品質管理部とは?仕事内容と管理体制を強化するポイント

品質管理部とはその言葉のとおり、製品の品質の確保・維持を目的に、企業内に設けられている部門です。消費者に品質の高い製品を安定して提供するための、重要な役割を担っています。

本記事では、品質管理部の主な仕事内容や強化するためのポイントとあわせて、品質管理部の担当者が勉強しておきたい知識や検定をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

品質管理部の主な仕事内容

企業内での品質管理部の役割は、消費者に品質の高い製品を安定して提供することです。ただし、品質管理部がどのような仕事を行っているのか、具体的な仕事内容をイメージできる人は少ないでしょう。

ここでは、品質管理部の主な仕事内容をご紹介します。

品質を管理するために行うべき仕事は多岐にわたりますが、主な3つの仕事内容をご説明します。

原料や部品を検査する

まず初めに行うのが、製造する際に使用する原料や部品の品質管理です。原料や部品が前もって定めている規格にあっているかを検査します。

具体的には、寸法の測定などを行い、問題がないことを確認します。

品質管理の規格にはさまざまな種類があり、代表的な規格が「ISO9001」です。ISO9001は業種を問わず利用・認証を取得できる規格になります。国際的な取引を円滑に進めることを目的に、世界中で同品質・同レベルの製品を提供するための国際的な基準です。世界170ヵ国以上、100万以上の組織で使用されています。

他にも、「JISマーク」でおなじみの日本国内の規格制度の「JIS(日本工業規格)」や、電気・電子分野の国際規格「IEC」などがあります。

製造工程を確認する

製造段階の品質管理で行うのが、決められた製造工程できちんと製造が行われているか、不具合などがないかの確認です。検査時に基準から外れていないかを確認する必要があるため、あらかじめ設定している管理基準から離れていないかなど、目視での確認やサンプリングを行って検査します。

製品を検査する

完成品の品質管理では、でき上がった製品が規格や基準に合っているかを検査します。製品にはそれぞれ規格や基準が設けられているため、不適合品を出さないためには、最も高い管理基準で品質管理を行わなければなりません。

製品によって検査項目は異なりますが、外観検査や品質検査など多くの検査を行います。

すべての検査が終了したら、検査結果と製品が完成するまでの一連の記録などを確認し、品質の適否判定を行ったうえで出荷の可否を決めます。

品質管理体制を強化するためのポイント

製品の品質を維持するためには、国や自治体が定めた基準に沿った、品質管理体制の構築が求められます。また、品質管理による問題を未然に防ぐためには、品質に関する情報の可視化が必要です。

品質管理を徹底し、不適合品が出た場合の不信感やクレームを減らすことで、顧客満足の向上につなげられます。商品やサービスを提供するうえで、品質管理体制を整えることは非常に重要です。

品質管理体制を強化するための4つのポイントをご紹介します。

品質管理体制図を作成する

まず初めに行うのが、作業の全体像を把握するための、品質管理体制図の作成です。品質管理体制図を作成して社内で共有することで、工程や担当する役割を理解しやすくなります。

また、品質管理体制図を作成する際には、社内責任者や各工程の担当者を決めましょう。責任者や担当者を明確にすることで、それぞれに責任が生まれ、ミスや失敗を防ぎやすくなります。

管理する項目を明確化する

改善や見直しが必要な過程を見つけ出し、品質管理体制を整えるために欠かせないのが、管理する項目の明確化です。原材料の受け入れからでき上った製品の出荷にいたるまで、品質に影響を与える可能性がある原因や、生産における作業の過程をすべて浮き彫りにしましょう。

管理する項目を明確化することで、管理の漏れを防げるため、作業者や作業工程全体が管理された状態を保ちやすくなります。

作業をマニュアル化する

作業者による作業の質やレベルのばらつきを防止するために必要なのが、作業のマニュアル化です。作業者によって業務の違いがある場合、工程の停滞や業務の属人化が起こりやすくなります。 作業に基準を定めてマニュアルを作成することで、品質が低下したり、商品の安定性が低下したりすることを防げるでしょう。また、熟練した作業者のスキルやノウハウをマニュアルに反映させることで、社内全体で共有できます。

システムを導入する

管理を漏れなくスムーズに行うためには、品質管理情報を一元管理できるシステムの導入が有効です。最近では、製造現場の品質管理においてもIT化が進んでおり、さまざまなシステムを導入する企業が増えています。 システムで品質に関する情報を一元管理すれば、必要な情報がすぐに検索できるため、生産性の向上や業務の効率化につなげられます。

品質管理部の担当者が勉強しておきたい知識や検定

品質管理に関する知識や資格を身につけることで、仕事への理解が深まります。品質管理部の担当者ならぜひ勉強しておきたい、知識と検定をご紹介します。

関連する法律やISO規格などの国際規格についての知識

品質管理者として高い評価を得るために欠かせないのが、関連する法律やISO規格などの国際規格についての知識です。

品質管理に関連する法律として、「製造物責任法(PL法)」が挙げられます。製造物責任法とは、製品の欠陥によって消費者に損害が生じた場合、製造者がその責任を負うことを定めた法律です。

品質管理部門は、製品の安全性を確保し、欠陥がないことを保証するために、製造物責任法を理解しておく必要があります。

また、製品やサービスの品質を一定の水準に保つために設けられた、「ISO規格」の理解も欠かせません。ISO規格とは、「国際標準化機構(ISO)」が制定する国際的な基準です。

製品の規格では「非常口のマーク(ISO 7010)」や「カードのサイズ(ISO/IEC 7810)」が有名ですが、品質管理では「品質マネジメントシステム(ISO 9001)」の規格が該当します。

QC検定(品質管理検定)

品質管理に関する代表的な資格が、「QC検定(品質管理検定)」です。QC検定では、品質管理に関する知識がどのくらいあるのかを、客観的に評価します。

試験は9月と3月の年2回、全国で実施されており、1級~4級の4つの等級があります。品質管理の手法を問われるのは3級からなので、品質管理部の担当者であれば、3級より上を目指しましょう。

あらゆる製品やサービスの品質管理において意義のある資格なので、品質管理部の担当者ならぜひ資格の取得をおすすめします。

品質管理にもシステムの導入によるIT化が欠かせない

最近では、製造業などの現場でもIT化が急速に進んでおり、品質管理においても大きな変化が生じています。品質管理に役立つ代表的なITツールが、品質管理システムです。

検査データや品質の適否判定の結果など、品質に関する一連の業務をシステム上で管理することで、品質管理業務の効率化や品質改善サイクルの加速につなげられます。

品質管理情報を一元管理できるシステムを導入するなら、「i-Reporter」をおすすめします。「i-Reporter」で検索結果や報告書などの帳票を電子化すれば、手作業よりも効率的かつ高精度な管理が可能です。

「i-Reporter」の公式サイトでは、さまざまな業種の導入事例もご紹介しておりますので、ぜひ一度チェックしてみてください。

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