えるようになります。

報告書を現場で完結させるメリット

リードタイムを短縮することで、会社は企業収益アップにつながります。
しかし、リードタイムの短縮に取り組みにくい業務もあります。先ほどでも述べた報告書の作成などがそれに当たります。
ここでは、建築現場を想定して報告書を現場で完結させるメリットについて説明します。

定期報告と不定期報告

建築現場では、現場の状況を定期的に報告する場合と不定期に報告する場合があります。
定期的に報告する内容として、作業日報や週報などがあります。

一方、不定期に報告する内容として、作業変更連絡や不具合報告などがあります。
建築現場においても、定期報告する報告書は定型の帳票を使って行います。
不定期報告する場合も、ある程度これまでの経験を踏まえて定型の帳票を用意していることが多いでしょう。

しかし不具合報告書については、不具合の内容によって書き方も変わってきます。
不具合報告書が工事関係者のみに報告する場合と、施主まで報告しなければならない場合では
同じ書式の報告書というわけにはいかないでしょう。

現場の情報は現場にある

報告する相手によって報告書の書式が変わります。
しかし、報告書の情報については書式が変わったとしても同じものです。

更にその情報は全て現場にあります。
そこで、報告書作成を現場で完結できれば、全体としてのリードタイムを短縮することができ
業務効率の向上になるのではないでしょうか。

不具合報告書を作成することになった場合
現場にいる現場責任者と事務所にいる工事担当者とで作成することとなるでしょう。
そして、現場責任者から情報をもらい、工事担当者が作成することになります。

不具合報告書を作成する場合に重要なのが現状把握です。
現状把握が正しく行われないと、原因が特定できずにどのような対策を行えば良いかが決まりません。
工事担当者は不具合の状況を把握するために、現場監督者と何度も連絡を取り合うことでしょう。

このようなことを行っていては、不具合報告書作成のリードタイムは短縮できません。
現場の状況を正しく素早く共有することが、報告書作成におけるリードタイム短縮のポイントとなります。

まとめ

建築現場に限らず、情報をリアルタイムに共有することは、リードタイムを短縮する手段の一つです。
営業においても顧客から納期を聞かれた時に、工場の生産状況を確認しその場で回答できるのと
一度持ち帰ってから回答するのでは大きな違いがあります。

現在はIT技術の普及により、多くのデータをリアルタイムに共有することが容易に行えます。
現場としての報告も写真などを活用して報告できれば、その場で報告作業が完結できるのです。

リアルタイムに情報共有する上で注意してもらいたい点として
現場に情報があるからと言って、全て現場まかせということにならないようにしましょう。
全てを現場まかせにすると現場での作業がオーバーフローして、逆に必要な時に必要な情報が得られない可能性があります。

リードタイム短縮は、一部の作業だけが短縮されても、全体の時間が短縮されなければ意味がないのです。

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