JIS規格とは何かをわかりやすく解説!JIS規格の目的と分類について

JIS規格とは、製品やサービスの品質に関する統一的なルールのことです。JIS規格があることで、日本の製品・サービスの品質および安全性は高いレベルに保たれています。消費者はもちろん、メーカーや産業界全体もJIS規格があることで恩恵を受けています。

今回はそんなJIS規格について、基礎知識からメリット・デメリット、取得方法までをわかりやすく解説しましょう。JIS規格に関心のある方、JIS認証の取得を検討している方などはぜひ参考にしてください。

JIS規格に関する基礎知識

以下では、JIS規格の定義や目的など、基本的な事柄をわかりやすく紹介説明します。

JIS規格とは?

JIS規格とは、日本の製品やサービスに関する品質や安全性などを全国的に統一するために制定されたルールのことです。「日本産業規格(Japanese Industrial Standards)」を略して「JIS(ジス)」と言います。産業標準化法(JIS法, 旧工業標準化法)に基づく国家規格であり、もともとは「日本工業規格」と呼ばれていました。

ちなみにJISは、著作権法の保護対象である著作物です。その著作権(Copyright)は原案作成にあたった民間団体などに帰属します。JISに対応の国際規格がある場合、ISO(国際標準化機構)やIEC(国際電気標準会議)などの著作権団体との関係において著作権の保護が図られます。

【出典】「産業標準化とJIS」 JISC 日本産業標準調査会

JIS規格の目的とは?

JIS規格の目的は、製品やサービスの規格を国レベルで統一させて、使用性や安全性を高めることです。例えば、トイレットペーパーは直径のロールの大きさは120mm以下と、JIS規格で定められています。JIS規格があることで、どのメーカーでトイレットペーパーを買っても、同じようにホルダーに取り付けて便利に使えます。

JIS規格の分類

JIS規格には以下のような分類があります。

基本規格

基本規格は、共通して使う言葉や数値の定義を定めたものです。例えば、「長さ」を「メートル」で表す表現するといった基本的な決まりごとを指します。基本規格があることで異なる分野の人であっても同じ意味で言葉を使うことができ、誤解を防ぎやすいというメリットがあります。

方法規格

方法規格は、試験・分析・検査および測定の方法・作業標準などの規定です。例えば、製品の耐久性、製品が合格と判断される基準などを指します。方法規格には、製品の品質を客観的に評価しやすくなるというメリット意義があります。

製品規格

製品規格は、製品の形状・寸法・材質・品質・性能・機能などの規定です。例えば、ねじの形状、紙のサイズ、電球の明るさなどが定められています。具体的な製品の仕様を定めることで、同じ製品であれば同じような品質や機能が保てるということがポイントです。メリットが得られます。

分野別の分類

JIS規格は、さらに分野(部門)別にも分類され、それぞれの分野にアルファベットの記号が割り当てられています。代表的な分野は「A:土木および建築」、「B:一般機械」、「C: 電子機器及び電気機械」などです。以下の表のように、各分野ごとに規格名称や規格番号が整理されています。

JIS規格の分類例(あくまで一例。実際にはもっと種類があります)

分野(部門)分類の例規格名称(規格番号)の例
A土木及び建築一般・構造
材料・部品
キッチン設備の寸法(JISA0017)
浴槽(JISA5532)
B一般機械機械基本
機械部品類
機械製図(JISB0001)
十字穴付き小ねじ(JISB1111)
C電子機器及び電気機械真空管・電球
電気応用機械器具
一般照明用白熱電球(JISC7501)
電子レンジ (JISC9250)
D自動車一般
自転車
自動車―仕様書様式(JISD0001)
自転車-チェーン (JISD9417)
E鉄道線路一般
鉄道車両一般
レール用ねじくぎ(E1109)
鉄道車両―用語(JISE4001)
S日用品文房具・事務用品鉛筆, 色鉛筆及びそれらに用いる芯(JISS6006)
T医療安全用具歯科材料歯科用インプラントシステムの技術文書(JIST6541)
X情報処理一般情報処理用語(データの構成)(JISX0004)
JISC 日本産業標準調査会「JIS検索」
日本規格協会(JSA)「JIS部門一覧」

JIS規格のメリット・デメリット

JIS規格には、観点ごとにさまざまなメリット・デメリットが想定されます。以下では、消費者・メーカー・産業全体のそれぞれから見たJIS規格の利点・難点を紹介するので参考にしてください。

消費者から見たJIS規格のメリット・デメリット

▼メリット

消費者は、JIS規格があることで安全性・品質が保証された製品を選ぶことができまする。製品にJISマークがついていれば、その製品について簡単に調べられます。またJISマーク自体が、安全かつ高品質な製品であることも証明にもなるのです。

▼デメリット

JIS規格によって、製品の価格が上昇する可能性があることは消費者にとってデメリットになります。値上がりの理由は、JIS規格に適合するために、より高品質な材料や製造工程が必要になることが多いためです。

メーカーから見たJIS規格のメリット・デメリット

▼メリット

メーカーはJIS規格に準拠することで、製品開発や生産が効率化し、時間やコストを削減しやすくなります。またJIS規格では品質に関する基準が明確になっているため、品質管理が楽になりやすいというメリットもあります。

▼デメリット

一方、JIS規格によって、新しい技術やアイデアを取り入れた製品開発が難しくなる可能性があることはメーカーにとってのデメリットです。規格の基準に沿う必要があるため、新製品の開発にも一定の制約がかかります。

産業全体から見たJIS規格のメリット・デメリット

▼メリット

JIS規格があることで、産業全体の生産効率が上がりやすい状況が生まれます。違うメーカーの製品でも規格が同じであれば組み合わせて使うことができるからです。

また、日本の産業全体の信頼性向上につながりやすい点もメリットです。JIS規格が信用となって、日本の製品が世界で通用する高品質な製品であることを示しやすくなります。

▼デメリット

一方、JIS規格の普及には、産業構造が変化し、多様性が失われるリスクも伴います。JIS規格への対応が困難な中小企業が市場から淘汰される可能性があるからです。

JIS認証取得までの流れ

JISの認証を取得するためには、国に登録された登録認証機関の審査を受け、JIS規格に適合していると認められる必要があります。具体的には、以下の流れに沿って申請手続きを行います。

Step1.認証の申請

まずはJIS認証取得のための登録申請書類を経済産業省ほか各省の主務大臣に提出します。この場合の登録申請書類とは、「日本産業規格への適合性の認証に関する省令(認証省令) 第5条」のことです。

Step2.工場審査、製品試験

国に登録された登録認証機関によって、工場審査および製品試験が行われます。工場審査とは、製造(加工)工場の品質管理にかかわる審査のこと、製品試験とは、製品がJIS規格に適合しているかどうかの試験のことです。工場審査については、ISO 9001品質マネジメントシステム審査登録制度での登録がある場合、一部の現地調査を省略できます。

Step3.認証決定

初回適合性評価(工場審査と製品試験)でJIS規格に適合していると登録認証機関が認めれば、晴れて認証決定となります。認証契約および認証書の発行へと進みます。

Step4.JISマーク使用許諾契約の締結、表示の確認

認証が決定したら、登録認証機関との間でJISマーク使用等に関する契約(認証契約)を締結します。JISマーク表示の確認もあわせて行います。認証契約の内容は主に以下の通りです。

  • 認証契約の有効期間
  • JISマークの使用条件、誤用の処置
  • サーベイランスの条件(頻度、製品の再試験、工場の品質管理審査などについて)
  • 製造工場や鉱工業品等の追加、変更、縮小に係る通知
  • 異議申し立て、紛争等の処理
  • 認証の取り消し、一時停止
  • 認証事項の公表
  • 機密保持

Step5.JIS適合性認証書の発行、認証製品の公表

認証契約の締結後、証明書が発行され、認証製品も公表されます。証明書の内容は主に以下の通りです。

  • 認証契約締結日および認証番号
  • 認証取得者の氏名または名称および住所
  • 日本産業規格の番号など
  • 鉱工業品または加工技術の名称
  • 製造工場の名称および所在地
  • ロット認証の場合には、個数および識別番号など
  • 認証に係る法の根拠条項
  • 登録認証機関の名称および住所

JIS規格の取得を検討しよう!

JIS規格とは、日本の製品やサービスの品質を国全体で高レベルに維持することを目的とした基準です。事業者はJIS規格適合の認証を得ることで、製品の品質向上や安全性の確保、ブランドイメージの向上、販路拡大などのメリットを得られます。

JISマークの取得にもかかわる品質検査や整備点検などの効率化には、現場帳票システムの「i-Reporter」を活用するのもおすすめです。「i-Reporter」では、チェックシートや管理表、報告書といった紙の現場帳票を電子化し、iPhoneやiPadで簡単に利用できます。記入ミスを防ぎ、データ登録や文書作成の工数も大きく減らすことが可能です。

i-ReporterのようなITツールを導入し、検査や点検の業務を効率化することが大切です。ぜひJIS認証取得とあわせてi-Reporterの活用もご検討ください。

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