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荷物の運搬はもちろん、業務中の移動にも欠かせないのが自動車です。運送業や建設業を営んでいる企業や社用車を所有している企業が、業務で自動車を運転する場合、運転日報の作成義務があるため、「良い書き方が見つからない」「適切な報告形式を探している」という場合も多いでしょう。
記入は毎日欠かさず必要なので、効率的かつ正確に作成するためには、テンプレートや専用システムの活用は必須です。
ここでは、必要な項目や記入例から、記入する際の注意点まで、運転日報の基礎知識を解説します。
運転日報とは
まずは、そもそも運転日報がどのようなものなのかおさらいしておきましょう。
運転日報とは
企業が所有している自動車を業務で使用した際に、ドライバーが1日の業務内容や走行状況を記録するための書類です。具体的には、ドライバーの氏名や顧客名などの個人情報、日時や走行距離などの運転内容をくわしく記録します。
トラック運送といった一般貨物自動車運送事業を営む企業だけではなく、一定台数の社有車を保有する企業でも同じように、記録および保管が法律によって義務付けられています。
また、情報が正確かつ最新であることを確認するために、運転日報は定期的に見直さなければなりません。
運転日報が必要な理由
企業が業務を行う運転者の情報を把握するために必要です。安全運行の確保や法令遵守、業務管理や健康管理、事故防止などを目的に行います。
運転日報は法律で義務付けられている
一般貨物自動車運送事業もしくは社有車を所有する一部の企業は、法律に則って運転日報を作成しなければなりません。
貨物自動車運送事業を行っている企業
貨物自動車運送事業を行っている企業は、緑ナンバーの一般貨物自動車運送事業者などが安全な輸送を行うために、運転業務の記録・保管が義務化されています。これは、貨物自動車運送事業輸送安全規則によって定められているものです。
管理および保管を行うのは運行管理者です。運行管理者は、営業所ごとに車両台数に応じた人数を選任することが義務付けられています。
事業で使用する車両数が一定台数以上の企業
主に白ナンバーの自動車を使用する企業は、道路交通法施行規則により、安全な道路交通を守るために運転業務の記録・保管が義務化されています。乗車定員数が11人以上の自動車の場合は1台、そのほかの自動車の場合は5台保有している企業が対象です。
該当する企業では、安全運転管理者の選任も義務付けられています。
安全運転管理者は、白ナンバーの自動車を使用する企業において、ドライバーに対して安全運転の推進や交通事故の防止に取り組む役割を担う者です。道路交通法施行規則によって、管理・保管も安全運転管理者が行います。
また、選任義務があるのに安全運転管理者を選任しなかった場合には、選任義務違反となり、行政機関や関連機関から警告・是正措置命令・罰則などの措置を受ける可能性があります。
運転日報の書き方
運転日報はフォーマットが決まっていないため、無料で公開されているテンプレートを利用しても問題ありません。ただし、記載が義務付けられている項目があり、トラック等、業務に使用する自動車によって記載する項目が異なるため注意が必要です。
記載する際には適切なテンプレートを選択してください。記入が義務付けられている項目を解説します。
トラック運送などの一般貨物自動車運送事業を営む企業と、一定台数以上の社用車を保有する企業に分けて、必要な項目を解説します。
【運転日報の必要項目】一般貨物自動車運送事業を営む企業の場合
貨物自動車運送事業輸送安全規則に明記されている、運転日報に記載すべき8つの項目は下記のとおりです。
- 運転者の氏名
- 乗務した車両の登録番号
- 乗務開始と終了日時、乗務開始点と終了地点、主な経過地点と走行距離
- 運転交代時の地点と日時
- 休憩、睡眠時の地点と日時
- 車両総重量8t以上または最大積載量5t以上の事業用自動車における、貨物積載や集荷などの状況
- 事故や著しい運行の遅延、異常状態発生時の概要と原因 ・運行経路などの運行指示内容
一般貨物自動車運送事業を営む企業の運転日報では、上記の項目が揃っているか必ず確認しましょう。
【運転日報の必要項目】一定台数以上の車両を保有する企業の場合
貨物自動車運送事業以外で、乗車定員数が11人以上の自動車の場合は1台、そのほかの自動車の場合は5台保有している企業は、運転日報の作成が必要です。
道路交通法施行規則で規定されている、運転日報に記載すべき4つの項目は下記のとおりです。
- 運転者の氏名
- 運転開始と終了日時
- 運転した距離 ・自動車の運転状況を把握するうえで必要な事項
運転日報の記入例
記載すべき項目が把握できたら、早速運転日報を作成・記載してみましょう。
運転日報に決まった書式はないため、インターネット上に複数あるテンプレートをダウンロードして利用すると便利でしょう。
ただし、記載すべき情報が多いため、手書きで作成しようとすると、手間と時間がかかるだけではなく、記載ミスなどのトラブルが発生する可能性があります。
紙ベースでの書類のファイリングや保管は容易ではありませんので、運転日報の管理が義務化されている管理者の負担を軽減するためには、デジタル化も視野に入れましょう。運転業務に関わるさまざまな作業を、ペーパーレス化およびデジタル化すれば、保管や管理もしやすいため、トラブルの発生を抑えられます。
また、車両管理システムなどの専用システムの導入もおすすめです。さまざまな機能を搭載した専用システムを導入すれば、運転日報をアプリ上で入力して電子データとして提出できるなど、管理者だけではなくドライバーの負担軽減にも役立つので、生産性の向上につなげられるでしょう。
運転日報を記入する際の注意点
運転日報を記入する際には、いくつか注意点があります。注意すべき2つのポイントを解説します。
正確に記録する
運転日報の項目は正確に記録しなければなりません。運行時間や走行距離、休憩時間などの情報は、時間が経つと忘れてしまう恐れがあるため、なるべく早めの記入を心がけてください。
とくに、特記事項には、運行中に発生したトラブルや事故のくわしい情報の記入が必要です。記録した情報は今後の改善にもつながるため、できるだけくわしく記載しましょう。
読みやすいように記入する
運転日報は企業全体で共有する重要な情報ですので、手書きの場合は誰でも読めるように、読みやすい字を心がけることが大切です。字のきれいさはもちろん、誤字脱字にも注意しましょう。
癖のある字や判読不明な字、誤字脱字は読みにくいため、管理者の作業負担が増え、正確性が欠ける要因にもなり得ます。
運転日報の作成には現場帳票電子化システムの導入がおすすめ!
運転日報は、法律上の作成義務があるだけではなく、企業にとって欠かせない重要な情報元です。運転日報がなければ、業務効率化などの改善が図れません。
ただし、手書きではドライバーや管理者の負担になったり、正確性が欠けたりするデメリットがあります。安全運行とドライバーの安全を確保するためには、運転日報の作成に専用システムの活用をおすすめします。
現場帳票電子化システムの「i-Reporter」は、業務効率化の実現に役立つツールです。運転日報などのデータを自動でシステムに反映できるため、無駄な転記作業が不要で、リアルタイムに情報を把握できます。
「i-Reporter」は、帳票の作成や入力、帳票の管理やほかのシステムとの連携など、さまざまな機能を搭載しております。手作業での運転日報といった帳票の記載・管理が負担となっている企業様は、業務の効率化を図るためにぜひ導入をご検討ください。
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