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現場での記録作業、効率よく出来てますか?
製造現場や建築現場は、いわば価値創造の源とも言えます。しかしこれらの現場では、様々な問題が発生し、多くの課題を抱えています。
特に大きな課題としては、現場における生産性が挙げられます。
日本における製造業の生産性については、2020年に発表された日本生産性本部のレポートによると、OECD加盟国31か国中16位となっています。
しかし日本は、1995~2000年までの間は1位でしたが、2005年に9位、2010年には11位と年々その順位を下げています。
日本の生産性については、1990年以降諸外国と比べ、生産性の向上が遅れているという実情があります。
日本の生産性が上がらない主な課題として以下の5つが挙げられます。
- 人材不足
- 部門間の情報共有
- 人的ミス
- 標準化が進まない
- 管理業務の効率化
人材不足については、日本の生産労働人口の減少という社会的な大きな問題のため、すぐに解決するという方法はありませんが、それ以外については、2000年以降飛躍的に発展したデジタルツールを活用すれば改善することができるでしょう。
そこで今回は、現場における帳票作成の効率化について説明します。
帳票とは
帳票とは、経営において利用される様々な伝票類の総称です。
一般的に伝票とは、お金に関する書類の名称ですが、お金以外の書類も含めて帳票と呼ばれています。よって企業で扱う全ての書類のことを帳票と呼んでも差し支えないでしょう。
企業活動において、帳票は必要不可欠です。企業活動を帳票無しで行ったらどうなるでしょうか。全てが口頭でのやり取りとなり、経営が大混乱するでしょう。お金のやり取りはもちろんですが、製造現場においては、製造記録を帳票で残す必要があります。
製造業は、製品を売って終わりというわけにはいきません。設計や製造工程における不具合があった場合、製造者として責任を負う必要があります。建築現場においても、施工不良があった場合、その保証に多額のコストを負うこともあります。
そのため、きちんとした製品を製造したことや施工した証拠を帳票として記録して保管する必要があります。また、経営上重要な情報を共有するためにも帳票が利用されます。従業員が多い企業などでは、展開する情報を帳票にして伝達します。
帳票の目的
先ほども述べたように、帳票は経営上の重要な情報を共有し、記録して保管するものです。
では、製造現場における帳票の目的は何があるのでしょうか。
製造現場においても、部品や資材の発注伝票や材料の入出庫管理において帳票を利用しています。また、製品がきちんと出来上がっているか証明する検査済証といった帳票もあります。
自分たちがつくったものに対しての証明でもあるため、記録の管理も大切です。帳票については、これらの目的を果たすために紙の帳票で管理するのが当たり前のように行われていました。
紙帳票の管理では、1枚ごとに作成し、印刷してチューブファイルに綴じて保管棚へ保管していました。そして、必要な時に当時の状況がどうだったのかを調べられるように、チューブファイルにはインデックスを付けて探しやすいように収納します。
しかし帳票の管理をこのような方法を行っているようだと、業務の効率化が図れず、生産性は上がりません。工業製品の高機能化により管理する帳票は増えることはありますが、減ることはありません。
そこで、帳票管理業務の効率化を図るため、電子帳票が普及し始めています。
紙帳票を電子帳票に変えるメリット
紙帳票を電子帳票に変えるメリットとして、主に次の5つがあります。
帳票作成を効率化できる
紙帳票を運用している時は、作成時に多少なりとも転記作業がありました。
この転記工数が意外と曲者だったのです。
帳票を電子化することで、転記という付加価値の無い作業を廃止すると同時に、記入間違いを防止することができます。製造現場などでは、部品をバーコードやQRコードといった、デジタルデータで管理します。
作業者がこのコードを読み取って紙の帳票に転記しているようでは、非効率で間違いが発生しやすいでしょう。電子帳票で専用のリーダーで読み込むことで、正確に素早く入力することができます。
現場での帳票入力作業においては、ペンなどを極力使わずに入力することで記入ミスを防ぐことができます。
例えば、画面の中の項目を選択するといった入力方法で帳票が作成できるようにすると、その場で帳票作成を完了することが可能です。
管理コストを削減できる
紙帳票を管理するために、保管室のような専用の場所が必要です。
保管室まで必要ない場合でも、チューブファイルを収納する棚が必要となります。
管理する帳票が少ない場合は負担も少ないかもしれませんが、毎年のようにチューブファイルが増えると、管理コストが減ることは無いでしょう。
電子帳票であれば、特別な理由が無い限り専用の場所が必要となることはありません。
リアルタイムに確認できる
電子帳票は現場で作成することが可能です。
そして、ネットワークを利用すれば、作成した帳票をリアルタイムに送信することができます。
紙帳票の場合、遠隔地へ送る場合は郵送またはFAXでしか送ることができません。
また、紙で送られたデータは、1度電子データに入力し直さなければ再利用できません。電子帳票であれば、ネットワークを利用してリアルタイムに送信できる上に、データの再利用が容易に行えます。
セキュリティを強化できる
特に現場で使う紙の帳票は、多くの人の目に触れる場合があるでしょう。帳票に書かれている情報によっては、関係者以外に見せてはいけないものもあります。
電子帳票であれば、専用端末でしか閲覧できないようにすることもできるため、セキュリティの強化が図れます。また、情報が電子化されているため、アクセス権やパスワードを付与することで万が一情報が漏洩した場合でも機密保持を行えます。
過去の記録を簡単に検索できる
電子帳票の大きなメリットが、帳票の検索が容易にできることです。紙の帳票だと、山ほどあるファイルの中から、探し出さなければなりませんが、電子帳票であれば簡単に検索することができます。
紙帳票を電子帳票に変えるデメリット
ここからは、紙帳票を電子帳票に変えるデメリットも見ていきましょう。
導入時の初期費用がかかる
紙帳票を電子帳票に変える代表的なデメリットとして、導入時に初期費用がかかるということがあります。しかし、初期費用についてはどこまで電子化するかによって大きく変わります。
全ての帳票を一気に変えようとすると高額な費用がかかりますが、主要な帳票から電子化に取り組んだり、費用対効果の高い帳票に絞って電子化したりすれば大きな負担にはならないでしょう。
電子化されたデータ管理が必要になる
電子帳票の保管についてはデータ管理をしなければなりません。データ管理を全て自前で管理しようとすると、専門知識のある管理者が必要となる場合があります。
しかし最近ではクラウドサービスを利用することで、専門知識がほとんど無くても、高いレベルでデータ管理を行うことができます。
使い慣れた紙帳票フォーマットを変更する
電子化に伴い使い慣れた紙帳票のフォーマットを変更する必要があるかもしれません。
そのような場合は、多少の手間はかかりますが、これまで使っていた帳票を見直す機会と捉えて、さらに使いやすい帳票に改善してはいかがでしょうか。
まとめ
現場作業の効率化を図るツールとして、電子帳票について説明しました。
「電子帳票なんて大きな企業でしか実現できない」と思うことはありませんか?しかし、電子帳票の導入については、大企業より中小企業の方が素早く効果を発揮します。
大企業ほど、導入規模が大きくなるため初期コストの負担が大きくなります。また、昔から慣れ親しんでいる帳票を変えることに消極的な人もたくさんいるでしょう。
決断が早い中小企業ほど効率化の成果が得やすく、コスト削減に繋がります!さらにネットワークを活用して、中小企業の強みである機動力を発揮することができます。
まずは、身近な帳票から電子化に取り組んでみてはいかがでしょうか!
特に現場帳票システム「i-Reporter」では以下のことが実現可能です。
- 報告書を電子保存して一括管理
- Excelでダウンロード可能
- アラート通知で不良要因の発生を関係者に連絡
- 報告書がリアルタイムで共有可能
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現場帳票研究所の編集部です!
当ブログは現場帳票電子化ソリューション「i-Reporter」の開発・販売を行う株式会社シムトップスが運営しております。
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