製造業の品質管理のポイント!効率よく検査情報を管理するには

今日は、品質管理のお話です。

私たちは、企業が提供する商品や製品を利用して日々生活をしています。
しかし、それらの品質に問題があると、安心した日常生活は送れません。

企業側にとっても、品質は事業継続するための生命線とも言えるでしょう。
そこで今回は、製造業における品質管理のポイントについて説明します。

製造業の品質管理とは

製造業における品質管理は、以下の3つのフェーズによって行われています。

工程管理

「品質は工程でつくりこむ」と言われているように、製造工程で品質を管理します。管理方法については、工程によって様々ですが、一般的には品質を担保するための作業手順が決められ、作業者は作業手順通りに作業することで品質を保証します。

設備による工程では、設備の状態を管理することや工程から出てきた製品を、検査装置で決められた品質通りにできているかを確認します。工程での品質管理は、経営面においても重要で、工程で品質が担保できなければ、収益を得ることは難しく、事業を継続することができなくなるでしょう。

品質検証

製造工程から出てきた製品について、設計通りの品質であるか確認するために品質検証を行います。

品質は工程でつくりこまれている場合であっても、最終製品として出荷できるかを検査します。
品質検証は、出荷前の最終工程となるため、ミスや間違いがあってはならない重要な作業です。

品質改善

品質検証で決められた品質基準を満たしていない場合、生産工程における作業を見直して改善を行います。
品質改善では、問題点から原因を分析して対策を行います。

品質改善としてQC活動があります。QC活動は、製造工程の作業者や、工程の関係者によって行われる品質改善活動です。関係者が自主的に活動することによって、チームワークによる改善が行われます。

チームワークが構築されることで、品質問題が発生した場合、速やかに対応や改善が行われるようになります。また、問題解決力が身につくため人材育成の効果も期待できます。

品質管理のポイント

製造業において、品質管理を行うポイントについて説明します。

5S

品質管理に限らず様々な業務において5Sは重要です。

▼5Sとは
「整理(Seiri)」
「整頓(Seiton)」
「清掃(Seisou)」
「清潔(Seiketsu)」
「しつけ(Shitsuke)」
※5つの頭文字である「S」を取って、5Sと言われています。

5Sができていれば品質管理ができているということではなく、5Sができていなければ、品質に問題が無かったとしても、品質管理ができているとは言えません。

製造業に従事している人であれば、5Sが原因で品質問題となった経験があるのではないでしょうか。

この5Sでもっとも難しいのが、しつけです。作業手順を守るのもしつけとなります。

4M

品質問題が発生した場合、発生原因について分析を行います。
分析については、やみくもに行っても原因にたどり着くものではありません。

問題の原因を4Mの切り口で考えることによって、問題と原因を整理することができます。

▼4Mとは
「人(Man)」
「設備(Machine)」
「方法(Method)」
「材料(Material)」
※ 4つの頭文字である「M」を取って、4Mと言われています。

例えば、問題があった時に作業していた人の作業習熟度はどうであったのか設備の状態はどうだったのか、問題を分析するための切り口になります。

品質管理は、組織で行うことが重要であるため、複数の関係者で共通する考え方を持つことで、様々な角度から問題を分析することができます。そのような状況において、論理的かつ効率的に議論を行うことで、対策を見つけ出すことができるのです。

品質管理の課題

日本は、戦後の復興と共に工業立国として発展をしてきました。発展については、単に生産面だけでなく、レベルの高い製品品質だったことも大きく関係しています。

日本の品質管理については、現場が主体となったQCサークル活動が始まった時期と同じころに、アメリカから統計的手法による品質管理方法が紹介され、各企業が導入し始めました。

QCサークル活動でも統計的手法を取り入れ、品質に関する改善が進んだ一方で、統計的手法の活用が難しいという問題があり、活動が停滞するケースも多くなりました。

やがて、統計的手法を導入して品質管理の向上や経営の効率化に貢献した企業に賞を与えるようになり、各企業は競って賞の取得をするようになりました。

その結果、本来現場主体だったQCサークル活動において、報告資料の作成や発表の準備に時間を取られるようになり、人材不足を招くようになりました。人材が不足するようになると、業務の効率化という名目で、本来やらなければならない業務まで省略するようになってしまったのです。

それらのことが、近年になって、不正車検や検査データ捏造といった問題となっています。現在において品質管理の課題としては、品質管理の原点に立ち返った管理業務の見直しが求められています。

品質管理のクオリティーを上げるには

品質管理は、賞を取るための活動になっていた時代はありましたが、アメリカから紹介された統計的手法は、論理的な方法として有効でした。

現在でも、統計的手法による品質管理は行われています。品質管理のクオリティーを上げる方法について説明します。

DX推進

品質管理のDX推進によって、品質管理のクオリティーを向上させます。
統計的手法によって品質管理を行うためには、膨大なデータが必要となります。

統計的手法が紹介された当時は、すべて手作業で作業をしていました。検査データについても、記録用紙のデータを電卓で計算していました。そのうちパソコンが普及し、Excelなどの表計算ソフトが活用されるようになりましたが、今でもデータの入力作業が手作業で行っているところも少なくはないのでしょうか。

せっかくパソコンを活用しても、膨大な転記工数が掛かってしまいます。
DXを推進し、検査データの自動計測と、自動的なサーバー保管を目指しましょう。

そして、膨大な検査データをサーバーに蓄積して、統計的な複雑な計算を行います。さらに、蓄積したデータをAI技術によって、新たなノウハウを発見することもできるでしょう。

帳票データの一元管理

品質管理では、膨大な検査情報の管理が必要です。

効率的な管理をするためには、電子帳票の活用が有用です。
電子帳票を利用することによって、セキュリティーの強化も図れます。

近年、大手製造メーカーによる検査データ改ざんのニュースを耳にしますが、検査データが改ざんできるような状態では、品質管理のクオリティーを求める以前の問題です。

会社の製品に品質的な疑いが掛かった時に、品質状態を立証するエビデンスを速やかに提示することができなければなりません。そのためにも、帳票を電子化して、データベースで一元管理を行います。さらにデータベースと基幹システムと連携を図ることによって、人為的ミスを排除でき、業務の効率化が行えます。

かつて日本は、「Japan as No.1」と称された時代がありました。安く品質の良い製品を世界へ発信していたからです。当時は、高度熟練技能者と呼ばれる多くの作業者が努力をしていたからです。

しかし、高度熟練技能者が定年を迎え、技術の伝承などの問題が発生しています。さらに、当時は膨大な工数を掛けて行っていたことも、人口減少によって対応する作業者が減る一方となっています。品質管理作業を効率化して、業務の効率化が喫緊の課題となっています。

まとめ

統計的品質管理の手法については、長い歴史を経て実用化されています。
この手法を活用するために、品質管理のDX推進を進めてみてはいかがでしょうか。

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