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本日は「ネイティブアプリとウェブアプリケーションの違い」について話をします。
GoogleやYahoo等で調べるとたくさん記事が出てくるのですが、製造業や流通業、小売業等で実際に現場業務を行われている方々から見たときの違いを語る記事はほとんどありません。
そして、この違いを理解しないままシステム導入を進めてしまい、現場への導入展開、利用場面の拡大に失敗してしまう方も少なくありません。
ですので本日は、「現場業務から見る」ネイティブアプリとウェブアプリの違いを書いていきますよ~!
ネイティブアプリ、ウェブアプリって?
IT業界にお勤めの方以外は確かに聞きなれないワードですよね。
簡単に説明すると…
ネイティブアプリ=タブレットやスマートフォンにインストールして利用するシステムです。
端末スペックに動作が依存しているため、サーバー側のスペックは多くを要求されないことも特徴です。
サーバーが停止した場合でもサーバー間でのデータやり取りを行わない場合には継続して利用することができるという一面もあります。
例)LINE・パズドラ・PayPay決済アプリ等
ウェブアプリケーション=ウェブサーバーを基盤としたサービス、つまりウェブブラウザ(IEやGoogle chrome等)で利用するシステムです。
サーバースペックに動作が依存しているため、端末側のスペックは多くを要求されないことも特徴です。
サーバーが停止するとシステムが利用できなくなるという一面があることも必ず覚えておきましょう。
例)wikipedia・楽天市場・電子掲示板等
ネイティブアプリとウェブアプリの比較(現場業務編)
項目 | ネイティブ | ウェブ |
---|---|---|
動作速度 | 〇 | × |
端末機能の活用 | 〇 | × |
オフライン利用 | 〇 | △ |
展開コスト | △ | 〇 |
各項目への補足だけ簡単に記載します。
動作速度はシステムを利用する上でのレスポンスの速さや、快適にシステムを使うことが出来るかどうかです。
システム内のオブジェクト(表示される画像やテキストボックス、その他チェックボックス等)の数によって、ウェブアプリは遅延が発生するケースがあります。
現場業務において入力はメイン業務ではなく、あくまで間接作業です。いかに快適に利用できるかがシステム定着に大きく関わります。
全く同仕様のシステムを利用した場合にも、ネイティブアプリのほうが動作が速くなる傾向があります。
端末機能の活用は、端末(OS)に準備されている『システム利用を補助する機能』が使えるかどうかです。
一番簡単なものだと、年月日の入力や、選択肢の表示、端末通知等、入力者が扱いやすい入力形式が端末(OS)側で準備されています。
最近ですと、指紋認証や顔認証といった生体認証も搭載されていますね。
こういった端末(OS)準備の補助機能を利用できるか否かの違いです。
昨今、現場業務においては有資格者以外のシステム利用を防ぎたい、リアルタイムな端末通知で情報を周知したいといった少し込み入った要望が現場には必要になってきました。
よって、端末(OS)の充実した機能群を活用したシステム構築が求められることも多くなってきたというのが近況です。
ネイティブアプリはこれらの機能をフル活用することができるため、今後の機能拡張も大きく見込むことができます。
オフライン利用の可否は、インターネットや社内LAN環境(以下ネットワーク環境)の有無によってシステム利用が制限されるかどうかです。
現場業務においては、必ずしもネットワーク環境がある場所とは限りません。
外業務の場合には圏外域での作業も考えられますし、まだ工場によってはネットワーク環境が敷設されてないというケースも多くあります。
また、その日の電波の入り具合によってシステムの動作が不安定になる、社内LANの速度低下によって、大きな遅延が発生するというのも現場にとっては重要な問題です。
ウェブアプリはこういったネットワーク環境に動作が依存している傾向があります。
展開コストは、システムをより多くの人に展開する場合に発生するセットアップや端末準備にかかるコストです。
ウェブアプリケーションの場合はブラウザでURLを開けば利用ができるため、インストールが必要ありません。
対してネイティブアプリは端末へのアプリインストール作業とバージョンの管理が必要となります。
比較のまとめ
作業現場での操作性、快適度を求めるならネイティブアプリ。
作業中での記入を頻度高く求められる場合には、ネイティブアプリが特に優位になります。
システム利用者への展開、拡大の快適度を求めるならウェブアプリ。
システムを管理者の負荷軽減を求められる場合には、ウェブアプリが特に優位になります。
最後に
ネイティブアプリとウェブアプリの違い、ご理解頂けたでしょうか?
デスクワークのようなシステム利用に専念できる環境においては、ウェブアプリケーションでも十分に快適な入力が可能だと思います。
また、横展開を考えると、ウェブアプリは各担当者へのシステム展開が容易であるため、管理者目線の負荷は軽くなる傾向があります。
ただ、冒頭にも申し上げました現場作業を行いながらの利用については、より一層の入力快適度や、操作の安定性が求められます
ネイティブアプリは現場作業中の運用に耐えうる操作快適度を実現できます。
また、ネイティブアプリで懸念される利用者数の拡大と、管理者側の負荷に関しては、MDM(Mobile Device Management)で解決することができます、
MDMは、複数のモバイルデバイスの管理や設定作業を一括で行える管理ソフトです。
MDMを活用することにより、システム展開はウェブアプリ同様、もしくはそれ以上の管理工数の削減が実現できます。
そのため、ネイティブアプリを選定するのが現状のベストアンサーだと感じています。
いつどこで、どのように、何をするためのシステムなのか
これをしっかりと考えた上でシステム選定を行うことが出来れば、導入時や利用拡大時に、管理者と利用者のギャップを少なくすることが出来ると思います。
ここまで読んで頂きありがとうございました!
是非システム選定の一助になればと思います。
それでは今日はこの辺で。
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