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業務を行う上で、さまざまな帳票が使用されています。売上管理表や会計票はその一例です。
すべての帳票は、自社の業務内容に応じて設計するのが理想ですが、実際はExcelなどに用意されたテンプレートをそのまま流用しているケースも少なくありません。
その結果、従業員が使いにくさを感じている場合も。
そこで今回は、帳票設計の基本的な考え方や実際の手順、よく使用される帳票の種類について解説します。
帳票設計をサポートするITソリューションもご紹介しますので、飲食店や小売店などの店舗管理のご担当者様はぜひ参考にしてください。
帳票設計とは
業務で使用している帳票について、「レイアウトが使いづらい」「文字が見にくい」などの不満を感じているケースも多いでしょう。
そのような場合は、帳票設計に取り組むのがおすすめです。こちらでは、帳票設計という言葉の意味や、近年重要となっている帳票の管理方法について解説します。
帳票設計とは
帳票設計は、帳票の書式やデザインなどを設計するプロセスを指します。
帳票とは、事業の活動内容を記録するために使用する書類の総称です。
「帳簿」と「伝票」という言葉を掛け合わせて帳票と呼ばれています。具体的には以下のような種類があります。
- 買掛帳
- 売掛帳
- 仕訳帳
- 出納帳
- 入出金伝票
- 請求書
- 領収書
- 納品書
- 契約書
- 給料明細書
帳票設計では、これらの帳票を自店舗にとって使いやすい形に設計します。
適切な帳票を使用することで、情報の整理や記入が容易になり、店舗の管理をスムーズに進めやすくなるでしょう。
また、帳票の設計がシンプルでわかりやすいものであれば、データ入力のミスを防止できるメリットもあります。
帳票の管理方法
帳票は、企業活動において不可欠な記録媒体ですが、その管理方法は大きく分けて紙媒体と電子データの2つがあります。
紙媒体での管理は、物理的な保管スペースの確保や情報検索の効率性に課題がある一方で、電子データ管理は、情報の共有や保管効率に優れているのが特徴です。
ここでは、それぞれの管理方法のメリット・デメリットを詳しく解説します。
紙媒体で管理する
紙媒体での管理は、帳票を印刷して物理的に保管する方法です。帳票は、原則紙での保存が求められています。
一度印刷してしまえば、インターネットに接続せずに閲覧や記入が可能であり、データが破損や消失するリスクも低いことから、帳票を紙で管理する企業も少なくありません。
しかし、紙による帳票管理には、大量の書類を保管するスペースが必要となるほか、情報の検索や更新に手間がかかるというデメリットも存在します。
また、紙の使用やプリンタの管理が必要になるため、環境負荷やコストがかかりやすい点も懸念されます。
帳票を紙媒体で管理する場合は、保管方法の最適化やOCR技術を活用したデータ変換、環境負荷の低減を目指した取り組みなどが重要です。
電子データで管理する
電子データでの管理は、デジタル化した帳票をコンピューターやクラウド上で保管する方法です。
電子帳簿保存法の制定・改正により、一定の要件を満たすことで帳票を電子データで管理できるようになりました。
帳票を電子データで管理するメリットは、情報の共有や編集が容易であり、大量の帳票を効率的に管理できる点にあります。
また、クラウド上に保管された帳票は、場所や時間を問わずアクセスできるため、複数の店舗をもつ飲食店や小売店でも便利です。
ペーパーレス化を実現できることから、環境負荷の低減にも役立ち、企業の社会的責任(CSR)の観点からも優れた管理方法といえるでしょう。
ただし、帳票を電子データで管理する際は、データの破損や消失に注意が必要です。
セキュリティ性能に優れた帳票の電子化システムを導入し、定期的にバックアップを取るなど対策を講じましょう。
帳票レイアウトとは?なぜ必要?
帳票レイアウトとは、帳票内の情報を紙や画面に配置した形式のことです。
適切なレイアウトは情報伝達を迅速化し、業務効率を向上させます。情報の流れを円滑にし、誤解やミスを減らす上で、帳票レイアウトは非常に重要です。
帳票作成ツールやSVF、Excel、クラウドソリューションを活用し、PDFファイルのアップロードやフィールドの配置をクリック操作で簡単に行い、現場でも柔軟に帳票を作成できます。
また、各種製品との連携で、帳票に関する課題を解決します。
帳票設計の手順
帳票設計は、全体像の設計、出力様式やレイアウトの設定など複数の手順を踏む必要があります。そこで続いては、帳票設計の手順を4つのステップに分けて解説します。
Step1.帳票の全体像を作る
最初のステップでは、帳票の全体像を設計します。作成予定の帳票に必要な情報を整理し、記載内容に被りや漏れがないように調整しましょう。
業務プロセスや情報の流れを把握し、どのようなデータが入力・出力されるのか、どのような機能が必要かを洗い出すことが重要です。
また、帳票に入力が必要な関数や計算式などがないかについても検討しましょう。
日付の設定や金額の集計など自動で処理が必要な項目がある場合は、あらかじめ関数や計算式を指定しておくことで利便性の高い帳票を設計できます。
Step2.出力様式を設計する
次のステップでは、作成した電子帳票の出力様式を設計します。
電子データでの配布や紙への印刷など、帳票の種類や使用するシーンに応じて出力設計を決めましょう。
また、出力様式の設計は、フォントやフォーマット、ページレイアウトなどの視覚的な要素にも影響を与えます。
例えば、電子データで配布する場合は、スマートフォンやタブレットでも見やすいようにフォントやカラーを調整する必要があるでしょう。
紙で印刷する場合には、帳票出力時に選択できるプリンタやOSの設定も考慮しなければなりません。
この段階で出力様式を丁寧に設計しておくことで、後の様式設計やデータ設計が容易になります。
Step3帳票のレイアウトを設計する
帳票レイアウト設計では、まず帳票内で最も重要な情報、例えば合計金額や顧客名などを特定し、視覚的に目立つ位置に配置します。
関連性の高い情報はグループ化し、罫線や背景色などで区別することで、情報の整理と視認性を高めます。人の視線の動きを考慮した配置や、適切な余白の活用も重要です。
フォントや色などを統一し、デザインの一貫性を保つことで、見やすくプロフェッショナルな印象を与えます。
また、色覚特性を持つ人や視覚障碍者への配慮も必要です。使用するツールや技術の制約を理解し、その範囲内で最適なレイアウトを設計しましょう。
Step4.帳票元データを設計する
最後に、帳票を出力する際に利用する元データの設計を行います。
具体的には、商品名や金額、顧客情報などをデータベース化し、いつでも取り出せるようにする作業のことです。
帳票を紙で印刷し、手書きする場合にはあまり必要ありませんが、電子データで管理する場合は元データを設計することで帳票の作成をスムーズに進められます。
データ設計の際には、必要な情報がすべて含まれているか、データの整合性が保たれているかを検証することが大切です。
帳票を見やすいレイアウトにするには?
見やすい帳票は、情報の理解を助け、作業効率を高めます。ここでは、視認性を高めるためのレイアウトのポイントを解説します。
余白と行間を適切に設定する
帳票レイアウトにおいて、余白と行間の設定は視認性を高める上で重要です。
帳票の周囲に十分なスペースを設けることで、情報が詰め込まれた印象を避け、読みやすさを向上させます。
行間を適切に調整することで、文字が密集することを防ぎ、視認性を確保しましょう。
フォントと文字サイズを統一する
帳票レイアウトでは、シンプルで視認性の高いフォントを選び、全体の文字サイズを統一することを意識しましょう。
帳票全体のデザインに一貫性が生まれ、読みやすさが向上します。
重要な情報やセクションタイトルは、フォントサイズを大きくするなどして強調することで、視覚的なメリハリをつけることができるでしょう。
情報をグループ化して配置する
関連する情報をグループ化して配置することで、情報を一目で把握しやすくなります。
例えば、顧客情報、商品情報、請求情報などをそれぞれ独立したブロックにまとめることで、必要な情報がどこにあるのかを直感的に理解できるでしょう。
情報が複数存在する場合は、表形式で整理することが効果的です。表を用いることで、情報を構造化し、比較や分析を容易にします。
配色を工夫して視認性を高める
帳票のレイアウトにおいて、配色の工夫は視認性を高める上で重要な要素です。
背景色には明るい色を、文字には濃い色を選ぶことで、コントラストを明確にし、読みやすさを向上させます。
重要な項目は、アクセントカラー(青や赤など)を用いて強調することで、視覚的な注意を引き、情報の優先順位を明確にしましょう。
ただし、色の使いすぎは避けるように意識してください。強調したい部分に限定して使用することで、効果的に情報を伝えることができます。
テンプレート化して統一感を持たせる
全ての帳票で同じレイアウトを使うことで、視覚的な一貫性が生まれます。
帳票で同じレイアウトを使用することで、利用者は帳票の種類に関わらず、スムーズに内容を確認できるようになるでしょう。
これにより、情報検索の効率が向上し、利用者の負担を軽減できます。
また、テンプレート化は社内やチーム内での統一感を醸成する上でも有効です。
よく使われる帳票の種類【無料テンプレート付】
業務で使用される帳票には様々な種類があります。ここでは、特によく使われる帳票の種類と、それぞれのレイアウトのポイントを解説します。
売上管理表
売上管理表は、日々の売上を記録し、経営状況を把握するための重要なツールです。
使いやすいレイアウトにするには、日付、商品名、数量、金額などの項目を明確に分け、合計金額が自動計算されるように設定するのが効果があります。
また、データの入力規則を設けることで、入力ミスを防ぎ、正確なデータ管理が可能となるでしょう。
これらの工夫により、売上管理表は日々の経営判断を支える強力な武器となります。
シフト表
シフト表は、従業員の勤務時間を管理し、人員配置を最適化するための帳票です。
従業員名、日付、勤務時間を一覧で表示し、休日や休暇も明記することで、見やすく使いやすいレイアウトになります。
作成時には、従業員の希望や法律で定められた労働時間を考慮することが重要です。
適切なシフト表は、従業員の満足度を高め、業務の効率化を期待できるでしょう。
会計票
会計票は、日々の会計処理を記録し、企業の財務状況を正確に把握するための重要な帳票です。
使いやすいレイアウトとするためには、日付、勘定科目、金額、摘要などの項目を明確に区分し、合計金額が自動計算されるように設定することが効果的です。
また、会計基準に沿って正確に記録することを徹底し、入力ミスを防ぐためのルールを設けることで、会計データの信頼性を高めることができます。
使いやすい会計票を用意できれば、オーダー管理におけるミスの削減につながり、顧客満足度の向上が期待できます。
在庫管理表
在庫管理表は、商品の在庫状況を把握し、過不足なく管理するための帳票です。
商品名、在庫数、入庫日、出庫日などの項目を明確に分け、在庫数が自動計算されるようにすることで、見やすく使いやすいレイアウトになります。
また、定期的な棚卸しを行い、実在庫と帳簿在庫の差異がないか確認することが重要です。
これにより、在庫管理の精度を高め、適切な在庫量を維持することができます。
仕入れ伝票
仕入れ伝票は、仕入れに関する情報を記録し、支払管理や在庫管理に役立つ重要な帳票です。
使いやすいレイアウトにするには、仕入れ日、仕入れ先、商品名、数量、単価、金額などの項目を明確に分け、合計金額が自動計算されるように設定します。
作成時の注意点として、仕入れ先からの請求書と照合し、内容に誤りがないか確認することが重要です。
仕入れ伝票を最適化することで、仕入れコストの管理や発注業務の効率化を実現できるでしょう。
帳票設計の効率化には電子化がおすすめ
帳票の電子化は、業務効率を大幅に向上させる要素です。ここでは、帳票を電子化するメリットを解説します。
業務効率の向上
帳票の電子化は、業務効率を大きく向上させます。データの入力や更新が迅速に行えるため、作業時間を短縮できるでしょう。
さらに、自動化できる作業が増えることで、手作業が減り、業務全体の流れがスムーズになります。電子化によって、作業の効率化と時間の有効活用が実現可能です。
コストの削減
帳票を電子化することで、コスト削減にも大きく貢献します。
紙や印刷にかかる費用を削減できるだけでなく、帳票の保管スペースも不要になるのが特徴です。
さらに、郵送にかかるコストや時間も節約できるため、長期的に見ると大きなコストメリットがあります。
データの正確性向上
人的ミスを減らすことができ、データの正確性向上が期待できます。
また、変更履歴の追跡が簡単になるため、データの信頼性が高まるでしょう。
さらに、リアルタイムでのデータ共有が可能になることで、情報伝達のスピードと精度が向上します。
帳票電子化システム「i-Reporter」で帳票設計を効率化
「i-Reporter」は、帳票の電子化と効率的な管理を支援する強力なツールです。ここでは、「i-Reporter」の導入事例を通じて、その効果を紹介します。
「i-Reporter」の導入事例:出庫作業にかかる時間を90%削減!?
株式会社ミントウェーブは、シンクライアントシステムや電力系統監視制御システムなどを提供する情報機器メーカーです。
同社の名古屋工場では、生産業務の効率化を目指し、電子帳票ソリューション「ConMas i-Reporter」を導入しました。
導入前は、紙ベースでの在庫管理による記入ミスや転記作業の負担、実在庫と帳票上の在庫の不一致、正確な在庫状況の把握が遅れることによる過剰な在庫や仕入れの遅れなどが課題でした。
導入後の効果として、i-Reporterによる在庫管理システムの構築により、
- 出庫管理作業時間を90%削減
- 在庫データの自動読み込みによる転記作業の削減
- リアルタイムでの在庫管理による正確な在庫状況の把握
- 仕入れ業務の効率化と在庫欠品リスクの抑制
などが挙げられます。
ミントウェーブは、i-Reporterの導入を第一ステップとし、今後は全部品への適用や検査チェックリストとしての活用も検討しています。
出庫の管理作業の削減事例 | 現場帳票システムはi-Reporter
出荷時の検査記録帳票を電子化して記録しやすく、見やすい帳票が実現
京都電機器株式会社は、電源メーカーとして、携帯電話やパソコンの部品製造機械の電源、発電機内蔵インバーター装置、バッテリーフォークリフト充電器などを製造しています。
導入前は、出荷記録帳票が紙ベースで、1枚に15台分の情報を記載するため、記録スペースが狭く、記入・読み取りが困難、紙の劣化による視認性・可読性の問題、保管スペースの圧迫、荷姿撮影に手間がかかるなどの課題がありました。
導入後の効果として、電子帳票化により、
- 1台につき1帳票となり、記録しやすく見やすい帳票を実現
- データがサーバー管理されるため、印刷が不要になり、紙の劣化や保管スペースの問題を解消
- 記録作業と写真撮影、上司への確認が一度に行える
- バーコード機能や記入漏れ防止機能などにより、入力の手間を削減しミス防止
- ミスを防止、外国人労働者にとっても使いやすい帳票を実現
- 作業工数約30%削減、確認工数92%削減
- プリンタのカウンタ数も20%削減
などが挙げられます。
京都電機器は、i-Reporter導入により、帳票の電子化を進め、作業効率の向上、ミスの削減、コスト削減などを実現しました。
今後は、ホストコンピューターとの連携により、さらなる作業効率の向上を目指しています。
出荷時の検査記録帳票を電子化した事例 | 現場帳票システムはi-Reporter
帳票レイアウト最適化で業務効率を向上
店舗運営において、帳票のレイアウトは業務効率に大きく影響します。
見やすく、入力しやすいレイアウトは、作業時間を短縮し、ミスを減らす効果が期待できるでしょう。
「i-Reporter」は、直感的な操作で誰でも簡単に帳票を作成できるツールで、シンプルな操作で、専門知識は不要です。
ドラッグ&ドロップで項目を配置し、文字サイズや色も自由に設定可能となり、写真やバーコードも簡単に取り込み、店舗運営に必要な情報を効率的に管理できるのも特徴です。
i-Reporterを活用すれば、日報、シフト表、在庫管理表など、店舗運営に必要な帳票を最適化し、業務効率を大幅に向上させることができるでしょう。
現場の作業ミス防止 業務効率化 を目指すなら! | i-Reporter(アイレポーター) │現場帳票システムのシェアNO.1
