製造業にとって、効率的な生産体制の構築はきわめて重要な取り組みです。
しかし、既存の生産体制をどう見直せばよいかわからないという担当者は多いでしょう。
生産を効率化するには、まず製造プロセスを正しく把握したうえで改善に取り組む必要があります。
そこで今回は、製造プロセスの効率化を実現化するための具体的な課題・対策について紹介します。
製造プロセスを効率化したい生産担当者の方は、ぜひ参考にしてみてください。
\効率的な品質・在庫・原価管理を実現するために今できることは?/
製造プロセスとは?
製造プロセスとは、材料や部品の調達から製品として出荷するまでの過程のことです。製造プロセスを大まかに分類すると、以下のようになります。
・材料に変化を加える「加工」
・部品を組み立てる「組立」
・品質を確認する「検査」
・倉庫で製品を維持する「保管」
・製品を配送する「出荷」
細かく分ければ、必要な材料や部品を発注する「調達」や、工場内で部品や製品を運ぶ「運搬」などのプロセスもあります。製品の生産に関わるすべての業務が、製造プロセスに含まれるといえるでしょう。
競合と似たような製品を扱っている場合は、その製造プロセスも似ているはずです。設備投資や基本的なランニングコストも大きな差はありません。そのため、いかに製造プロセスを効率化するかが製品の競争力に大きく影響します。
製造プロセスを効率化できれば、製品あたりにかかるコストが下がり、そのぶん利益率が向上します。生み出した利益は宣伝を強化したり新しい設備を導入したりといった使い方ができるため、競争優位が生み出せるのです。
また、生産スピードが上がることで他社よりも早く市場に製品を届けられるというメリットもあります。市場で生き残るため、製造プロセスの効率化はきわめて重要な取り組みだといえるでしょう。
製造業が抱える課題
製造プロセスの効率化を検討する前に、まずは製造業が抱える課題を把握しておきましょう。
【製造業が抱える課題①】人材不足
製造業の深刻な問題として、慢性的な人手不足が挙げられます。製造業にとって、人材確保は重要な課題です。日本では少子高齢化が進んでおり、その結果労働人口が大きく減少しています。しかし、少子高齢化は国として長年対策している問題であり、すぐに解消されるものではありません。
労働人口が減り続けるという状況は変わらないため、製造現場としてもそれを前提に人員計画を立てなければなりません。
報酬を上げたり労働環境を改善したりすれば人手の確保はできますが、コスト上昇によって競争力が低下します。限られたリソースのなかで必要な生産量を確保するには、製造プロセスの効率化が必要なのです。
【製造業が抱える課題②】 標準化の難しさ
製品を生産する場合、全社員が同じ製品を継続的に製造することはほとんどありません。多くの企業は事業を拡大するため、多種多様な製品を製造しています。そのため、製造プロセスも多岐にわたります。多種多様な製品を生産するためには、作業の標準化が欠かせません。作業が標準化されていなければ、担当者によって作業の質やスピードにバラつきが生じ、効率的な生産ができないからです。
また、1人の作業者が複数の製品を扱うことで、ミスが発生しやすくなります。ミスが発生すれば稼働を一時停止する必要が生じ、さらに生産性を悪化させるでしょう。作業者のミスを防止するためには、標準化による作業内容の整理が必要になります。しかし、ベテラン作業員が感覚で処理している作業などをすべて標準化するのは簡単ではありません。標準化が必要だと理解していても、うまくマニュアルなどに落とし込めない現場は多いでしょう。
【製造業が抱える課題③】 部品調達の難易度の高さ
昨今の製造業は、複雑なサプライチェーンの上に成り立っています。そのため、常に精度の高い生産計画が求められます。
計画に狂いが生じた場合、部品調達に過不足が生じ、効率的な生産ができなくなるでしょう。需要を低く見積もりすぎれば、原材料や部品の調達が間に合わず生産できないといった事態になります。せっかく受注しても販売できなければ、大きな機会損失です。
一方、欠品を避けるために材料や部品を多めに発注すれば、過剰在庫を抱えるリスクが生じます。製造プロセス効率化のためには、適切な量の部品や原材料を適切なタイミングで調達する必要があります。しかし、多様な品目を切り替え生産している製造業にとって、精度の高い需要予測は非常に難易度が高いといえるでしょう。
製造プロセスを効率化するために
製造プロセスを効率化するためには、この記事で紹介したような製造現場の課題を解決しなければなりません。
以下では、企業レベルで実践できる効率化の方法について解説します。
【製造プロセスを効率化するために①】現場力を高める
1つ目は、従業員の現場力を高める方法です。ただ与えられた仕事をこなすだけでなく、より効率的かつミスの少ない進め方をするため、従業員1人1人が自ら工夫する組織を作っていきます。
具体的には、5Sの徹底や作業現場における動作の分析などが挙げられます。
5Sとは、整理・整頓・清掃・清潔・躾の頭文字のSをとって作られた言葉です。道具や材料が整理・整頓されていなければ、毎回道具や材料を探して揃えなければなりません。また、清掃が行き届いていない場所では、事故も起こりやすくなります。効率化にはほど遠い現場だといえるでしょう。
従業員に5S活動を徹底させることが、効率化に取り組むためのベースとなります。
また、現場での動作にムダがないか従業員自身が分析するという姿勢も大切です。管理部門は、現場の細かな作業まで把握できているわけではありません。日常の業務において作業効率を下げている要因がないか、改善の余地がないかを従業員が自ら考える必要があります。そのためには、積極的に改善提案をするための仕組みづくりが必要になるでしょう。
従業員の現場力を高めることで、既存の生産体制のままでも一定の効率化が図れるはずです。
【製造プロセスを効率化するために②】 業務のシステム化
2つ目は業務のシステム化です。既存の製造プロセスのままでも一定の効率化は図れますが、抜本的な改善には至りません。人手での作業に限界が生じている場合は、システムの導入を検討しましょう。IT・AI技術の発達により、これまで人が判断・処理していた業務についても、システムによって代替する例が増えています。例えば、生産計画の立案にAI技術を活用することで、さまざまな要素を盛り込んだうえで最適化された計画が瞬時に作成されます。
また製品の出荷前検査なら、作業者が行なっていた目視検査をAI技術による画像認識へと切り替えることで、人件費や作業時間の削減につながるでしょう。製造プロセスには、材料や部品の調達から製品として出荷するまでの全工程を含みます。各プロセスの効率化だけでなく、各プロセスをつなぐモノ・情報の流れについても、システムによる効率化が図れるはずです。
例えば、各プロセスの進捗管理にIT技術を導入することで、瞬時に自動で情報が共有されます。部門間の連携の漏れや遅れを防止できるため、ムダがなくなるでしょう。
まとめ
製造プロセスの効率化は、企業の競争力強化につながります。
製造プロセスを効率化するには、従業員の「現場力」を高めると同時に、業務の「システム化」を検討してみてください。
これまで人手で行なっていた作業を自動できれば、効率低下の要因となっていたボトルネックが解消され、製造プロセスの効率化につながるはずです。
よくある質問(FAQ)
製造プロセスとは何ですか?
製造プロセスとは、材料や部品の調達から製品として出荷するまでの全過程のことです。主な工程としては、必要な材料・部品を発注する「調達」、材料に変化を加える「加工」、部品を組み立てる「組立」、品質を確認する「検査」、倉庫で製品を維持する「保管」、製品を配送する「出荷」、工場内で部品や製品を運ぶ「運搬」などが含まれます。製品の生産に関わるすべての業務が製造プロセスに含まれます。競合と似た製品を扱う場合は製造プロセスも類似するため、いかにこれを効率化するかが製品の競争力に大きく影響します。効率化できれば製品あたりのコストが下がり利益率が向上するほか、生産スピード向上により他社より早く市場に製品を届けられるメリットもあります。
製造業が抱える主な課題は何ですか?
製造業が抱える主な課題は3つあります。①人材不足:少子高齢化による労働人口の減少が製造業の慢性的な人手不足を招いています。報酬や労働環境の改善で人材確保は可能ですが、コスト上昇により競争力が低下するジレンマがあります。限られたリソースで必要な生産量を確保するための製造プロセス効率化が求められます。②作業標準化の難しさ:多品種を生産する製造業では製造プロセスも多岐にわたり、作業標準化が困難です。標準化されていないと担当者によって質やスピードにばらつきが生じ、ミスも増加します。ベテランの感覚的な作業をマニュアルに落とし込むことが難しいという現場の実情があります。③部品調達の難易度の高さ:複雑なサプライチェーンの中で精度の高い生産計画が求められます。需要を低く見積もると欠品・機会損失が発生し、多めに発注すると過剰在庫リスクが生じます。
製造プロセスを効率化するにはどうすればよいですか?
製造プロセスの効率化には主に2つのアプローチが有効です。①現場力の向上:従業員が自ら工夫する組織を作ることが第一歩です。5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)の徹底により、道具や材料の整理と安全な作業環境を整えます。加えて、現場での動作にムダがないか従業員自身が分析する姿勢を育てることも重要です。管理部門では気づきにくい日常業務の改善点を従業員が自ら見つけ提案できる仕組みを構築することで、既存の生産体制のままでも一定の効率化が図れます。②業務のシステム化:人手での作業に限界が生じている場合はIT・AIシステムの導入を検討します。AI技術による生産計画の最適化、画像認識による目視検査の自動化、各プロセスの進捗管理のIT化による情報の自動共有などが具体的な手段として有効です。
作業標準化を進めるためのポイントは何ですか?
作業標準化を効果的に進めるには、いくつかのポイントが重要です。まず、ベテラン作業員が感覚的に行っている作業を可視化することから始めます。実際に作業を観察・分析し、手順・所要時間・注意点などを文書化します。次に、標準化した内容をマニュアルや手順書に落とし込み、誰が担当しても同じ品質で作業できる状態を目指します。動作のムダを排除するためには、現場での動作分析も合わせて行うと効果的です。また、複数の製品を扱う現場では、製品ごとに作業手順を整理して区別することで担当者のミスを防ぎやすくなります。標準化した内容は定期的に見直し、改善提案を取り込みながらアップデートし続けることが、継続的な効率向上につながります。
製造プロセスにITシステムを導入するとどのような効果がありますか?
製造プロセスへのITシステム導入により主に3つの効果が期待できます。①業務の自動化:生産計画の立案にAI技術を活用することで、多様な要素を考慮した最適化計画を瞬時に作成できます。製品の出荷前検査をAI画像認識に切り替えることで、人件費・作業時間の削減と検査精度の向上が実現できます。②情報共有の効率化:各プロセスの進捗管理をIT化することで、情報が自動的にリアルタイム共有されます。部門間の連携の漏れや遅れを防止でき、ムダがなくなります。③全体最適化:個々のプロセスの効率化だけでなく、各プロセスをつなぐモノ・情報の流れ全体をシステムで管理することで、製造プロセス全体のボトルネック解消と生産体制の抜本的な改善につながります。

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ただし、製造指示書を紙ベースで管理している場合、日付がわかっていても探し出すのは容易ではありません。生産管理システムや帳票の電子化システムなど、システム上で製造指示書の作成や管理、検索が可能なツールを導入するのがおすすめです。 宛先となる製造者名 製造者名の欄には、今回の製造の担当を明示します。具体的には、実際に製造を行う担当部署や担当者の名前を記載するのが基本です。これによって、製造指示書の宛先や誰がどの工程を担当するのかが明確になります。 なお、製造指示書には製造者名のほかに、依頼先となる会社や担当者の名前を記載する場合もあります。作業の完了時に連絡が必要なケースなど、顧客ごとに記載の有無を検討しましょう。 責任者 責任者は、今回の製造における責任者を明示する項目です。万が一トラブルが発生した際の連絡先や疑問点の問い合わせ先などを共有する目的で記載します。また、作業の責任者を明示することで、製造工程全体の責任の所在が明確になるメリットもあります。緊急時に連絡が取れるよう、電話番号やメールアドレスなどの情報を載せておくと良いでしょう。 製造期間、製造日時、納期 製造指示書には、製造期間や製造日時、納期などの情報も記載します。製造にかかる時間や終了日時などのスケジュールを明確にし、計画的な製造を実現するために重要な項目です。勘違いや伝達ミスが発生しないように、「○○年○○月○○日」とわかりやすく明記する必要があります。 製造指示内容 製造指示内容は、作業手順を詳細に記載する項目です。指示書を読んだ担当者がスムーズに作業を行えるよう、製造する商品や部品の情報、使用する設備や材料、工程ごとの作業手順、安全対策などを具体的に記載します。今回の作業に必要な情報をできる限り網羅することで、担当者からの問い合わせを減らすのが目的です。また、工程手順は文字だけでなく、写真や図で補足する場合も多くあります。 製造指示書のテンプレート 製造指示書のテンプレート 無料ダウンロードはこちら 製造指示書の作成時のポイント 製造指示書は、新人の作業員からベテランのスタッフまで、多くの現場の作業員が使用する書類です。そのため、製造指示書を作成する際は、誰にとっても理解しやすい内容となるよう工夫する必要があります。こちらでは、製造指示書を作成するうえでのポイントを3つ解説します。 製造手順に漏れがないように作成する 製造指示書は、製造手順に漏れがないように作成しましょう。細かな作業でも、漏れがあるとミスや誤った手順になってしまう可能性があるためです。また、ベテラン作業員のAさんにとっては記載がなくても把握できる内容でも、新人のBさんには具体的な指示が必要なケースもあります。そのため、製造指示書を作成した後はWチェックを行うなど、記載内容に漏れや誤りがないか入念に確認することが大切です。製造指示書の運用開始後には、現場から適宜フィードバックを受け、不備がある場合はすぐに修正しましょう。 製造過程の内容をわかりやすく記載する 製造指示書は、製造過程の内容をわかりやすく記載することも重要です。作業過程がわかりにくいと、上司や担当者に問い合わせなければならず、ムダな作業時間が発生しやすくなります。製造指示書を確認するだけで、新人からベテランまで誰でも作業ができるように記載するのが理想です。具体的には、わかりにくい部分は箇条書きでシンプルに表現したり、作業手順ごとに写真や図表を活用したりすると良いでしょう。 作業機器の扱い方も記載する 製造指示書には、作業機器や工具の扱い方も記載しましょう。作業機器を正しく扱えないと、作業効率の低下や重大な事故につながる可能性があります。製造指示書を通じて使い方やメンテナンスの方法を指導することで、作業効率のアップや事故の防止につながります。また、作業機器を正しく扱える作業員が増えると、品質のばらつきが起こりにくくなる点もメリットです。新たな設備や工具を導入するたびに項目を追加し、常に最新の情報を提供しましょう。 製造指示書を導入するうえでの注意点 業務効率化やコスト削減を目的として、初めて製造指示書を取り入れる場合、想定していない部分でトラブルが発生する可能性があります。そこで続いては、製造指示書を導入する際の注意点を解説します。 製造指示書の作成に時間が取られやすい 製造指示書の作成には一定の時間が必要です。特に、内容をわかりやすくするために図や写真を挿入する場合、時間がかかりやすい傾向にあります。図や写真の作成、トリミングが必要になるためです。また、製造指示書の完成が遅れると、現場が作業に取り掛かれなくなってしまう可能性があります。そのため、まずは製造指示書を速やかに完成させたうえで、作業員からのフィードバックを基に適宜修正するのが良いでしょう。 製造過程の内容が変更されると対応に時間がかかりやすい 新しい設備の導入や工程の見直し、品質管理の改善などにより製造プロセスに変更が生じると、製造指示書の内容の見直しをしなければなりません。場合によっては指示書を最初から作り直すケースもあり、修正を反映するまでに手間と時間がかかりやすい傾向にあります。ただし、製造指示書の更新を怠ると、作業の安全性や製品の品質に影響を与える可能性があるため、速やかな対応が求められます。 海外向けに作成した製造指示書では伝達ミスが起こりやすい 海外の拠点に向けた製造指示書を作成する場合、伝達ミスに注意が必要です。英語などの慣れない言語を使用した結果、細かな指示がうまく伝わらないケースがあります。また、地域によっては用語や計測の単位などに関する認識が異なる場合もあります。伝達がうまくいかないと、作業ミスやトラブルにつながる可能性があるため、必要に応じて翻訳者や現地の専門家と協力して製造指示書の作成を進める必要があるでしょう。 製造指示書の管理を効率化するなら「i-Reporter」 製造指示書は、取り扱う製品や作業工程が増えるたびに作成する必要があるため、事業所によっては膨大な量の書類を管理するケースがあります。製造指示書の効率的な管理を実現するには、帳票の電子化システムである「i-Reporter」を導入するのがおすすめです。こちらでは、「i-Reporter」の概要と導入事例をご紹介します。 i-Reporterとは 「i-Reporter」は、製造指示書や在庫管理表など、業務で使用するさまざまな書類を電子化して管理できるITツールです。紙ベースやエクセルで作成した帳票を、電子データとしてシステム上に取り込むことで、レイアウトを変えずにペーパーレス化を実現できます。製造業や物流業、倉庫業におけるDX施策の一環としても多くの企業に導入されています。 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【無料テンプレ付き】 不具合報告書とは?書き方と記載項目例をご紹介製造業の現場では、人為的なミスや設備の不良、システムのバグなどさまざまな原因でトラブルが発生することがあります。そのような場合に作成するのが不具合報告書です。今回は、不具合報告書の意味や作成の目的、作り方について解説します。無料でご利用いただけるテンプレートや報告書の作成や管理をサポートするITシステムもご紹介しますので、製造業の経営者や現場のご担当者様はぜひ参考にしてください。 \実際の事例を元に、現場でできる対策を解説/ 不具合報告書とは? まずは、不具合報告書の概要と作成の目的を解説します。クオリティの高い不具合報告書を作成するには、その目的を理解しておくことが重要です。 不具合報告書の意味 不具合報告書とは、発生した不具合の原因と対策について記載した文書です。障害報告書や経緯報告書、経過報告書、対策書など業界や業種によって呼び名が異なる場合もありますが、基本的な役割はどれも変わりません。社内の関係者への共有はもちろん、取引先に提出することもあるため、正確かつわかりやすく記載する必要があります。なお、不具合やトラブルが解消された後に作成する文書を顛末書と呼びます。 不具合報告書を作成する主な目的 関係者への障害内容の迅速な伝達 不具合報告書を作成する最大の目的は、不具合が発生した事実とその内容を社内外の関係者へ正確かつ迅速に伝達することにあります。不具合報告書を作成することで、関係者は問題の解決に向けて協力し、適切な対処方法を検討しやすくなります。不具合報告書の作成が遅れると、関係者が正確な情報を把握できなくなり、思わぬトラブルやクレームにつながる可能性があるため注意が必要です。 再発防止策の策定 不具合報告書には、不具合の原因と再発防止策が記載されます。これにより、今後同様の問題が発生しないように改善策を検討し、実行することが可能です。また、今後担当者が変更になった場合でも、今回策定した内容を基に取り組みを継続すれば、作業品質の向上が期待できます。 顧客の信頼回復 自社の製品に不具合が発生した場合、顧客からの信頼は一時的に低下しています。不具合報告書で顧客が求める情報を開示し、真摯な対応を行うことで、失った信頼の回復につながります。そのため、不具合報告書を作成する際は、状況を整理したうえで読み手が求める情報を的確に記述し、読みやすくわかりやすい構成に仕上げることが重要です。 社内の品質管理体制の向上 不具合報告書の作成には、企業の製品やサービスの品質を向上させる目的もあります。不具合報告書の作成を通して、社内の品質管理体制を見直す機会になるためです。また、社内で問題が発生した際に過去の報告書を参照することで、問題への対処方法や改善策を迅速に見つけやすくなります 不具合報告書の書き方 5W1Hで作成する 不具合報告書を作成する際は、以下のポイントを意識して書きましょう。 What(何が):具体的な不具合内容 When(いつ):発生日時と頻度 Where(どこで):不具合が発生した場所と影響範囲 Who(誰が):関係者や担当者 Why(なぜ):発生した原因の分析 How(どのように):解決方法、再発防止策 これらを明確に記載することで、よりわかりやすい報告書が作成できます。 不具合の要因を詳細に記載する 不具合の要因は、直接的な原因を特定し、根本的な発生原因を分析し記載することが重要です。また、不具合が発生した環境条件(温度や湿度、使用された材料のロット番号など)を詳しく記述し、再現手順を明確に示します。最後に、この不具合が他の作業や製品に影響を与えるか、その影響範囲を特定して記載しましょう。 どんな人でも理解できる文章を書く 不具合報告書は、社内だけでなく社外の方が確認する場合があります。そのため、シンプルな言葉で説明し、一文を短くし、要点を明確にするよう意識して記載しましょう。 また、具体例を追加したり、文章の順序を整理したりなど、読み手が自然に内容を追えるよう工夫することも重要です。難しい内容は図やイラストを使って補足するのも効果があります。 事実に基づく内容を正確に記載する 不具合報告書では、事実を正確に描くことが重要です。推測や感情的な表現は避け、データや観察結果をもとに具体的な事実を基に記載しましょう。また、第三者が確認できるように、情報源を明示してください。最後に、事実を順序立てて整理し、読み手が理解しやすいよう工夫しておくことで、確認作業が効率化されるでしょう。 音読してわかりやすい内容かチェックする 文章を声に出して読んでみて、つまずいたり、意味が伝わりにくい部分がないか確認することも重要です。 文が長すぎる場合は、短く区切って簡潔にしましょう。専門用語や難しい表現がある場合は、わかりやすい表現に置き換えます。最後に、読み手の立場になって、内容が一度で理解できるかを意識して確認しましょう。 不具合報告書の記載項目 質の高い不具合報告書を作成するには、単に事実のみを並べるだけでは不十分です。一定の書式に沿って作成するのが望ましいでしょう。こちらでは、不具合報告書の作り方や記載項目をご紹介します。 不具合報告書の作り方 不具合報告書の作成が必要になったら、まずはフォーマットを決定します。自社独自の雛形がある場合は、それを利用しましょう。ただし、取引先に提出するケースでは、先方が希望するフォーマットを使用するよう求められる場合もあるため事前に確認すると安心です。 フォーマットが決まったら、5W1Hの形式で不具合の概要や発生状況、原因、対策などを記述します。5W1Hとは、「When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(誰が)」「What(何を)」「Why(なぜ)」「How(どのように)」の6つの要素のことです。5W1Hを意識することで、内容が読み手に伝わりやすくなり、質の高い報告書に仕上がります。 また、不具合報告書を作成する際は、発生した事象を時系列で並べましょう。社内の関係者や取引先が、問題の発生から解決までの流れをスムーズに確認しやすくなるためです。 不具合報告書を作成するためには、現場帳票システム「i-Reporter」がおすすめです。 報告書を電子保存して一括管理 Excelでダウンロード可能 アラート通知で不良要因の発生を関係者に連絡 報告書をリアルタイムで共有可能 あなたもi-Reporterを使ってみませんか? →資料ダウンロードURLはこちら 不具合報告書の記載項目 タイトル タイトルは、不具合報告書の内容を一目で理解できるように簡潔に設定するのがポイントです。不具合報告書をメールで送付する場合は、件名に報告書のタイトルを記載します。長すぎず短すぎず、報告書の内容がわかる程度に記載するのが望ましいでしょう。 例えば、「製品Aの不具合による納期遅延に関する報告書」は良いタイトルといえます。タイトルを確認するだけで、「製品Aに不具合が発生し、納期遅延が生じている」という事実が明確に伝わります。一方、「自社商品の不具合報告書」は不適切なタイトルの例です。このタイトルでは内容が曖昧であり、不具合による具体的な影響が伝わりにくくなっています。 発生日時 発生日時の部分には、障害が発生した日時を記録します。一定期間にわたって障害が発生していた場合は、「○○年○○月○○日〜○○年○○月○○日」のような形式で記載するケースもあります。また、すでに不具合が解消されている場合は、発生日と復旧日を分けて記載しましょう。 宛先 宛先の項目には、部署名を記入するのが基本です。提出先が社外の場合は、相手方の会社名や部署名を記載し、担当者の個人名を載せないように注意しましょう。 差出人 差出人の欄には、報告者とその人が所属する部署の名前を記述します。提出先が社外の場合は、自社の名称も省略せずに記載します。 障害内容と原因 障害内容については、具体的かつわかりやすく説明するのがポイントです。言葉での説明が難しい場合は図や写真を活用しましょう。読み手が専門知識を有していないケースも多いため、難しい用語の使用は避けるのが無難です。また、不具合の内容を説明する際は、原因と併せて記載します。不具合について詳細な調査を行い、特定できた原因をできる限り明確に示しましょう。「設備の操作ミス」といった表面的な原因だけでなく、「なぜ操作ミスが発生したのか」という根本的な原因まで追求することで、読み手に信頼してもらえる報告書になります。 対策 対策の項目には、実施した措置や具体的な再発防止策を記載します。現場の担当者や専門家の知見を参考にしたうえで、実現可能な対策を講じる必要があります。 不具合報告書の例とテンプレート 不具合報告書は、トラブルの発生後できる限り早く提出するよう求められるケースが多いため、テンプレートを使用すると効率的です。そこで、以下にさまざまなシーンで活用できるシンプルな不具合報告書のテンプレートをご用意しました。無料でダウンロードできますので、ぜひご活用ください。 【社内向け】不具合報告書の例とテンプレート 【社内向け不具合報告書のテンプレートのダウンロードはこちら】 テンプレートのダウンロードはこちら:https://application.i-reporter.jp/download.excel_template07 不具合報告書のテンプレート作成方法 不具合報告書をテンプレートを用いて作成することは、作成時間と管理工数の削減に有効な手段です。今回は、Excel、Word、PowerPointなど形式別でご紹介します。 Excel/Googleスプレッドシートで作成する場合 まずは記載する項目を整理しましょう。その後、Excelにてタイトルと項目を設定します。例えば、A列には「報告書番号」、B列には「不具合発生日」といった形で設定しましょう。項目名が入力されたセルを太字にしたり、背景色を変更したりすることで視認性を向上させるのがおすすめです。 その後、項目名の右隣に、実際に入力するためのセルを設けます。その際に、ドロップダウンリストなどを設定しておくと、より使いやすくなるのでしょう。 Word/Googleドキュメントで作成する場合 Wordでテンプレートを作成する際も、Excelで作成する際と同様に記載する項目を整理しましょう。その後、タイトルと記載項目を見出しとして設定します。例えば、「1. 不具合発生日」「2.…
PLCとは?特徴やメリット、国内シェア状態を紹介製造現場の生産性を向上させるキーワードとして、DXやIoTなどの活用が注目を集めています。しかし、「何をすれば良いのか」や「コストが高く手間が掛かりそう」という理由で、具体的なアクションに踏み出せない企業も多いのではないのでしょうか。 生産性を向上させ…