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従業員が業務管理を行うためには、作業日報による記録が必要です。
作業日報=その日に行った業務や作業を報告するもの
業務で問題が発生した場合は、それを上司に報告し、指示を仰ぎます。
会社の中で業務が完結する場合は、上司は部下がどのような業務を行っているのか把握しやすいですが
建築現場や保守点検サービスなど、会社の外で行う業務については、容易に把握することが難しいでしょう。
そこで今回は、建築現場や保守点検サービスなど、離れた現場における作業管理の効率化について説明します。
作業日報とは
作業日報を作成するにあたって、主に以下の4つの目的があります。
就業管理
作業日報には就業を管理する目的があります。
特に離れた作業場に従業員が直接出社し、直接帰宅する場合では、
何時から業務を開始し、何時に業務が終わったのか確認する方法がありません。
また保守点検サービスのように、1日に何件も移動しながら作業を行う場合は、
1件ごとに始終業時間の確認が必要です。
労働基準法により労働時間の管理は、会社の義務として行わなければなりません。
業務管理
作業日報で実際に行った作業について管理します。
定期的に行う法定点検はもちろん、メーカー推奨の点検や、
顧客から依頼のあった点検や修理作業が行われたかを管理します。
保守点検サービスにおいては、作業日報がメンテナスの記録にもなるため、
記録ミスや保管ミスなどがあってはなりません。
原価管理
原価管理は、コストを把握し、無駄なく利益を上げるために行います。
そのため作業日報の情報から、標準的な作業時間を把握します。
作業時間の把握は、会社の損益に影響するため、正しく把握する必要があります。
効率よく保守点検作業を行うために、1日で行える作業計画を作成しなければなりません。
作業計画の作成は業務管理でもあり、就業管理でもあります。
問題点の報告や作業の振り返り
作業中に発生した様々な問題に対し、緊急であれば直ぐに、電話などで上司に報告します。
そして、作業日報に発生した問題を記録しておきます。
その場で上司が判断して解決する問題であれば良いのですが、
対応策について、関係者など他者の意見も確認する必要がある時に、問題の発生状況をまとめておく必要があります。
問題の一報は速やかに行い、発生状況のまとめは作業日報で報告します。
また発生した問題だけでなく、作業に対する反省や改善案などを作業日報に記録して、上司へ報告します。
上司は作業日報を確認して、反省についてのアドバイスや改善案について指示をします。
このように、疑問や意見などを積極的に書くことで、
上司と部下ならびに同僚の間でコミュニケーションを深めることにも役立っています。
作業日報をExcelで管理するのが大変な理由
作業日報にExcelを使っている会社は多いことでしょう。
書式の作成が容易であり、インターネット上で無料のフォーマットがダウンロードできる場合もあります。
日報の書式調整も容易に行えたり、好きなところに写真を挿入することができたりするため、
Excelの帳票による入力が慣れている人も多いことでしょう。
しかし、Excelだけで作業日報を管理するのは大変です。
ファイルを開かないと内容がわからない
Excelで作業日報を作成する場合、日にちごとにファイルを作成していませんか。
報告者が10人いた場合、上司は毎日最低10回も、作業日報ファイルを開いて確認しなければなりません。
「1日10回くらい、大したことじゃない!」
と思う人もいるかもしれませんが、作業日報は1回確認して終わりというわけではなく、
就業管理や作業管理の記録であるため、後日見返す場合があります。
「Aさんの作業実績は何時間だったかな?」
ということを確認する場合も、いちいちファイルを開いて確認しなければならないのです。
重要な情報は転記してまとめておく
後日再度確認するような内容は、別なファイルに転記してまとめておけば、必要な時に見やすくなるでしょう。
しかし、転記する時にコピーするセルを間違えたらどうなるでしょうか。
後日転記ミスが発覚した場合、どのデータが転記ミスをしたのか探し出すのが大変な作業となります。
マクロを使って自動転記
Excelであれば、マクロを利用して自動で転記することができます。
マクロを利用すれば、転記ミスも発生しないし、作業の手間も省けることでしょう。
しかし、そのマクロはだれが作成するのでしょうか。職場にマクロが得意な人がいれば、容易に作成できるでしょう。
現にExcelのマクロを活用して、業務効率を向上させている改善事例は多くあります。
Excelレガシーという言葉をご存じでしょうか。
Excelのマクロなどを駆使して業務データを管理している通称です。
これにより業務を効率化したことで、長い間使われている場合が多くあります。
一方で、業務の変化に対応できず、データを管理しきれなくなって
かえって業務の足かせとなっていると言う意味もあります。
過去に業務改善のために作成したマクロが、業務の変化に対応できず
そのままでは利用できないものが多いという状況があるのです。
誤解しないで欲しいのは、Excelで業務管理を行うことが問題なのではなく
Excelだけで構成している業務システムについては、
業務の変化点に対応できる体制を準備しておかなければいけないということです。
ミスや負担をなくし、楽に管理する方法とは
現在であればクラウドサービスを活用する管理方法が良いでしょう。
クラウドサービスを活用する具体的な方法について説明します。
タブレット端末の活用
会社から離れた場所からでも作業日報を作成して報告するために、タブレット端末を利用しましょう。
タブレット端末を利用することで、業務開始時間や業務終了時間を報告者の自己申告ではなく
実際にタブレット端末の操作を開始した時間や終了した時間をシステム時計で管理できます。
報告者の記入漏れについても防止することができます。
タブレット端末に入力する項目は、できるだけ簡単に入力できるようにしましょう。
報告事項をリストから選べるようにしたり、チェックをいれるだけにするようにします。
問題点や相談ごとについては、タブレット端末であれば、音声入力や直接手入力できるようにしても良いでしょう。
データはクラウドに保存
タブレットに入力したデータは、クラウドに保存します。
クラウドに保存する時に、データ別にデータベースへ登録します。
そのような形で保存することで、人によってデータを転記する必要がなくなります。
さらには、いつどこでもデータの閲覧を行うことができます。
作業現場が離れている場合は、とても便利です。
そして、関係者への情報共有もリアルタイムに行えます。
データを加工したい場合は、CSVに出力
作業日報のデータを加工したい場合は、CSVに出力して利用します。
データベースのデータを直接編集することはやめましょう。
直接編集を行うと、入力ミスをする可能性があります。
CSVに出力したデータを利用して、Excelでグラフを作成したり、集計作業をしたりします。
月の作業時間や、点検作業の標準時間を算出することができます。
まとめ
作業日報の効率化、特に会社から離れた場所における作業管理の効率化について説明しました。
紙の帳票やExcelによる管理がいけないと言うわけではありません。
現在の方法でも業務管理が実施できていれば問題はありません。
しかし現在は、単に業務を行うだけではなく、効率化を行うシステムや方法があります。
それぞれの方法におけるメリットとデメリットを理解して、業務改善に取り組みましょう。
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