〜2023年に向けて、電子帳票への対応を進める意向は93.9%〜
この度、製造業(従業員数50名以上)の現場の管理者102名に対し、製造業の現場帳票に関する実態調査を実施いたしました。
調査サマリー
調査概要
調査概要:製造業の現場帳票に関する実態調査
調査方法:IDEATECHが提供するリサーチPR「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
調査期間:2022年11月14日〜同年11月16日
有効回答:製造業(従業員数50名以上)の現場の管理者102名
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはなりません。
現場帳票の管理、6割以上が「紙・エクセル」の実態
「Q1.あなたのお勤め先では、現場帳票を主にどのように管理していますか。」(n=102)と質問したところ、「エクセル」が45.1%、「紙」が18.6%という回答となりました。
・紙:18.6%
・エクセル:45.1%
・システム:31.4%
・その他:0.0%
・わからない/答えられない:4.9%
「紙」の理由として「慣例となっている」や「利便性が高いと感じる」などの声
Q1で「紙」と回答した方に、「Q2.現場帳票を主に紙で管理している理由について、当てはまるものを全て教えてください。(複数回答)」(n=19)と質問したところ、「紙での記録・報告が慣例になっている」が57.9%、「紙の方が利便性が高いと感じるから」が47.4%、「システム導入を推進する人がいないから」が26.3%という回答となりました。
・紙での記録・報告が慣例になっている:57.9%
・紙の方が利便性が高いと感じるから:47.4%
・システム導入を推進する人がいないから:26.3%
・意思決定者の理解が得られないから:21.1%
・システム導入のコストが高いから:15.8%
・システムに関する情報が入ってこないから:5.3%
・社内で現在利用しているシステムと連携がとれないから:5.3%
・その他:5.3%
ー50歳:法令上
・わからない/答えられない:0.0%
「エクセル」の理由として「使い慣れている」や「クラウド化が進んでいない」などの声
Q1で「エクセル」と回答した方に、「Q3.現場帳票を主にエクセルで管理している理由について、当てはまるものを全て教えてください。(複数回答)」(n=46)と質問したところ、「使い慣れているから」が67.4%、「クラウド化が進んでいないから」が45.7%、「レイアウトの修正が簡単だから」が37.0%という回答となりました。
・使い慣れているから:67.4%
・クラウド化が進んでいないから:45.7%
・レイアウトの修正が簡単だから:37.0%
・関数や条件付き書式が使えるから:23.9%
・エクセル以外のツールへの抵抗感があるから:21.7%
・その他:0.0%
・わからない/答えられない:0.0%
4割以上から「他ツールとの連携ができない」や「人的ミス・データの抽出・分析」に課題の声
Q1で「紙」「エクセル」と回答した方に、「Q4.紙・エクセルで管理する上で、不満を感じることはありますか。(複数回答)」(n=65)と質問したところ、「他ツールと連携ができない」が43.1%、「データの抽出・分析がしにくい」が41.5%、「人的ミスが起きやすい」が41.5%という回答となりました。
・他ツールと連携ができない:43.1%
・データの抽出・分析がしにくい:41.5%
・人的ミスが起きやすい:41.5%
・現場の状況が掴みづらい:36.9%
・記録方法や内容が統一されていない:36.9%
・記録後の処理や保管が手間:18.5%
・その他:1.5%
・特にない:7.7%
・わからない/答えられない:0.0%
他にも「管理をリアルタイムに行えない」や「紙からデータにうつす無駄な工数が発生している」などの不満も
Q4で「特にない」「わからない/答えられない」以外を回答した方に、「Q5.Q4で回答した以外に、紙・エクセルで管理する上で、特に不満を感じることがあれば、自由に教えてください。(自由回答)」(n=60)と質問したところ、「管理をリアルタイムに行えない」や「紙からデータにうつす無駄な工数が発生している」など40の回答を得ることができました。
<自由回答・一部抜粋>
・25歳:管理をリアルタイムに行えない。
・38歳:紙からデータにうつす無駄な工数が発生している。
・42歳:最新版がわからない。
・47歳:システム上で処理できない為、資料が膨大になる。
・58歳:計算式が壊れやすい。
・51歳:一元管理、履歴管理に手間がかかる。
・51歳:消えてしまう事がある。
・47歳:間違いがチェックできない。
現場帳票の管理をシステム化した管理者の93.8%が、システムになって「よかった」と実感
Q1で「システム」と回答した方に、「Q6.あなたは、現場帳票の管理をシステムで行うようになって良かったと感じますか。」(n=32)と質問したところ、「非常にそう思う」が68.8%、「ややそう思う」が25.0%という回答となりました。
CTA Example – 2 Columns – Diagonal Split Background\ 現場DX、最大の壁は「現場の抵抗」 /

現場帳票のデジタル化に成功した企業の声を特集にしました。
・「なぜ数多あるツールの中からi-Reporterを選んだのか」
・「導入後にどんなメリットがあったのか」
・「活用シーンはどこ?導入効果は?」
その全てにお答えしています。
とりあえず資料を見てみる(無料)・非常にそう思う:68.8%
・ややそう思う:25.0%
・あまりそう思わない:6.2%
・全くそう思わない:0.0%
システムの利点として、約6割が「リアルタイムに確認できる」や「参照・検索しやすい」「柔軟な働き方に対応できるようになった」などの声
Q6で「非常にそう思う」「ややそう思う」と回答した方に、「Q7.システムでの管理で良かったと思う理由について、当てはまるものを全て教えてください。(複数回答)」(n=30)と質問したところ、「リアルタイムに確認できるようになったから」が66.7%、「参照・検索しやすくなったから」が56.7%、「リモートワークなど柔軟な働き方に対応できるようになったから」が56.7%という回答となりました。
・リアルタイムに確認できるようになったから:66.7%
・参照・検索しやすくなったから:56.7%
・リモートワークなど柔軟な働き方に対応できるようになったから:56.7%
・記入が楽になったから:50.0%
・帳票管理の手間が省けるようになったから:50.0%
・データが蓄積と分析ができるから:43.3%
・セキュリティが強化されたから:36.7%
・その他:0.0%
・わからない/答えられない:0.0%
「紙・エクセル」で管理をしている93.9%が、2023年に向けた電子帳票への対応に意欲
Q1で「紙」「エクセル」と回答した方に、「Q8.あなたは、2023年に向けて、電子帳票への対応を進めたいと思いますか。」(n=65)と質問したところ、「非常にそう思う」が47.7%、「ややそう思う」が46.2%という回答となりました。
・非常にそう思う:47.7%
・ややそう思う:46.2%
・あまりそう思わない:4.6%
・全くそう思わない:1.5%
電子帳票への対応を進めたい理由、約6割が「記録や報告の効率化」や「現場の状況がリアルタイムに分かるから」と回答
Q8で「非常にそう思う」「ややそう思う」と回答した方に、「Q9.2023年に向けて、電子帳票への対応を進めたいと思う理由について、当てはまるものを全て教えてください。(複数回答)」(n=61)と質問したところ、「帳票の記録や報告の効率化ができるから」が59.0%、「現場の状況がリアルタイムに分かるから」が55.7%、「保管や管理の手間を削減できるから」が45.9%という回答となりました。
・帳票の記録や報告の効率化ができるから:59.0%
・現場の状況がリアルタイムに分かるから:55.7%
・保管や管理の手間を削減できるから:45.9%
・資源や人件費などのコストカットにつながるから:39.3%
・人的ミスの発生が防げるから:26.2%
・その他:1.6%
・わからない/答えられない:3.3%
他にも「情報漏洩を避けるため」や「紙・エクセルに頼る傾向があり無駄が多く、外部からの圧力は良い機会だと思う」などの声も
Q9で「わからない/答えられない」以外を回答した方に、「Q10.Q9で回答した以外に、2023年に向けて、電子帳票への対応を進めたいと思う理由があれば、自由に教えてください。(自由回答)」(n=59)と質問したところ、「情報漏洩を避けるため」や「紙・エクセルに頼る傾向があり無駄が多く、外部からの圧力は良い機会だと思う」など30の回答を得ることができました。
<自由回答・一部抜粋>
・58歳:情報漏洩を避けるため。
・47歳:全体的にうちの会社は紙・エクセルに頼る傾向があり無駄が多く、他社に後れを取っている。外部からの圧力以外なかなか新規導入を進めようとしない為、良い機会だと思う。
・39歳:省人化。
・53歳:工数低減。
・44歳:他システムとの統合、合理化、DX化の推進など。
まとめ
今回は、製造業(従業員数50名以上)の現場の管理者102名に対し、製造業の現場帳票に関する実態調査を実施しました。
製造業の現場帳票の管理として、6割以上が「紙・エクセル」の実態が明らかになりました。紙で管理している理由として、半数以上が「紙での記録・報告が慣例になっている」と回答しました。またエクセルで管理している理由として、「使い慣れている」や「クラウド化が進んでいない」などの声が多数挙がりました。その一方で、92.3%が「紙・エクセル」での管理に不満を抱いていることも分かりました。不満理由としては、「他ツールとの連携ができない」や「人的ミス・データの抽出・分析」に課題の声が挙がっていることから、DX化が推進される今、現状の方法で出来ないことが明確になり始めていることが伺えました。
なお、「紙・エクセル」で管理する現状に不満を抱くうちの93.9%が、2023年に向けた電子帳票への対応に意欲を示しており、なかなかDX化が進まない自社にとっては法令によりシステム化が求められることがありがたいという声も挙がりました。
長年にわたり使い慣れた「紙・エクセル」から運用方法を変えるために、製造業の現場を動かすことはなかなか難しい実態が浮き彫りとなりました。DX推進が叫ばれてから、システム化するメリットをよく目にするようになりましたが、製造業の管理者としてもシステムのメリットは魅力的だと感じられているようです。2023年の電子帳票への対応に向けて動き出す製造業は多いことが想定され、導入後は製造業の管理者の作業負担は大幅に削減されることが期待できそうです。
i-Reporterについて
i-Reporterは国内シェアNo.1の現場帳票ペーパーレス化ソリューションです(※1)。
使い慣れた現場の紙帳票がそのままデジタル化できるので、誰でも簡単に利⽤できます。
電⼦帳票はノーコードで簡単に作成・修正ができるのでプログラミング知識が無い⽅でも安⼼。
紙ならではのミス・漏れ、ダブルチェック・集計・転記の煩わしさを解決します。
- 紙やExcelの帳票をそのままのレイアウトでタブレットに取り込み、ペーパーレスをノーコードで実現
- 現場⼊⼒データがリアルタイムでデジタル化され、データの2重⼊⼒を防ぎ情報活⽤と共有が迅速に
- 外付けデバイス、IoTやPLC、既存システムとのデータ連携により、ミス無く効率的な⼊⼒ができる他、トレーサビリティーの⾼いエビデンスが取得可能
- ⾳声⼊⼒によるハンズフリーを実現し、作業と⼊⼒を並⾏可能
- 複数のバーコードを一括連続して読み取るAR付きスキャンで在庫棚卸しなどの現場作業を大幅効率化
- ⼊⼒データをAI 連携し、分析、解析結果をエビデンス化
- オンプレミス版とクラウド版のどちらも利⽤可能
i-Reporterと各種のi-Repoファミリー製品は、ノーコード『現場DXプラットフォーム』としてお客様の現場DXの実現を支援します。
▼製品サイトはこちら
https://i-reporter.jp/
(※1)富士キメラ総研 2022年8月3日発行
業種別IT投資 / デジタルソリューション 2022年版
I-4現場帳票ペーパーレス化ソリューション市場占有率36.1%(2021年度実績)

現場帳票研究所の編集部です!
当ブログは現場帳票電子化ソリューション「i-Reporter」の開発・販売を行う株式会社シムトップスが運営しております。
現場DXの推進に奮闘する皆様のお役に立てるよう、業界情報を定期的に配信致しますので、ぜひ御覧ください!
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【マスヤグループ本社様】DX事始めには情報のデジタル化が欠かせない現場KAIZENインタビュー更新のお知らせです! 今回は、西日本にお住まいの方にはおなじみ「おにぎりせんべい」を作っているマスヤ様(三重県伊勢市)の神山様、竹内様中西様、北川様、新谷様に出演頂きました。 https://youtu.be/hG_vbmcsl5I おにぎりせんべい しょうゆ味 株式会社マスヤ様について 株式会社マスヤ様は三重県伊勢市に本社と工場があります。営業所は全国に点在していて、東京・名古屋・大阪・福岡にあります。事業内容としては、おにぎりせんべいを中心とする米菓の製造販売をしています。 これまでの改善活動について マスヤ様のシステム開発PJチームでは、マスヤ工場の生産性向上を大テーマとして、DXにてサポートできることはないか、日々取り組んでいます。IoTの技術を使ってセンサーからの情報を見える化や、電子日報の導入、運用サポートを行っております。 今回は電子日報(電子帳票)の導入にフォーカスして事例の話をします 竹内様- 電子日報の導入にて苦労したことは、工場では18歳から70歳まで色んな世代・属性の方が働く環境の中で、必ずしもタブレット操作が得意な方ばかりではないということがありました。 システムチームでは、タブレットの操作説明会を何度も企画したり、テスト入力時には立ち合いを行なったりしながら、とにかく丁寧に説明を行い、時間を掛けて少しずつ導入を進めてきました。 その他には、前日以前の日報から本日の日報にデータを転記したい事例があり、その機能は純正では付いていなかった為、i-ReporterとRPAソフトを組み合わせて活用して、機能開発した事例もありました。 事例)前日までのデータを夜間にRPAに抽出させて、マスタ構築し、データをi-Reporter上で検索可能にする等 改善の具体的な方法を教えてください DXを行う足掛かりとして現場情報のデジタル化が非常に重要な要素であると考え、ConMas i-Reporterを採用致しました 情報の見える化のためには、情報を扱いやすいデジタル情報にすることがまずスタートだと思います。 いままでは紙の日報に様々な生産データや記録を行ってアナログ情報を蓄積し、デジタル情報への変換は人の手入力により行っていました。その時点で非常に多くの工数を費やす結果となっておりました。 まだ進行中の段階ではありますが、電子日報により、日報の記入と同時にデジタルデータ化ができましたので、今後はインプット工数が劇的に削減できると考えています。 更に先々ではRPAの技術を使って夜間に機械的に集約システムへのインプット作業を行うことを想定しております。 改善の効果について 転記工数の削減や紙自体の削減に大きく役立っています 竹内様- 電子日報のデータの集約システムへの転記はまだ行っておりますが、現時点でも転記工数の削減はできています。 システム導入に際して必要なデータの見直しを行ったことや、デジタル情報が扱いやすい(見やすい)ことが起因していると思います。 将来的にRPAの技術を導入できた際には日々2.5人で行っている転記作業が丸々に近いくらい削減できると思っています。 その他にも様々な効果がありました 竹内様- 例えば紙の削減です。工場では多数のラインがあり、それぞれで紙の日報を記載していました。その数は毎日100枚以上の印刷物を使用しているほどでした。 単純計算で100枚×250日としても、年間で25,000枚以上もの印刷物が蓄積されていました。それだけの紙を印刷することも大変ですし、記録を管理・保管することにも業務費用が発生していたと思います。 紙の削減は今話題のSDGsにも大きく貢献できるということもあり、企業として向かうべき方向性にもマッチしているかと思います。 動画では生地、焼成、梱包部門の各担当者が電子帳票の使用感について話をしているので是非見てみてください ありがとうございました! マスヤ様では、IT部門と現場が一体となり改善活動を行っています。その結果、生産性の向上や作業効率化と現場担当者様の満足度が両立できていると感じました。 是非、インタビュー動画を見て、自社改善活動の参考にしていただければ幸いです。 マスヤ様、ありがとうございました! 【株式会社マスヤ様WEBサイト】 http://www.masuya.co.jp/ 【会社概要】 http://www.masuya.co.jp/company/profi...

医療DXとは?具体例とよくある課題、解決のためのポイントや手法高齢化が進む現代の日本において、医療は重要な役割を果たしています。しかし、医療従事者は不足傾向にあり、地域ごとの医療格差や医療機関の経営難などの問題に直面しています。これらの課題を解決する手段として注目されているのが「医療DX」です。 今回は、医療DXの定義や推進によって期待される効果、課題について解説します。実際に医療DXに取り組み、成果を出した企業様の事例もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 医療DXの定義 医療DXは、厚生労働省により以下のように定義づけられています。 <厚生労働省による医療DXの定義>医療DXとは、保健・医療・介護の各段階(疾病の発症予防、受診、診察・治療・薬剤処方、診断書等の作成、診療報酬の請求、医療介護の連携によるケア、地域医療連携、研究開発など)において発生する情報やデータを、全体最適された基盤を通して、保健・医療や介護関係者の業務やシステム、データ保存の外部化・共通化・標準化を図り、国民自身の予防を促進し、より良質な医療やケアを受けられるように、社会や生活の形を変えることと定義できる。 【出典】「医療DXについて」(国土交通省) そもそもDXとは、「Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)」の略称です。デジタル技術の活用によってビジネスモデルや働き方、業務そのものを変革することを意味します。 一方、厚生労働省の定義を確認すると、医療DXが目指すのは「国民自身の予防促進」や「良質な医療やケアの提供」であることがわかります。テクノロジーの導入によるビジネスの変革が目的ではありません。あくまで医療サービスを受ける人の健康促進を目指しており、一般的なDXとは少し異なる意味合いで使用されます。 医療現場におけるデジタル化やDX化を推進するため、国が提言したのが「医療DX令和ビジョン2030」です。「全国医療情報プラットフォーム」の創設や電子カルテの普及、診療報酬改定のDX化などに取り組み、医療分野が抱える情報管理に関する課題の抜本的解決を目指しています。 DXが求められる医療業界の現状・課題 国を挙げてDXが推進されている医療業界は、どのような課題を抱えているのでしょうか。こちらでは、医療業界の主な課題を4つご紹介します。 医療従事者の不足 少子高齢化の影響により、医療需要が高まる一方で医師や看護師の不足が深刻化しています。新型コロナウイルス感染症の流行のあおりも受けており、医療従事者の不足が続くと本来あるべき医療を提供できなくなり、医療崩壊につながるリスクがあります。 地域による医療格差 人口密集地や都市部では医療サービスが充実している一方、過疎化が進む地方では医療機関が不足している傾向にあり、地域による医療格差も大きな問題となっています。特に、地方は高齢化が進行しており、適切な医療サービスの提供が急務です。DXを推進することで、業務効率化による赤字経営からの脱却やオンライン診療の導入などを実現し、地域ごとの医療格差を解消する必要性が高まっています。 超高齢化社会への突入 日本は、第一次ベビーブームによって誕生した「団塊の世代」が75歳以上の後期高齢者となる2025年以降、超高齢化社会に突入します。人口のボリュームゾーンである団塊の世代が後期高齢者となることで医療需要が増加し、医療費・介護費の増大、医療従事者のさらなる不足などが懸念されているのが現状です。 小規模な医療機関の経営難 医療業界では、診療報酬の低さや人材不足などに起因する医療機関の経営難も深刻な課題です。特に小規模な医療機関は、周囲のクリニックや大手病院との競争に巻き込まれ、経営状況が厳しくなるケースも少なくありません。また、新型コロナウイルス感染症の流行によって外出自粛が進み、受診を控える患者が増えた点も影響しています。 医療DXのメリットや効果・目的 日本の医療水準を維持し、質の高い医療サービスを提供するには、DX化に取り組むことで先に挙げた課題を解決する必要があります。そこで続いては、医療DXのメリットや効果、目的を解説します。 医療現場の作業の効率化を図れる 医療DXが進むと、医療現場における情報共有や医療行為の自動化が進み、効率的に業務を行えるようになります。カルテの電子化・ペーパーレス化による検索性の向上や入力ミスの削減、レントゲン写真や心電図と検査データを紐づけて管理することによる検索の負担軽減などが代表例です。 また、DXの取り組みによって医療サービスが改善されることで、患者の満足度向上も期待できます。例えば、紙カルテから電子カルテへの変更により患者情報を自身で確認しやすくなる、予約システムの活用で待ち時間を削減できるなどのケースが考えられます。 遠隔診断(オンライン診断)の実現が期待できる 医療DXは、遠隔診療やオンライン診療の実現にも役立ちます。ICT(情報通信技術)を活用することで、遠隔地の患者を非対面で診療できるためです。これにより、医療従事者が不足する地方への医療サービスの提供や訪問診療における医師の移動時間の削減、感染リスクの防止などの効果が期待できます。問診のみをオンラインで行い、本格的な診療は病院で行うというケースもあります。 予防医療が普及・発展しやすくなる 医療DXの推進は、予防医療の普及・発展にも寄与します。膨大な量の患者情報や医療データをビッグデータとして蓄積し、AIを活用して分析することで、疾患の早期発見や早期治療に役立てられるためです。医療業界全体でネットワークを構築し、同意を得たうえで病院や薬局、介護施設間でデータを共有できれば、地域による医療格差の解消にもつながります。 医療DXのデメリット・注意点 医療DXでは、業界が抱える多くの課題解決が期待できるものの、実現には一定のハードルがあります。こちらでは、医療DXにおけるデメリットや注意点を解説します。 十分なセキュリティ体制を実現する必要がある 医療機関は、患者の個人情報や診療記録などの秘匿性の高い情報を多く管理しています。そのため、DXを推進する際は、デジタルツールの活用による情報漏えいや盗聴などのセキュリティリスクを未然に防ぐ仕組みが必要です。実際、日本国内でも医療情報システムへのサイバー攻撃の事案が報告されています。 導入や運用のコストがかかりすぎる恐れがある 医療DXを進めるには、デジタルツールの導入や運用にともなうコストがかかります。具体的には初期費用やサーバーの維持費、メンテナンス費用などが挙げられます。固定費の増大によって経営状況が悪化するのを防ぐには、費用対効果の高いツールを選ぶことが重要です。 医療DXが進まないときのよくある課題 医療機関によっては、医療DXの重要性は理解しているものの、さまざまな事情から実行に移すことができないケースも少なくありません。こちらでは、医療DXが進まないときによく見られる課題をご紹介します。 既存システムとの連携や共存が難しい 病院がすでに一定のデジタルツールを活用している場合、既存システムとの連携に障壁があり、DXが進まないケースがあります。また、部署ごとに異なるツールを利用しており、DX推進の対象部門からの合意が得られない場合もあります。 このような事態を防ぐには、外部システムとの連携性が高いツールを選ぶことが重要です。従来の使い勝手を大きく変化させずにDXを実現できれば、現場の合意も得やすくなります。 デジタル人材の採用・教育が進まない 医療業界では、DXの推進に必要なデジタル人材が不足しており、施策が進まない側面もあります。医療知識が豊富な現場スタッフは、必ずしもITに明るいとはいえず、リテラシーの不足によってDX化が進まないケースも少なくありません。デジタル人材を短期間で育成することは難しく、新たに人材を採用しようとしても、人手不足の影響でなかなか見つからないのが現状です。 このような現場で医療DXを推進し、新たなシステムを定着させるには、誰でも使いこなしやすいツールを導入する必要があります。直感的な操作が可能なものを選ぶことで、IT機器の操作に慣れていないスタッフでも短期間で使いこなせるようになります。 新型コロナウイルス感染症の流行により業務がひっ迫している 医療機関によっては、新型コロナウイルス感染症の影響で業務がひっ迫しており、DXに取り組む時間や人員の余裕がない場合もあります。このようなケースでは、まずは一部の部門やプロセスにデジタルツールを導入するなど、スモールスタートでDXを進めることが大切です。医療DXによる業務効率化や診療体験の向上などの効果を実感したうえで、少しずつ全体への導入を検討するのが良いでしょう。 医療DXの事例 医療DXの着手をご検討の場合は、「i-Reporter」の活用をおすすめします。i-Reporterは、医療現場で使用する帳票の電子化ソリューションです。こちらでは、i-Reporterを活用して医療DXを実現した事例をご紹介します。 紙カルテを電子化して患者と向き合う時間を増やすことに成功 株式会社メディパス様は、医療機関や介護事業者に向けた経営サポートを行っています。こちらの企業では、バックオフィス業務を受託するコンパスデンタルクリニック様のカルテや診療内容報告書の電子化を目的としてi-Reporterを導入しました。 従来は紙ベースでカルテや診療内容報告書を管理しており、作成や転記、保管に多くの手間と費用がかかっていました。訪問診療を専門とする同社では、医師が毎日数十枚の書類を持ち運ばなければならず、紛失のリスクも抱えていたのです。 i-Reporterの導入後は、カルテや診療内容報告書の電子化を実現し、タブレット内で書類の作成や管理が行えるシステムを構築しています。紙の書式をそのままシステム上で再現しており、入力支援機能も豊富に搭載されているため、ITの専門知識がなくても漏れやミスなくスムーズに記入が可能です。書類作成の工数を大幅に削減でき、捻出した時間で患者とのコミュニケーションを増やすことに成功しています。 こちらの事例について興味がある場合は、下記のページよりご確認ください。 【i-Reporter導入事例インタビュー】紙の書式をそのまま移植できました 医療DXを進めて持続可能な医療提供体制を実現しよう 今回は、医療DXの概要やメリット、よくある課題、具体例についてお伝えしました。医療DXは、医療現場における業務を効率化し、患者の診療体験を向上させるために欠かせない取り組みです。現場帳票システムを活用した電子カルテの導入など、スモールスタートで医療DXを推進し、高齢化の時代に即した医療提供体制を整備しましょう。

小売業のDXは難しい?具体例とよくある課題、解決のためのポイントDX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル化やIT化を進めて自社の経営課題を解決し、ビジネスモデルや仕組みそのものを変革することを意味します。製造業界や医療業界はもちろん、オンラインの需要が高まっている小売業界でも重要な取り組みです。 そこで今回は、小売業におけるDXの必要性や取り組みの具体例、施策を進める際の課題と解決策について解説します。実際にDXに成功した事例と導入したシステムもご紹介しますので、DX推進に向けた実行計画を検討中の企業様はぜひ参考にしてください。 DXが必要とされる小売業界の現状・課題 小売業におけるDXとは、小売に関わるサービスや業務プロセスなどを変革して新たな仕組みを構築し、顧客体験の向上や新たな市場創造を試みるための取り組みのことです。DXの実現に向けて、AI(人工知能)やIoT、IT技術などのテクノロジーが活用されます。こちらでは、DXが必要とされる小売業界の現状や課題を解説します。 アナログな対応・処理が必要なシステム 小売業界では、時代に合わせた体制や仕組みの構築が進んでいない小売事業者も少なくありません。例えば、電子マネー決済やECサイトの導入などが遅れているケースです。「スマートフォンを使って買い物や決済を済ませたい」という顧客ニーズに対応できておらず、集客や売上の低下の原因となっています。 小売業界は消費者に近い業界だからこそ、変化に対する迅速・的確な対応が必要です。事業の存続や成長の加速には、デジタルツールを活用することで顧客に新たな価値を提供するDXの推進が欠かせません。 人材不足の深刻化 小売業界は、少子高齢化や働き方改革の不足などの影響により、人手不足が深刻化しています。新型コロナウイルス感染症の流行によって店頭での感染予防対策が必要になり、業務負担が増大したことで、さらに人手不足感が増しているのが現状です。 少子高齢化が進む現代で人材不足を解消するには、DXの推進による業務効率や生産性の向上が重要となります。例えば、セルフレジを設置してレジスタッフを削減したり、タッチパネルで注文できるシステムを導入したりすることで、店舗の省力化につながります。また、デジタル技術の活用で時代に適したニューノーマルな働き方を実現できれば、小売業界に抵抗のあった求職者からの評価も高まり、人材不足を解消しやすくなるでしょう。 原材料のインフレ 小売業界では、円安や燃料費の値上がりによる原材料費の高騰も大きな問題です。競合他社や取引先との兼ね合いから価格に転嫁できていない企業も多く、経営の圧迫につながっています。 DXの推進は、原材料価格の高騰への対策にも有効です。例えば、接客ロボットを導入することで人件費を削減したり、ITツールを活用して仕入れにかかる労務費を可視化し、改善策を検討したりなどの方法が考えられます。今後も続くと予想される原材料費の高騰に対応するためにも、DXの必要性が高まっています。 小売業のDXに向けた取り組みの具体例 小売業の現場では、上記の課題を解決するためにさまざまな施策が実行されています。こちらでは、小売業のDXに向けた取り組みの具体例とその効果をご紹介します。 システム導入による店舗運営の効率化 小売業における店舗運営の効率化に役立つのが、各種システムの導入です。在庫管理や受発注、顧客管理、マーケティング業務などを効率化でき、人手不足や原材料費の高騰に対応しやすくなります。 取り組みの例としては、キャッシュレス決済の導入やPOSレジによる顧客データの蓄積・分析、アプリやAIを活用した在庫管理や販売計画の自動化・省力化などが挙げられます。そのほかには、帳票管理システムの導入による受発注管理の効率化・安定化なども有効です。 ECサイトの展開 ECサイトの展開は、小売業における基本戦略の1つといえます。スマートフォンが普及した現代で売上を伸ばすには、オフラインだけでなくオンラインの顧客も取り込む必要があるためです。 しかし、実店舗とECサイトを別々に機能させているだけでは、リアル店舗のショールーム化を招きかねません。そこで重要となるのが「OMO(Online Merges with Offline)」です。実店舗とECサイトなど複数の販売チャネルを融合させる施策で、顧客が販売チャネルの違いを意識することなく、シームレスに買い物ができる仕組みの整備を目的としています。 OMOを実現するには、顧客接点や商品管理、決済などをデジタル化する必要があり、DXの推進が欠かせません。デジタルツールの導入などを通してDXを進め、OMOを成功させることで顧客満足度の向上やオムニチャネルの実現、販売機会の損失防止などのメリットが期待できます。 小売業のDX推進を進める際のポイント・注意点 DXを進めるうえで意識するべきポイントは、業界や業種ごとに異なります。そこで続いては、小売業でDXを推進する際の注意点を解説します。 DX推進を含む経営戦略の明確化 DXを進めるには、経営戦略を明確化したうえで従業員に周知することが大切です。DXはあくまで目的達成のための手段であり、目標となる経営戦略を明確にしておくことはDX推進の成否に大きく影響します。十分に経営戦略が練られていない状態でDXに取り組もうとしても、期待する成果を得られない可能性があります。DX導入に対して従業員の賛同や積極的な姿勢・行動が得られない、売上や利益の向上につながらないなどの悩みを抱えている場合は、まず経営戦略の見直しから始めましょう。 既存システムとの連携や共存 小売業におけるDXの推進には、デジタルツールやIT技術の活用が欠かせません。新しいツールを導入する際は、既存システムとの連携や共存も考慮して選定しましょう。既存システムに慣れているがゆえに、新しいツールの導入に対して抵抗感を持つ従業員がいるケースも想定されます。既存システムとの連携や共存が可能なツールを選ぶことで、従業員の不安を払拭し、組織全体でDXに取り組みやすくなります。また、既存システムに蓄積された膨大なデータを活用することで、最短でDXの実現を目指せるのもメリットです。 デジタル人材の採用・教育 DXの取り組みには、ITや先端テクノロジーに関する知見が豊富なデジタル人材の存在が必要不可欠です。しかし、小売業ではITに明るい人材が必ずしも在籍しているとは限らないため、自社のDX施策を担当するデジタル人材を採用・教育する必要があります。 社内人材の教育には、国が提供する「デジタル人材育成プラットフォーム」の活用をおすすめします。DXの推進に必要なデジタルスキルを取得できる、オンライン学習プログラムです。受講者のリテラシーに応じて、基礎的な知識だけでなく実践的な能力を身につけることも可能なため、小売企業におけるデジタル人材の育成に役立ちます。 【参照】「卸売・小売業界において活用可能なDX推進・デジタル人材育成に関する施策について」(経済産業省、商務情報政策局 情報技術利用促進課) 小売業のDX推進においてよくある課題 小売業におけるDXの重要性は理解しているものの、取り組みが進んでいない企業も少なくありません。こちらではその理由と対策を解説します。 拠点ごとに個別最適化された業務ルールの存在 小売店で必要な業務は、接客や仕入れ、売上管理、在庫管理など多岐にわたります。それぞれの業務は、扱う商品や販売戦略に応じて拠点ごとに個別最適化されているケースが多い傾向にあります。そのため、例えば業務管理システムを導入し、すべての拠点における業務ルールを一気に統合するのは難しいのが現状です。DXの推進によって現場が混乱してしまい、かえって業務効率の低下を招くおそれもあります。まずは一部の店舗にのみシステムを導入し効果検証を行うなど、スモールスタートを意識することが重要です。 既存の体制・方法を変えることに対する従業員の抵抗 現場におけるDXを拡大するフェーズでは、既存のルールや仕組みを変更することに対する従業員の抵抗も予測されます。DXの重要性や緊急性が現場に浸透していないのが原因です。 これを防ぐには、全社員を対象としてDX研修を実施してリスキリングを促したり、経営層が直接DXの目的や期待できる効果を従業員に伝えたりするのが良いでしょう。顧客体験の向上だけでなく、業務効率化など従業員にとってもメリットがあることを理解してもらう必要があります。 従業員のデジタル技術に関する知識の不足 DXを推進するには、専任の担当者を配置するのが理想です。しかし、従業員のデジタル技術に関する知識が不足しており、担当者を選定できないケースも少なくありません。 そのような場合は、専門家を招いて研修を実施するなど、従業員のリテラシーを高める施策に取り組みましょう。近年ではオンラインやeラーニングで受講できる研修も多く開催されているため、忙しい小売業の現場でも安心して参加できます。 小売業におけるDXの成功事例 小売業におけるDXの実現には、現場帳票の電子化システムである「i-Reporter」の導入がおすすめです。こちらでは、i-Reporterを活用してDXに成功した企業様の事例をご紹介します。 QSCチェックの電子化で業務効率化と年間約220万円のコスト削減を実現 飲食チェーン店を手がける株式会社トリドール様は、食の感動を提供するために日々のQSCチェックを重視しています。QSCとは、Quality(品質)・Service(サービス)・Cleanliness(清潔さ)の総称です。同社の各店舗では、店長が各項目を毎日チェックし、本部へ共有することでクオリティの維持に努めています。 しかし、以前はチェックシートを紙で管理しており、作成や運用に手間がかかっていました。本部へ共有するためにチェックシートをPDF化する必要もあり、業務効率の低下を招いていました。そこで導入されたのがi-Reporterです。 i-Reporterの導入後はチェックシートを電子化し、QSCの管理をタブレットで行える仕組みを構築しました。チェックの完了後はクラウド上のサーバーにアップロードするだけで共有できるようになり、業務改革を実現しています。QSCチェックの実施率が上がったことで、マネージャーによる店舗状況の確認業務が不要となり、年間約220万円のコスト削減につながっています。 こちらの事例の詳細が気になる場合は、こちらのページよりご覧ください。 【i-Reporter導入事例】i-Reporterを国内800店舗に展開しQSCチェックを電子化。 小売業のDXを進めてニューノーマルな時代へ対応しよう 今回は、小売業の現状やDXの具体的な取り組み例、よくある課題、解決策についてお伝えしました。DXは、小売業が抱える人材不足やコスト増大などの課題の解決、多様化する顧客ニーズへの対応に欠かせない施策です。DXの推進やデジタルの活用によって業務の効率化・省力化を実現し、新たな顧客体験の創出に役立てましょう。 【小売業界の作業精度と生産性向上へ】現場帳票電子化ソリューション「i-Reporter」で店舗の業務をスムーズに!・各店舗の在庫や売場の情報もリアルタイムで確認可能・帳票を紙から電子化→報告のラグ削減、転記ミスの減少・生産管理、点検、巡回、在庫管理を一括デジタル化 →現場帳票電子化ソリューション「i-Reporter」資料ダウンロードはこちら

製造業の現場DXのルールを変えるのは、大変?はじめに “「現場帳票研究所」”に寄稿させていただくことになりました株式会社K-crew代表取締役の北川といいます。 この連載は、現場DXに取り組むチームリーダー、またはITツールを活用した改善提案に携わる方に向けたものです。 著者の北川が経験してきた生産現場の業務改善事例や現場のお困りごとをもとに、DX推進の気づき・ヒントをお届けして参ります。 この記事を読むと以下のメリットがあります。 1.現場改善の基本となる考え方がわかる2.ITツールに飛びつかない現場改善手法がわかる3.業務目的の本質を見抜くことの重要性がわかる 「現場改善は、課題の本質に気づく能力にかかっている」 第一回は、「現場改善は課題の本質に気づく能力にかかっている」というテーマで話をします。 現場課題に気づける人間が1人いたとしても、その課題と解決案を現場担当者に伝えるだけでは中々、会社全体の改善活動には繋がらないことがほとんどです。 どうすれば部署単位や会社全体を巻き込んだムーブメントになるのか?ルールを変えるのは、「大変」? 便利なITツールを使っても使わなくても、業務改善による効率化を図るのは可能です。業務改善とは業務が「善い方向」に「改め」られれば良いわけですが、現場のみなさんは結構悩まれています。“業務の品質を落とさず、短い時間で同じこと(或いは品質を上げる)”を実行すれば良いだけなのですが、いろんなことを考えすぎてしまう様です。 これはお客さんの所で経験した事例なんですが、どこの会社でも同じ様な事が起こっているのではないでしょうか?業務を簡単に説明しますので、どこが問題でどう解決してきたかを一緒に考えていきましょう。 【生産情報の伝達】① 生産管理課のAさんが今月生産する計画を立てて、工程表を作成しそれぞれの現場に配布する。② 工程表を受取った製造課のB係長は計画通りに生産できるかを確認する。そして問題なければ製造事務所(休憩所も併設しているので所属する部下との情報共有スペース)のホワイトボードの工程表に生産計画を記入し、係内の生産計画を共有する。③ 係に所属するC作業長は管理室の工程表を見て、自分の担当する製品の工程を確認する。 ④ 作業長C(ヒエラルキーの上位から、課長―係長B―作業長C―作業者モブです)は現場作業者や作業補助の人達にも情報を共有してもらうために、管理室の工程表をメモして、現場作業場の近くにあるホワイトボードに工程を書き込む。⑤ これで当日或いは今週の生産品目を皆と共有出来るようになったので、生産や生産品目の切り替えがスムーズになります。というような風景が普通にあります(日本の製造現場は超真面目なのです)。20年くらい遡れば、この様な状況が本当に普通の風景でした。 さて、ここで問題です。 i-Reporterのような便利なITツールがない時代に、末端の作業者まで生産計画周知徹底する方法を考えてみてください(20年くらい前ならどんな改善をするかです)。昔から普通に使っているコピー機やFAXなどは使っても良いです。 【一つの答え】改善の方法はいろいろあるので、これが正解というわけではありません。 登場人物は、工程表を作成したAさん、工程表を受け取ったB係長、B係長からの情報を生産現場と共有しようとするC作業長、あとその他大勢の現場作業者です。それぞれの担当者は、“受け取った情報”は伝達すべき情報なので、どんどん次工程に渡していくという作業を繰り返していきます。この作業は、受け取った情報(の一部)の形を変えて伝達しているだけです(昔はこの方法が主流でした)。この作業の目的は、製造課全体に重要な情報を共有し周知徹底することです。 “前工程で受取った自分は、その情報を次工程に渡す“という前後工程だけを忠実に実行すれば目的は達成できます。でもこのような伝言ゲームで本当に良いのか?もっと良いやり方があるのでは?と考えます。ちゃんとした情報を愚直に伝達することはゲームとしては全然面白くありませんが、この伝言ゲームを最速にするためには、どうすれば良いか? 答えは簡単です!最初の人が最後の人に答(情報)を伝えれば最速に情報を伝えることが出来ます。“伝言ゲーム“としては、全然面白くありませんがね。 では、工程表の問題に置き変えればどうなるかというと以下の様になります。最初に貰う“工程表”は通常A4とかA3のサイズになるでしょうが、A0に拡大コピーしたものを2枚もらって、管理室と現場の作業場に貼れば済むことです。現在であれば、そのエクセルファイルを現場の大型モニターに写せばよいだけですけど、今回は制約で使えません。 ここで重要なのは、“伝言ゲーム”をやっていた人達が自らこの“無駄”に気付いて改善しないといけないと思うことです。便利な道具で解決手段を簡単に与えるのではなく、“本当の課題”に皆が気付いて現場だけでなくいろんな部署から改善の声が上げるような組織にするという事が非常に重要なことです。この様な“課題解決の声を上げる”の場が作れれば8割くらい改善は成功したようなものです。 いろんなやり方があると思いますが、みなさん(の会社)はどの様に、この様な課題を解決していきますか? 次回は、それでも簡単に変えられない“しがらみ“の様なものについて話したいと思います。