製造現場の生産性を向上させるキーワードとして、DXやIoTなどの活用が注目を集めています。
しかし、実際には「何をすれば良いのか」「コストが高く手間が掛かりそう」という理由で、具体的なアクションに踏み出せない企業も多いのではないのでしょうか。
生産性を向上させるためのデータは現場にあります。
そこで今回は、製造現場の設備を制御するPLCから現場の情報を収集し、生産性を向上させる方法について説明します。
PLCとは
製造現場には、様々な設備があります。それら設備を制御しているのがPLCと呼ばれているものです
PLC=(Programmable Logic Controller)
制御専用に開発されたコンピュータのこと
PLCで、圧倒的な国内シェアを持っているのが三菱電機です。三菱電機のPLCは「シーケンサ」という商品名で販売しています。三菱電機に次いでシェアを持つのはオムロンです。
オムロンのPLCについては、各種国際規格にあわせた製品となっているため、互換性トラブルも少ないでしょう。
PLCの特徴
PLCは、制御用として使用することを前提に開発・設計されています。PLCの主な特徴は以下の通りです。
性能・信頼性
PLCは常時連続稼働の保証 / 長期製品サポート が行われます
PLCに使われるCPUは、パソコンのように最新のCPUが搭載されることはありません。どちらかと言うと、何世代も前の古いCPUが搭載されているのが一般的です。
PLCは主に生産設備で使われるため、24時間365日連続して動作する必要があります。
パソコンのように、使用中にフリーズすることがないように設計されています。
そのため、製品化する場合は厳しい性能評価をクリアしなければなりません。
性能評価には時間が掛かるため、次々と新しいCPUを搭載していくということができないのです。
また補給品についても、長期間製品をサポートしなければならないため、製品のライフサイクルは数十年単位となっています。
インターフェース
PLCのインターフェースは、一般的にはデジタル信号かアナログ信号になります。
パソコンのようにキーボードやモニタなどのインターフェースはありません。
PLCの内部状態を確認するためには、専用のソフトウェアが必要です。専用のソフトウェア上で内部状態を確認します。専用のソフトウェア以外で内部状態を確認する方法は、デジタル信号を利用して、ランプを点灯させたり、ブザーを鳴らしたりすることで、内部状態を知らせます。
設備にタッチパネルがあり、PLCの内部状態を表示している場合がありますが、タッチパネルはPLCとデータ通信してPLCの状態を表示しているため、PLC本体とは異なる機器となります。
電源
PLCの電源は設備から供給するケースが一般的です。
※設備の電源と一緒になっているため、設備の電源を切ると、PLCの電源も切れます。
パソコンで同じようなことをしたらどうなるでしょうか。パソコンで同じような電源の切り方を何度も行うと、本体故障の原因となるでしょう。PLCでは、いきなり電源を落としても本体故障が起きないように設計されています。
メモリのデータについても、内部に電池を持っているため、電源が切られた後もメモリのデータが保持されます。
メモリ
一般的にPLCのメモリ容量は、パソコンと比べて非常に少ないです。
PLCメーカーによっては、多くのメモリを搭載したモデルもありますが、高額になるため特別な理由がない限り採用するケースは少ないでしょう。
記憶装置
一般的にPLC本体には、ハードディスクのような大容量の記憶装置は搭載されていません。
PLC自体は、制御用として使われることを目的として設計されているため、大容量の記憶装置は搭載しません。
外部記憶装置としては、SDカードが使えるものが多いです。10年以上前は、SDカードの容量も少なく高価でしたが、年々大容量で安価なSDカードが販売されるようになったため、PLCで使われる機会が多くなりました。
ネットワーク
PLCには、古くからネットワークの機能があります。
※使用できるネットワークの種類は、制御用ネットワークと呼ばれているもの
汎用的なネットワークであるイーサネットも利用できましたが、拡張機能として提供されていたため、別途専用の機器が必要でした。現在多くのPLCでは、本体にイーサネットポートが搭載されています。
PLCメーカーは、このイーサネットを利用したデータ収集用ソフトウェアを提供しています。データ収集用ソフトウェアは、Excelなどのパソコンソフトと連携することができ、PLC内の情報をExcel上に表示します。
元々とは制御用機器として誕生したPLCですが、デジタル技術の発展と共に高機能化されてきました。そのためPLCには、単なる制御機器からIoTのエッジコンピュータとして活用されるようになりました。
PLC情報を効率よく日報に記入する方法
制御用に開発されたPLCですが、一般的なPLCの機能を活用して、製造現場の生産性を向上させる方法について説明します。
操業前の確認・点検
製造現場において、操業開始前に確認や点検しなければならないことがたくさんあります。
など、様々な確認や点検を行わないと、操業中に異常が発生してしまいます。
これまでは、各設備の前まで作業者が行って、それぞれの点検項目を確認して点検表に記録をしていました。点検する項目の多くがアナログの値です。このアナログ値をPLCにアナログ入力ユニットを取り付けて、PLCにデジタルデータに変換して収集します。
収集したデータは、イーサネットを利用して社内ネットワークから取得します。
こうすることで、これまで多くの作業者が行っていた操業開始前点検作業を1人で行えることはもちろんですが、取得したデータをサーバー上に自動で記録することもできます。
操業中の情報収集
PLCを活用した情報収集の仕組みによって、リアルタイムに設備の情報が把握できます。
操業中に温度低下や圧力低下が発生した場合も、その場で設備異常を出すだけでなく、遠隔監視している作業者にも同時に異常を知らせることができるでしょう。
遠隔監視している作業者に知らせることで、異常に素早く対応することも可能です。さらに多くのデータを蓄積することで、異常が発生する兆候も分かるでしょう。
操業後の確認・点検
操業後には、稼働実績や作業日報を作成します。その時も、設備で生産した数量や発生した異常内容などを記録していれば、日報作成が効率的に行えます。
日報に記載する情報は、操業中に収集できているため、転記などの作業が不要です。
また、作業者による入力作業が省略できるため、入力間違いを防止できます。
作業者にしか入力できない情報のみを追加することで、日報を完成させることができます。
まとめ

今回は、PLCを活用した生産性向上について説明しました。
PLCは古くから制御機器として利用されていましたが、搭載されているCPUの能力が低くて高度な処理を行うと、肝心の制御処理が遅れたり、プログラムが膨大となったりして本体メモリに保存しきれないということがありました。
現在ではCPUの能力も向上され、上位システムと簡単に通信できるようになりました。
製造現場の情報は現場にあり、その多くがPLCの内部情報として持っているため、データを収集するもっとも効率的な方法と言えるでしょう。
よくある質問(FAQ)
PLCとは何ですか?
PLC(Programmable Logic Controller)とは、製造現場の設備を制御するために開発された専用コンピュータです。24時間365日の連続稼働を前提に設計されており、フリーズや突然の電源断にも耐えられる高い信頼性が特徴です。国内では三菱電機(商品名:シーケンサ)が圧倒的なシェアを持ち、次いでオムロンが高いシェアを有しています。
PLCの主な特徴は何ですか?
PLCには5つの主な特徴があります。①常時連続稼働と長期製品サポートを保証する高い性能・信頼性、②デジタル・アナログ信号に特化したシンプルなインターフェース、③突然の電源断でも故障しない堅牢な電源設計、④制御に必要な最小限のメモリ構成、⑤イーサネットを活用したデータ収集・IoTエッジコンピュータとしての活用です。製品ライフサイクルは数十年単位と長く、安定した運用が可能です。
PLCとパソコンの違いは何ですか?
PLCは制御専用に設計されているため、パソコンとは設計思想が大きく異なります。CPUは最新ではなく枯れた世代のものを採用し、キーボードやモニタなどの汎用インターフェースもありません。突然の電源断でも故障しない設計で、内部電池によりメモリデータも保持されます。一方パソコンは汎用性が高い反面、フリーズや電源断による故障リスクがあり、製造現場での連続稼働には不向きです。
PLCを活用して生産性を向上させるにはどうすればよいですか?
PLCにアナログ入力ユニットを取り付けてデータをデジタル変換し、イーサネット経由で社内ネットワークから収集することで、操業前の点検・操業中の遠隔監視・操業後の日報作成を効率化できます。これまで複数の作業者が各設備を巡回して行っていた点検作業を1人で完結できるほか、収集データをサーバーへ自動記録することで転記作業や入力ミスも削減できます。
PLCはIoTにどのように活用できますか?
PLCは近年、単なる制御機器からIoTのエッジコンピュータとして活用されるようになっています。イーサネットポートを標準搭載した現代のPLCは、メーカー提供のデータ収集ソフトウェアを通じてExcelなどと連携し、設備情報をリアルタイムで可視化できます。温度低下や圧力低下などの異常を遠隔監視担当者へ即時通知したり、蓄積データから異常の兆候を事前に検知したりすることも可能です。

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わかりやすい製造指示書には、教育コストを削減する効果もあります。製造指示書によって作業の基本的な流れや注意点などを伝達できれば、大規模な研修が不要になるためです。具体的には、研修会社への委託費や会場費、人件費などの節約につながります。個別の研修やOJTによって業務と並行しながら教育を行うことができ、新人スタッフの早期戦力化も期待できます。 情報を正確に共有できる 製造指示書は、スムーズな情報共有の実現にも役立つツールです。製造の現場では、多くの作業を複数の作業員で交代しながら担当しています。交代時には作業の進捗状況やトラブルの有無など、さまざまな情報を次の担当者へ共有する必要があるものの、項目が多く、すべてを口頭で伝えるのは現実的ではありません。製造指示書を用意していれば、必要な情報を正確に共有することができ、伝達漏れを防ぎやすくなります。 製造指示書の記載項目とテンプレート 製造指示書には決まったフォーマットはないものの、内容をわかりやすく整理するためにいくつかの決まった項目を用意しておくのがおすすめです。こちらでは、製造指示書の記載項目の例をご紹介します。また、無料でダウンロードできる製造指示書のテンプレートもご用意しましたので、ぜひご活用ください。 製造指示書の記載項目の例 製品名(タイトル) 製品名は、製造指示書がどの製品に関するものなのかを一目で理解するために重要な項目です。製品の名称だけでなく、型番や製造ロット番号など、製造内容がわかるものも併せて記載しましょう。これにより、製造指示書の目的が明確になり、誤ってほかの製品の製造指示書と混同するのを防ぐことが可能になります。なお、作業現場によっては組み立てや検品、分解など、作業内容の名称を製造指示書のタイトルに設定するケースもあります。 発行日や製造指示書の番号 製造指示書には通常、発行日やその指示書固有の番号が記載されます。これにより、過去の製造指示書を時系列で管理できるようになり、日付から該当する製造指示書を特定しやすくなります。現場でトラブルが発生した場合など、過去の製造指示書を参照したい場合にも便利です。 ただし、製造指示書を紙ベースで管理している場合、日付がわかっていても探し出すのは容易ではありません。生産管理システムや帳票の電子化システムなど、システム上で製造指示書の作成や管理、検索が可能なツールを導入するのがおすすめです。 宛先となる製造者名 製造者名の欄には、今回の製造の担当を明示します。具体的には、実際に製造を行う担当部署や担当者の名前を記載するのが基本です。これによって、製造指示書の宛先や誰がどの工程を担当するのかが明確になります。 なお、製造指示書には製造者名のほかに、依頼先となる会社や担当者の名前を記載する場合もあります。作業の完了時に連絡が必要なケースなど、顧客ごとに記載の有無を検討しましょう。 責任者 責任者は、今回の製造における責任者を明示する項目です。万が一トラブルが発生した際の連絡先や疑問点の問い合わせ先などを共有する目的で記載します。また、作業の責任者を明示することで、製造工程全体の責任の所在が明確になるメリットもあります。緊急時に連絡が取れるよう、電話番号やメールアドレスなどの情報を載せておくと良いでしょう。 製造期間、製造日時、納期 製造指示書には、製造期間や製造日時、納期などの情報も記載します。製造にかかる時間や終了日時などのスケジュールを明確にし、計画的な製造を実現するために重要な項目です。勘違いや伝達ミスが発生しないように、「○○年○○月○○日」とわかりやすく明記する必要があります。 製造指示内容 製造指示内容は、作業手順を詳細に記載する項目です。指示書を読んだ担当者がスムーズに作業を行えるよう、製造する商品や部品の情報、使用する設備や材料、工程ごとの作業手順、安全対策などを具体的に記載します。今回の作業に必要な情報をできる限り網羅することで、担当者からの問い合わせを減らすのが目的です。また、工程手順は文字だけでなく、写真や図で補足する場合も多くあります。 製造指示書のテンプレート 製造指示書のテンプレート 無料ダウンロードはこちら 製造指示書の作成時のポイント 製造指示書は、新人の作業員からベテランのスタッフまで、多くの現場の作業員が使用する書類です。そのため、製造指示書を作成する際は、誰にとっても理解しやすい内容となるよう工夫する必要があります。こちらでは、製造指示書を作成するうえでのポイントを3つ解説します。 製造手順に漏れがないように作成する 製造指示書は、製造手順に漏れがないように作成しましょう。細かな作業でも、漏れがあるとミスや誤った手順になってしまう可能性があるためです。また、ベテラン作業員のAさんにとっては記載がなくても把握できる内容でも、新人のBさんには具体的な指示が必要なケースもあります。そのため、製造指示書を作成した後はWチェックを行うなど、記載内容に漏れや誤りがないか入念に確認することが大切です。製造指示書の運用開始後には、現場から適宜フィードバックを受け、不備がある場合はすぐに修正しましょう。 製造過程の内容をわかりやすく記載する 製造指示書は、製造過程の内容をわかりやすく記載することも重要です。作業過程がわかりにくいと、上司や担当者に問い合わせなければならず、ムダな作業時間が発生しやすくなります。製造指示書を確認するだけで、新人からベテランまで誰でも作業ができるように記載するのが理想です。具体的には、わかりにくい部分は箇条書きでシンプルに表現したり、作業手順ごとに写真や図表を活用したりすると良いでしょう。 作業機器の扱い方も記載する 製造指示書には、作業機器や工具の扱い方も記載しましょう。作業機器を正しく扱えないと、作業効率の低下や重大な事故につながる可能性があります。製造指示書を通じて使い方やメンテナンスの方法を指導することで、作業効率のアップや事故の防止につながります。また、作業機器を正しく扱える作業員が増えると、品質のばらつきが起こりにくくなる点もメリットです。新たな設備や工具を導入するたびに項目を追加し、常に最新の情報を提供しましょう。 製造指示書を導入するうえでの注意点 業務効率化やコスト削減を目的として、初めて製造指示書を取り入れる場合、想定していない部分でトラブルが発生する可能性があります。そこで続いては、製造指示書を導入する際の注意点を解説します。 製造指示書の作成に時間が取られやすい 製造指示書の作成には一定の時間が必要です。特に、内容をわかりやすくするために図や写真を挿入する場合、時間がかかりやすい傾向にあります。図や写真の作成、トリミングが必要になるためです。また、製造指示書の完成が遅れると、現場が作業に取り掛かれなくなってしまう可能性があります。そのため、まずは製造指示書を速やかに完成させたうえで、作業員からのフィードバックを基に適宜修正するのが良いでしょう。 製造過程の内容が変更されると対応に時間がかかりやすい 新しい設備の導入や工程の見直し、品質管理の改善などにより製造プロセスに変更が生じると、製造指示書の内容の見直しをしなければなりません。場合によっては指示書を最初から作り直すケースもあり、修正を反映するまでに手間と時間がかかりやすい傾向にあります。ただし、製造指示書の更新を怠ると、作業の安全性や製品の品質に影響を与える可能性があるため、速やかな対応が求められます。 海外向けに作成した製造指示書では伝達ミスが起こりやすい 海外の拠点に向けた製造指示書を作成する場合、伝達ミスに注意が必要です。英語などの慣れない言語を使用した結果、細かな指示がうまく伝わらないケースがあります。また、地域によっては用語や計測の単位などに関する認識が異なる場合もあります。伝達がうまくいかないと、作業ミスやトラブルにつながる可能性があるため、必要に応じて翻訳者や現地の専門家と協力して製造指示書の作成を進める必要があるでしょう。 製造指示書の管理を効率化するなら「i-Reporter」 製造指示書は、取り扱う製品や作業工程が増えるたびに作成する必要があるため、事業所によっては膨大な量の書類を管理するケースがあります。製造指示書の効率的な管理を実現するには、帳票の電子化システムである「i-Reporter」を導入するのがおすすめです。こちらでは、「i-Reporter」の概要と導入事例をご紹介します。 i-Reporterとは 「i-Reporter」は、製造指示書や在庫管理表など、業務で使用するさまざまな書類を電子化して管理できるITツールです。紙ベースやエクセルで作成した帳票を、電子データとしてシステム上に取り込むことで、レイアウトを変えずにペーパーレス化を実現できます。製造業や物流業、倉庫業におけるDX施策の一環としても多くの企業に導入されています。 「i-Reporter」には、書類を管理するだけでなく、作業員の入力を補助する機能も豊富に用意されているのが特徴です。例えば、作業ミスが多い現場では、製造指示書にチェックボックスを作成し、作業が完了するタイミングでチェックをしてもらうなどの対策ができます。従来の製造指示書の見た目や使い勝手を損ねることなく、より便利な形にアップグレードできるのが「i-Reporter」の魅力です。 「i-Reporter」にはクラウドプランと自社サーバープランの2種類があります。プランによって機能に違いがありますので、興味がある場合は下記のページよりお気軽にお問い合わせください。 現場帳票の電子化システム「i-Reporter」 製造指示書を整備して業務品質の改善を実現しよう 本記事では、製造指示書の主な役割や記載項目、作成時のポイント、注意点についてお伝えしました。製造指示書は、製造プロセス全体を可視化し、作業ミスの軽減や業務効率の改善を実現するための重要なツールです。製造指示書を用意することで、これまで作業員に任せていた手順や注意点が明文化され、業務の標準化にもつながります。必要な項目を確認したうえで、すべての作業員にとってわかりやすい指示書を作成しましょう。製造指示書の管理にお困りの場合は、ペーパーレス化ソリューションの「i-Reporter」の導入をご検討ください。
製造業の5S活動とは? 効果的な取り組み方製造業の職場環境を管理する取り組みとして、5S活動があります。製造業に従事している人であれば、必ず耳にする言葉です。しかし、「5S」という言葉はよく聞くものの、1つ1つの要素をしっかりとは理解できていないという人もいるでしょう。 そこで今回は、5S活動の…
製造業のミスはなぜおこる?間違いを防ぐためにできること人が行うことには、ミスが発生する可能性があります。私生活においても、うっかりしてミスをすることがあるでしょう。 仕事でも同様です。まだ回復できるミスであれば良いのですが、取り返しのつかないミスは致命的です。製造業では、人の不注意で起きる失敗のこと…

製造業の現場DXのルールを変えるのは、大変?はじめに “「現場帳票研究所」”に寄稿させていただくことになりました株式会社K-crew代表取締役の北川といいます。 この連載は、現場DXに取り組むチームリーダー、またはITツールを活用した改善提案に携わる方に向けたものです。 著者の北川が経験してきた生産現場の業務改善事例や現場のお困りごとをもとに、DX推進の気づき・ヒントをお届けして参ります。 この記事を読むと以下のメリットがあります。 1.現場改善の基本となる考え方がわかる2.ITツールに飛びつかない現場改善手法がわかる3.業務目的の本質を見抜くことの重要性がわかる 「現場改善は、課題の本質に気づく能力にかかっている」 第一回は、「現場改善は課題の本質に気づく能力にかかっている」というテーマで話をします。 現場課題に気づける人間が1人いたとしても、その課題と解決案を現場担当者に伝えるだけでは中々、会社全体の改善活動には繋がらないことがほとんどです。 どうすれば部署単位や会社全体を巻き込んだムーブメントになるのか?ルールを変えるのは、「大変」? 便利なITツールを使っても使わなくても、業務改善による効率化を図るのは可能です。業務改善とは業務が「善い方向」に「改め」られれば良いわけですが、現場のみなさんは結構悩まれています。“業務の品質を落とさず、短い時間で同じこと(或いは品質を上げる)”を実行すれば良いだけなのですが、いろんなことを考えすぎてしまう様です。 これはお客さんの所で経験した事例なんですが、どこの会社でも同じ様な事が起こっているのではないでしょうか?業務を簡単に説明しますので、どこが問題でどう解決してきたかを一緒に考えていきましょう。 【生産情報の伝達】① 生産管理課のAさんが今月生産する計画を立てて、工程表を作成しそれぞれの現場に配布する。② 工程表を受取った製造課のB係長は計画通りに生産できるかを確認する。そして問題なければ製造事務所(休憩所も併設しているので所属する部下との情報共有スペース)のホワイトボードの工程表に生産計画を記入し、係内の生産計画を共有する。③ 係に所属するC作業長は管理室の工程表を見て、自分の担当する製品の工程を確認する。 ④ 作業長C(ヒエラルキーの上位から、課長―係長B―作業長C―作業者モブです)は現場作業者や作業補助の人達にも情報を共有してもらうために、管理室の工程表をメモして、現場作業場の近くにあるホワイトボードに工程を書き込む。⑤ これで当日或いは今週の生産品目を皆と共有出来るようになったので、生産や生産品目の切り替えがスムーズになります。というような風景が普通にあります(日本の製造現場は超真面目なのです)。20年くらい遡れば、この様な状況が本当に普通の風景でした。 さて、ここで問題です。 i-Reporterのような便利なITツールがない時代に、末端の作業者まで生産計画周知徹底する方法を考えてみてください(20年くらい前ならどんな改善をするかです)。昔から普通に使っているコピー機やFAXなどは使っても良いです。 【一つの答え】改善の方法はいろいろあるので、これが正解というわけではありません。 登場人物は、工程表を作成したAさん、工程表を受け取ったB係長、B係長からの情報を生産現場と共有しようとするC作業長、あとその他大勢の現場作業者です。それぞれの担当者は、“受け取った情報”は伝達すべき情報なので、どんどん次工程に渡していくという作業を繰り返していきます。この作業は、受け取った情報(の一部)の形を変えて伝達しているだけです(昔はこの方法が主流でした)。この作業の目的は、製造課全体に重要な情報を共有し周知徹底することです。 “前工程で受取った自分は、その情報を次工程に渡す“という前後工程だけを忠実に実行すれば目的は達成できます。でもこのような伝言ゲームで本当に良いのか?もっと良いやり方があるのでは?と考えます。ちゃんとした情報を愚直に伝達することはゲームとしては全然面白くありませんが、この伝言ゲームを最速にするためには、どうすれば良いか? 答えは簡単です!最初の人が最後の人に答(情報)を伝えれば最速に情報を伝えることが出来ます。“伝言ゲーム“としては、全然面白くありませんがね。 では、工程表の問題に置き変えればどうなるかというと以下の様になります。最初に貰う“工程表”は通常A4とかA3のサイズになるでしょうが、A0に拡大コピーしたものを2枚もらって、管理室と現場の作業場に貼れば済むことです。現在であれば、そのエクセルファイルを現場の大型モニターに写せばよいだけですけど、今回は制約で使えません。 ここで重要なのは、“伝言ゲーム”をやっていた人達が自らこの“無駄”に気付いて改善しないといけないと思うことです。便利な道具で解決手段を簡単に与えるのではなく、“本当の課題”に皆が気付いて現場だけでなくいろんな部署から改善の声が上げるような組織にするという事が非常に重要なことです。この様な“課題解決の声を上げる”の場が作れれば8割くらい改善は成功したようなものです。 いろんなやり方があると思いますが、みなさん(の会社)はどの様に、この様な課題を解決していきますか? 次回は、それでも簡単に変えられない“しがらみ“の様なものについて話したいと思います。
現場でのトラブル&不具合に迅速対応する方法近年、建築業界では深刻な問題を抱えています。それは、人手不足です。国土交通省の統計によれば、1997年に685万人いた建設業就業者数が、2016年には492万人と約3割減少しています。 建築業は「きつい、汚い、危険」と呼ばれる3K職場とされて、新たに就業を希望する…
トレーサビリティとは?利用するメリットや向上させる方法製造業においてトレーサビリティは、消費者へ安心・安全な製品を提供するために必要です。 実際に、消費者がトレーサビリティを意識し始めるきっかけとなったのが、BSE(牛海綿状脳症)問題における牛肉のトレーサビリティと言われています。牛肉のトレーサビリティ…
工場の人手不足をどうする? 原因と対策方法日本の製造業、特に工場における人手不足は年々深刻化しています。 どれだけニーズがあっても、人手不足によって生産できなければ機会損失となってしまうため、製造業にとっては大きな問題です。また、培った技術を継承する人材がいなければ、長期的な事業の存続が…

【無料テンプレ付き】 不具合報告書とは?書き方と記載項目例をご紹介製造業の現場では、人為的なミスや設備の不良、システムのバグなどさまざまな原因でトラブルが発生することがあります。そのような場合に作成するのが不具合報告書です。今回は、不具合報告書の意味や作成の目的、作り方について解説します。無料でご利用いただけるテンプレートや報告書の作成や管理をサポートするITシステムもご紹介しますので、製造業の経営者や現場のご担当者様はぜひ参考にしてください。 \実際の事例を元に、現場でできる対策を解説/ 不具合報告書とは? まずは、不具合報告書の概要と作成の目的を解説します。クオリティの高い不具合報告書を作成するには、その目的を理解しておくことが重要です。 不具合報告書の意味 不具合報告書とは、発生した不具合の原因と対策について記載した文書です。障害報告書や経緯報告書、経過報告書、対策書など業界や業種によって呼び名が異なる場合もありますが、基本的な役割はどれも変わりません。社内の関係者への共有はもちろん、取引先に提出することもあるため、正確かつわかりやすく記載する必要があります。なお、不具合やトラブルが解消された後に作成する文書を顛末書と呼びます。 不具合報告書を作成する主な目的 関係者への障害内容の迅速な伝達 不具合報告書を作成する最大の目的は、不具合が発生した事実とその内容を社内外の関係者へ正確かつ迅速に伝達することにあります。不具合報告書を作成することで、関係者は問題の解決に向けて協力し、適切な対処方法を検討しやすくなります。不具合報告書の作成が遅れると、関係者が正確な情報を把握できなくなり、思わぬトラブルやクレームにつながる可能性があるため注意が必要です。 再発防止策の策定 不具合報告書には、不具合の原因と再発防止策が記載されます。これにより、今後同様の問題が発生しないように改善策を検討し、実行することが可能です。また、今後担当者が変更になった場合でも、今回策定した内容を基に取り組みを継続すれば、作業品質の向上が期待できます。 顧客の信頼回復 自社の製品に不具合が発生した場合、顧客からの信頼は一時的に低下しています。不具合報告書で顧客が求める情報を開示し、真摯な対応を行うことで、失った信頼の回復につながります。そのため、不具合報告書を作成する際は、状況を整理したうえで読み手が求める情報を的確に記述し、読みやすくわかりやすい構成に仕上げることが重要です。 社内の品質管理体制の向上 不具合報告書の作成には、企業の製品やサービスの品質を向上させる目的もあります。不具合報告書の作成を通して、社内の品質管理体制を見直す機会になるためです。また、社内で問題が発生した際に過去の報告書を参照することで、問題への対処方法や改善策を迅速に見つけやすくなります 不具合報告書の書き方 5W1Hで作成する 不具合報告書を作成する際は、以下のポイントを意識して書きましょう。 What(何が):具体的な不具合内容 When(いつ):発生日時と頻度 Where(どこで):不具合が発生した場所と影響範囲 Who(誰が):関係者や担当者 Why(なぜ):発生した原因の分析 How(どのように):解決方法、再発防止策 これらを明確に記載することで、よりわかりやすい報告書が作成できます。 不具合の要因を詳細に記載する 不具合の要因は、直接的な原因を特定し、根本的な発生原因を分析し記載することが重要です。また、不具合が発生した環境条件(温度や湿度、使用された材料のロット番号など)を詳しく記述し、再現手順を明確に示します。最後に、この不具合が他の作業や製品に影響を与えるか、その影響範囲を特定して記載しましょう。 どんな人でも理解できる文章を書く 不具合報告書は、社内だけでなく社外の方が確認する場合があります。そのため、シンプルな言葉で説明し、一文を短くし、要点を明確にするよう意識して記載しましょう。 また、具体例を追加したり、文章の順序を整理したりなど、読み手が自然に内容を追えるよう工夫することも重要です。難しい内容は図やイラストを使って補足するのも効果があります。 事実に基づく内容を正確に記載する 不具合報告書では、事実を正確に描くことが重要です。推測や感情的な表現は避け、データや観察結果をもとに具体的な事実を基に記載しましょう。また、第三者が確認できるように、情報源を明示してください。最後に、事実を順序立てて整理し、読み手が理解しやすいよう工夫しておくことで、確認作業が効率化されるでしょう。 音読してわかりやすい内容かチェックする 文章を声に出して読んでみて、つまずいたり、意味が伝わりにくい部分がないか確認することも重要です。 文が長すぎる場合は、短く区切って簡潔にしましょう。専門用語や難しい表現がある場合は、わかりやすい表現に置き換えます。最後に、読み手の立場になって、内容が一度で理解できるかを意識して確認しましょう。 不具合報告書の記載項目 質の高い不具合報告書を作成するには、単に事実のみを並べるだけでは不十分です。一定の書式に沿って作成するのが望ましいでしょう。こちらでは、不具合報告書の作り方や記載項目をご紹介します。 不具合報告書の作り方 不具合報告書の作成が必要になったら、まずはフォーマットを決定します。自社独自の雛形がある場合は、それを利用しましょう。ただし、取引先に提出するケースでは、先方が希望するフォーマットを使用するよう求められる場合もあるため事前に確認すると安心です。 フォーマットが決まったら、5W1Hの形式で不具合の概要や発生状況、原因、対策などを記述します。5W1Hとは、「When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(誰が)」「What(何を)」「Why(なぜ)」「How(どのように)」の6つの要素のことです。5W1Hを意識することで、内容が読み手に伝わりやすくなり、質の高い報告書に仕上がります。 また、不具合報告書を作成する際は、発生した事象を時系列で並べましょう。社内の関係者や取引先が、問題の発生から解決までの流れをスムーズに確認しやすくなるためです。 不具合報告書を作成するためには、現場帳票システム「i-Reporter」がおすすめです。 報告書を電子保存して一括管理 Excelでダウンロード可能 アラート通知で不良要因の発生を関係者に連絡 報告書をリアルタイムで共有可能 あなたもi-Reporterを使ってみませんか? →資料ダウンロードURLはこちら 不具合報告書の記載項目 タイトル タイトルは、不具合報告書の内容を一目で理解できるように簡潔に設定するのがポイントです。不具合報告書をメールで送付する場合は、件名に報告書のタイトルを記載します。長すぎず短すぎず、報告書の内容がわかる程度に記載するのが望ましいでしょう。 例えば、「製品Aの不具合による納期遅延に関する報告書」は良いタイトルといえます。タイトルを確認するだけで、「製品Aに不具合が発生し、納期遅延が生じている」という事実が明確に伝わります。一方、「自社商品の不具合報告書」は不適切なタイトルの例です。このタイトルでは内容が曖昧であり、不具合による具体的な影響が伝わりにくくなっています。 発生日時 発生日時の部分には、障害が発生した日時を記録します。一定期間にわたって障害が発生していた場合は、「○○年○○月○○日〜○○年○○月○○日」のような形式で記載するケースもあります。また、すでに不具合が解消されている場合は、発生日と復旧日を分けて記載しましょう。 宛先 宛先の項目には、部署名を記入するのが基本です。提出先が社外の場合は、相手方の会社名や部署名を記載し、担当者の個人名を載せないように注意しましょう。 差出人 差出人の欄には、報告者とその人が所属する部署の名前を記述します。提出先が社外の場合は、自社の名称も省略せずに記載します。 障害内容と原因 障害内容については、具体的かつわかりやすく説明するのがポイントです。言葉での説明が難しい場合は図や写真を活用しましょう。読み手が専門知識を有していないケースも多いため、難しい用語の使用は避けるのが無難です。また、不具合の内容を説明する際は、原因と併せて記載します。不具合について詳細な調査を行い、特定できた原因をできる限り明確に示しましょう。「設備の操作ミス」といった表面的な原因だけでなく、「なぜ操作ミスが発生したのか」という根本的な原因まで追求することで、読み手に信頼してもらえる報告書になります。 対策 対策の項目には、実施した措置や具体的な再発防止策を記載します。現場の担当者や専門家の知見を参考にしたうえで、実現可能な対策を講じる必要があります。 不具合報告書の例とテンプレート 不具合報告書は、トラブルの発生後できる限り早く提出するよう求められるケースが多いため、テンプレートを使用すると効率的です。そこで、以下にさまざまなシーンで活用できるシンプルな不具合報告書のテンプレートをご用意しました。無料でダウンロードできますので、ぜひご活用ください。 【社内向け】不具合報告書の例とテンプレート 【社内向け不具合報告書のテンプレートのダウンロードはこちら】 テンプレートのダウンロードはこちら:https://application.i-reporter.jp/download.excel_template07 不具合報告書のテンプレート作成方法 不具合報告書をテンプレートを用いて作成することは、作成時間と管理工数の削減に有効な手段です。今回は、Excel、Word、PowerPointなど形式別でご紹介します。 Excel/Googleスプレッドシートで作成する場合 まずは記載する項目を整理しましょう。その後、Excelにてタイトルと項目を設定します。例えば、A列には「報告書番号」、B列には「不具合発生日」といった形で設定しましょう。項目名が入力されたセルを太字にしたり、背景色を変更したりすることで視認性を向上させるのがおすすめです。 その後、項目名の右隣に、実際に入力するためのセルを設けます。その際に、ドロップダウンリストなどを設定しておくと、より使いやすくなるのでしょう。 Word/Googleドキュメントで作成する場合 Wordでテンプレートを作成する際も、Excelで作成する際と同様に記載する項目を整理しましょう。その後、タイトルと記載項目を見出しとして設定します。例えば、「1. 不具合発生日」「2.…