作業指示書とは?作成の目的と種類、記載項目【便利な無料テンプレート付き】

ビジネスシーンにおいて、作業予定や作業内容などの情報をすべて口頭で説明すると、漏れや伝達ミスが生じるリスクがあります。そのような事態を防ぐために、多くの現場で利用されているのが作業指示書です。

そこで今回は、作業指示書の概要や目的、主な種類、記載項目の具体例、作成のポイントについて詳しく解説します。作成した作業指示書の管理に役立つITツールや、無料のテンプレートもご用意していますので、建設現場などの管理を行うご担当者様はぜひ参考にしてください。

作業指示書を作成する目的

作業指示書は、さまざまな業界・業種の企業で使用されています。こちらでは、作業指示書の概要や作成の目的を解説します。

作業指示書とは

作業指示書とは、現場で行う作業内容について記載した書類です。業務指示書や、単に指示書と呼ばれる場合もあります。
作業が複雑なケースや同じ作業が繰り返されるような場合に作成することが多い傾向にあります。

作業指示書の目的

作業指示書の作成には、手順を確認する回数を減らして作業を効率化する狙いがあります。手順が複雑な作業がある場合でも作業指示書を使ってわかりやすく説明することで、短時間で理解してもらいやすくなり、業務効率の向上が期待できます。指示書によって作業内容に対する理解が深まれば、担当者が余裕をもって作業に取り組みやすくなり、安全性の向上にもつながるでしょう。

また、作業指示書には作業内容を管理し、現場の作業員に周知する役割もあります。作業内容をすべて口頭で伝達しようとすると、漏れや認識違いが生じる可能性があります。作業指示書に記録しておくことで、このような事態を防ぎ、円滑な業務の遂行が可能になります。

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作業指示書のパターン例

作業指示書は一般的な名称として広く利用されていますが、現場によっては別の名前で呼ばれているケースもあります。
続いては、作業指示書の種類を3つご紹介します。

工事指示書

工事指示書は、建設現場で使われる指示書を指します。一次請け企業が作成し、元請け企業が記載に従って作業を行うケースが一般的です。
工事指示書には、作業内容や作業実績、予定人員、必要な資材や機器、安全対策などの情報が記載されます。工事指示書を活用することで、現場での連携がスムーズになり、工事の品質向上や安全性の確保に役立つでしょう。

建設現場では、作業の遅れがコストの増大や工期の長期化などにつながります。そのため、工事指示書にはスケジュールを細かく記載するのが基本です。
ただし、天候の影響などにより作業が後ろにズレ込むケースも多いため、スケジュールに余裕をもって作成することも大切です。

デザイン指示書

デザイン指示書は、プログラマーやデザイナーなどを対象とした指示書で、システム開発の現場で多く利用されています。仕様書と呼ぶ場合もあり、要件定義を細かく行うのが特徴です。デザイン指示書を作成することで、上流工程と下流工程で担当が分かれている場合でも共通のイメージを掴みやすくなり、作業効率や品質の向上が期待できます。

デザイン指示書には、システム開発の目的やターゲット、デザインに対する具体的な要求などを記載します。ただし、プロジェクトごとに異なるフォーマットのデザイン指示書が必要になるケースも多いため、各プロジェクトの特性や要件に合わせた指示書を作成することが重要です。

運行指示書

運行指示書は、運送業で使用される指示書です。ドライバーと運行管理者間における運送計画の共有を目的として作成されます。
48時間を超える長距離輸送で対面での点呼が行えない場合など、運行指示書の作成が義務付けられているシーンも多く、法令遵守の観点からも重要な帳票です。運行指示書を携行させなかったり、内容に不備があったりすると、行政処分を受ける可能性があります。

運行指示書には、出発地や目的地、休憩地、運転者の交代場所、運行の日時などの情報を記載します。また、運送事業者は指示書を1年間保管する義務があるため、帳票のペーパーレス化サービスなどを活用し、省スペースで管理できるように工夫するのがおすすめです。

作業指示書の記載項目とテンプレート

一部の指示書を除き、作業指示書に記載する項目は基本的に自由ですが、伝わりやすい文書に仕上げるにはある程度決まったフォーマットを用意しておくと便利です。そこで続いては、作業指示書の主な記載項目をご紹介します。

作業指示書の記載項目の例

作業名(タイトル)

作業名は、作業内容を一目で理解できるように、具体的かつ簡潔に記載することが重要です。作業名を明確にすることで、作業の種類や目的が伝わりやすくなり、担当者が効率的に作業に取り組みやすくなります。例えば、「基礎の工事」「レイアウトの作成」「常務前点呼」など、作業内容に応じた名称を設定しましょう。また、タイトルを具体的に記載できれば、保管している作業指示書のアーカイブや検索が容易になり、過去のデータとの比較や分析がスムーズに行えます。

発行日

発行日は、過去の作業指示書の整理や管理を容易にするために記載します。発行日を明記することで、日付で作業指示書を特定できるようになり、過去の指示書との比較や改善点の把握が行いやすくなるでしょう。また、作業の進捗や達成状況を把握する際にも、発行日を参照することで作業スケジュールの管理を円滑に行えます。

宛先となる作業者名

作業者名の項目には、作業の担当者を明示します。具体的には、実際に作業を行う担当部署や担当者の名前を記載しましょう。必要に応じて連絡先も併せて載せておくのがおすすめです。作業者名を明示することで、誰に宛てた作業指示書なのかが明確になり、責任をもって作業に取り組んでもらいやすくなるメリットがあります。また、作業の進捗状況の確認や報告を行う際も、誰に連絡をすべきかが一目で判断できて便利です。

責任者

責任者の欄には、今回の作業の責任者を明示します。建設現場の場合、安全衛生責任者や作業責任者、職長などが該当します。責任者が明確になることで、作業の品質や安全性が確保されやすくなる点がメリットです。また、問題が発生した際や緊急時に責任者への連絡がスムーズに行えるよう、電話番号やメールアドレスなどの連絡先も記載しておくことが望ましいでしょう。

依頼者名

依頼者名には、作業の依頼者の名前を記入します。個人名を記載する場合も、企業の名称を記載するケースもあるでしょう。依頼者名を明記することで、作業の発注元や関係者が確認できるため、作業の進行状況の報告や問題解決をスムーズに行いやすくなります。また、作業者が依頼元のニーズや要望を正確に把握し、適切な対応ができるようになる点もメリットです。電話番号やメールアドレスなど、必要に応じて依頼者の連絡先も記載しておくと良いでしょう。

作業期間・作業日時

作業指示書には、作業期間や作業日時も記載します。作業にかかる時間や終了日時などのスケジュールを明確にすることで、担当者が作業の全体像を把握しやすくなり、計画的な作業が可能になります。そのため、作業期間や日時を記載する際には、具体的な日付や時間を指定することが望ましいでしょう。

作業場所

作業場所の項目には、今回作業を実施する場所を明記します。例えば、現場の住所や工区、フロア、部屋番号などをわかりやすく明示しましょう。作業場所を具体的に記載することで、作業者が作業の現場を正確に把握し、迅速に作業に取り掛かることができます。また、作業場所が特定しにくい場合や、現場へのアクセスが難しい場合は、地図や交通手段の情報も併せて記載しておくのがおすすめです。

作業内容

作業内容は、手順を詳細に記載する項目です。作業内容を具体的に記載することで、指示書を読んだ担当者が何を行うべきかを理解し、スムーズに作業を進めやすくなります。手順のほかには、目的や使用する機器、工具、注意事項などを記入する場合もあります。また、作業内容が伝わりやすくなるよう、箇条書きや図表を用いるなど工夫することも大切です。

作業指示書のテンプレート

こちらには、幅広い業界・業種で使いやすい作業指示書のテンプレートをご用意しました。
作業内容に合わせてカスタマイズしてご利用いただくことも可能なため、以下のボタンから無料でダウンロードしてみてください。

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作業指示書の作成ポイント

作業指示書を作成する際は、どのような点を意識すると良いのでしょうか?
こちらでは、現場の作業員に伝わりやすい作業指示書に仕上げるためのポイントを3つ解説します。

作業工程ごとに記載欄を設ける

作業指示書を作成する際は、できるだけ作業工程を細かく分けるのがポイントです。細かく分けた作業工程ごとに記載欄を設け、指示内容を記入しましょう。これにより、作業内容を正確に伝えやすくなり、伝達ミスや誤解によるトラブルの発生を防止できます。また、作業内容を細分化することで、各工程に必要な時間やリソースを一目で把握できるため、現場の責任者がスケジュールを管理しやすくなるメリットもあります。

作業内容をわかりやすく記載する

作業指示書は、作業内容をわかりやすく、かつ具体的に記載することも大切です。ベテランの作業員から新人まで、誰が読んでもわかる内容にすることを意識して制作しましょう。例えば、専門用語や略語を使用する際には、その意味や定義を明示しておくと認識違いや伝達ミスを防ぎやすくなります。説明が難しい部分には、写真やイラストを活用するのも良いでしょう。

また、作業指示書が完成した後は、定期的に不明点やわかりづらい部分がないか作業者にアンケートを行うのがおすすめです。作業指示書の内容の改善につながり、業務効率の向上が期待できます。

作業に必要な機器や工具の情報も明記する

作業指示書には、作業に必要な機器や工具の情報も記載しましょう。名称や型番、仕様などを具体的に記載することで、事前に必要な道具を用意したうえで作業を開始できます。また、機器や工具に関する注意事項や取り扱い方法も載せておけば、作業中のトラブルや事故を防ぎやすくなります。

作業指示書の管理を効率化するなら「i-Reporter」

作成した作業指示書の管理にお困りの場合は、帳票の電子化システムの導入がおすすめです。
作業指示書のペーパーレス化を実現し、省スペースかつ効率的に管理できるようになります。こちらでは、作業指示書の電子化に役立つITツールの「i-Reporter」をご紹介します。

「i-Reporter」は、株式会社シムトップスが提供する、多彩な機能を搭載した現場帳票の電子化システムです。
エクセルや紙ベースの作業指示書を電子化し、パソコンやタブレット、スマートフォンなどの端末にすぐに共有できます。

作業指示書の管理では、「量が増えたことで紙の指示書を保管するスペースがない」「参照したい指示書が見つからない」などの課題を抱えている現場も少なくありません。「i-Reporter」を導入すれば、これらの課題をまとめて解決できます。
作成した作業指示書はシステム上で管理されるため、ファイリングの手間や保管スペースを用意する必要はなく、タグやキーワードで過去の指示書に簡単にアクセス可能です。

また、「i-Reporter」は、現行の作業指示書のレイアウトを変更せずに電子化できるメリットもあります。
現場のノウハウが詰まった帳票をそのまま電子帳票に置き換えられるため、現場の作業員も直感的に操作でき、短期間で導入効果を実感できるでしょう。

「i-Reporter」では、無料でダウンロードできる資料や、お申込み不要で利用できるトライアルをご用意しています。作業指示書をはじめとした帳票の管理にお悩みの場合は、下記のページよりお気軽にお問い合わせください。

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作業指示書を作成して現場のスムーズな作業をサポートしよう

本記事では、作業指示書の目的や種類、記載項目、書き方のポイントについてお伝えしました。
作業指示書は、作業手順や目的を明確にし、作業者に正確な指示を与えるための重要な書類です。
適切な作業指示書を用意することで、作業の効率や品質の向上につながるだけでなく、作業中のトラブルや事故の防止にも役立ちます。
箇条書きや図、イラストなどを積極的に活用してわかりやすく網羅的な作業指示書を作成し、現場の業務をサポートしましょう。

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