ISO9001内部監査の目的・頻度・要求事項【質問例・チェックリスト】

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製造業や建設業では、自社が提供する製品やサービスの品質を常にチェックし、改善に向けた取り組みを実施する必要があります。
そして、自社の取り組みを外部にアピールするには、ISO9001認証の取得や内部監査の実施が効果的です。

今回は、ISO9001の基本的な知識や内部監査の目的、頻度、チェック項目について解説します。
監査の準備のポイントにも触れますので、ISO9001の内部監査を控えている企業のご担当者様はぜひ参考にしてください。

ISO9001の内部監査とは

ISO9001とは、品質マネジメントシステム(QMS)に関する国際的な規格のことです。

内部監査員が、計画に基づき現場でチェックリストや質問例を活用し、記録や文書を確認、従業員へヒアリングを実施します。

ISO9001の内部監査の目的は、不適合を発見し、是正処置や改善に繋げることです。年1回程度の実施が望ましく、監査結果は報告書にまとめられ、経営層に報告されます。

効果的な内部監査は、顧客満足度の向上、業務効率化、リスク低減に不可欠であり、ISO認証の維持にも繋がるでしょう。

ISO規格の種類には、品質に関する規格であるISO9001のほかに、環境保全に関する「ISO14001」や情報セキュリティに関する「ISO27001」などもあります。

ISO9001の基礎知識

ISO9001は、顧客満足度向上と品質マネジメントシステム(QMS)の継続的改善を目的とした国際規格です。

組織がQMSを構築・運用し、要求事項を満たすことで品質を保証し、顧客からの信頼獲得に繋がります。

認証取得は、国際的な品質基準への適合を示すものです。規格は定期的に更新され、2025年以降もその動向を理解することが重要です。

内部監査は、このQMSの有効性を評価する上で欠かせない活動であり、組織全体でその目的や必要性を理解し、積極的に取り組むことが求められます。

ISO9001の内部監査は1年に1回程度が望ましい

ISO9001の内部監査は、QMSの有効性確認と継続的改善に不可欠です。規格上の頻度規定はないものの、一般的には内部監査は1年に1回程度が望ましいとされています。

しかし、組織・事業者の状況や意向によって変更が可能です。

これは、QMSの運用状況、適合性を定期的に評価し、不適合や改善点を発見するためです。

組織規模、業務プロセス、過去の監査結果、品質目標などを考慮した適切な頻度設定が重要であり、形骸化を避け、実効性のある計画に基づき、監査員が現場確認やヒアリングを通じて具体的な結果を得る必要があります。

ISO内部監査の実施手順

内部監査は、計画から実施、報告、そして是正処置のフォローアップまで、一連の流れで行われます。

適切な手順を踏むことで、効率的かつ効果的に品質マネジメントシステムの課題を特定し、改善に繋げることが可能となるでしょう。

ここでは、内部監査の具体的な実施手順について解説します。

1.内部監査計画を作成する

まず、内部監査の目的、範囲、基準、方法、頻度、日程、責任者などを明確にした内部監査計画を作成します。

計画段階では、監査対象となる部門やプロセス、過去の監査結果、顧客からのフィードバック、組織の品質目標などを考慮に入れることが重要です。

計画には、監査チームの編成や必要な資源の確保も含まれます。

2.内部監査の準備作業を実施する

内部監査計画に基づき、具体的な監査の準備を行いましょう。

これには、関連する文書(品質マニュアル、手順書、記録など)のレビュー、チェックリストや質問事項の作成、監査担当者への教育などが含まれます。

効果的な監査を行うためには、事前に十分な準備を行い、監査の焦点を明確にしておくことが重要です。

3.内部監査の実施、結果を報告書にまとめる

計画的に内部監査を実施し、現場観察、従業員へのヒアリング、関連記録の確認を通じて、品質マネジメントシステム(QMS)の運用状況を評価します。

監査では、規格や設定された要求事項への適合状況はもちろん、満たされていない不適合事項や、より効果的なQMS構築のための改善提案も詳細に記録し、客観的な証拠を伴った監査報告書を作成します。

この報告書は、監査を受けた部門だけでなく、組織の経営層にも共有されるべき重要な情報源となり、今後の品質改善活動の指針となります。

4.被監査部門にフィードバックを伝えて是正処置を依頼する

監査報告書に基づき、発見された不適合事項や改善提案を被監査部門にフィードバックします。

不適合に対しては、原因分析を行い、是正処置計画の提出を求めます。是正処置の実施状況をフォローアップし、その有効性を確認することも内部監査の重要な役割です。

ISO9001の内部監査で要求される事項・ポイント

ISO9001の内部監査では、どのような点を重点的に確認すると良いのでしょうか。
こちらでは、ISO9001の内部監査における具体的なチェック項目を3つ解説します。

順守義務を達成しているか

まずは、自社が構築したQMS の適合性を確認する項目です。
具体的には、ISO9001の要求事項や自社のマニュアル、法令、顧客要求などに沿って体制や仕組みが構築されているかをチェックします。

単にQMSを構築するだけの場合は、ISO9001の要求事項に沿う必要はありませんが、ISOによる認証を受けるには、適合性をクリアすることが必要です。
そのため、ISO9001の内部監査では適合性をチェックし、必要があれば改善を指示します。

また、自社のマニュアルや法令に沿って業務が行われていない場合、思わぬトラブルや事故につながる可能性があります。
そのようなリスクを軽減するためにも、適合性のチェックは重要です。

品質の維持・向上が見込めるか

続いては、QMSの有効性を確認する項目です。
具体的には、自社が設定したルールや仕組みが適切に機能しており、製品・サービスの品質の維持・向上につながっているかをチェックします。

例えば、マニュアルの順守が徹底されている現場において、不良品や作業ミスの発生率に関する目標を達成できているのかを調査します。もし、思ったような成果を得られていなかったり、目標が未達であったりする場合には、原因を分析したうえで改善策を提案することも内部監査の重要な役割です。

内部監査にて原因を調査する場合、報告書の改ざんや改定記録が発見つかり、指摘を受ける可能性があります。

しかし、現場帳票をデジタル化すれば課題は解決できます。特に現場帳票システム「i-Reporter」では、書類の入力履歴を管理することが可能です。

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顧客満足につながる成果が上がっているか

最後は、顧客満足度を確認する項目です。ISO9001の最大の目的は、顧客満足度の向上です。
そのため、内部監査では自社の取り組みが実際に顧客満足度の向上につながっているのかをチェックします。
取引先へのアンケート調査やクレーム数の増減、リピート率の推移などから判断するのが一般的です。

また、顧客満足度を正確に把握するためにも、内部監査チームには顧客の立場や視点を理解した人材を選定する必要があります。

ISO9001の内部監査を受ける準備を進める際のコツ

ISO9001の内部監査は、社内で実施するものではあるものの、一定の人的・時間的コストがかかります。
そのため、効果を最大化するためのコツを押さえておくことが重要です。こちらでは、ISO9001の内部監査の準備におけるポイントを解説します。

チェックリストを活用する

ISO9001の内部監査を円滑に実施するためには、チェックリストを活用するのがおすすめです。チェックリストとは、監査担当の質問例や規格の要求事項などを記載したシートのことです。内部監査員がチェックリストを作成したうえで監査を受ける側の責任者などに共有し、質問に対するエビデンスを事前に用意してもらうことで、効率良く内部監査を行えます。

ただし、効率化しようとするあまり「チェックリストの内容を読み上げているだけ」になってしまい、内部監査が形骸化するケースも少なくありません。また、チェックリストの改善や見直しが行われていない企業も多くあります。ISO9001の内部監査にチェックリスト活用する場合は、監査が形式化しないように項目を工夫したり、監査の実施後には内容を見直したりすることが重要です。

以下では、ISO9001の内部監査に利用できるチェックリストの例をご用意しました。自社のマニュアルやルールに合わせて適宜変更してご活用ください。

<ISO9001の内部監査の準備に活用できるチェックリスト・質問例>

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製品・サービスの品質維持・向上につながるITシステムを導入する

内部監査のクリアに向けて、既存の体制や仕組みの改善が必要な場合には、ITシステムの導入を検討しましょう。例えば、顧客サポートや営業対応において紙ベースで情報を管理している場合、ペーパーレスを促進できるシステムの導入が効果的です。対応スピードや品質の向上が期待でき、ISO9001の目的である顧客満足の向上にも役立ちます。

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【参照】ISO 9001(品質) よくあるご質問

ISO9001の内部監査を実施して顧客満足度の向上を実現しよう

今回は、ISO9001の概要や内部監査の仕組み、チェック項目、実施のポイントをお伝えしました。ISO9001の内部監査は、自社のQMSが適切かつ効果的に構築・運用されているかをチェックするために欠かせないプロセスです。質問内容や取り組み方を工夫することで自社が抱える課題を顕在化させ、改善策を講じて顧客満足度の向上に生かしましょう。

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