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製造・物流の現場では、大量の製品・部品を生産したり管理したりする必要があります。そこで、多数のものを効率的かつ正確に管理する際に役立つのが「ロット管理」の手法です。複数の製品・部品をまとめて管理することにより、業務効率化やコスト削減につながります。
本記事では、製造業・物流業に必要なロット管理の基礎知識を解説します。また、ロット管理に取り組むメリットや、効率化するポイントまでお伝えするため、ぜひ参考にお読みください。
ロット管理とは
製造業や物流業では、製品・部品の管理において「ロット管理」の考え方が採用されています。まずは、ロット管理の基礎知識や重要性、その他の番号管理との違いなどを解説します。
ロット管理の基礎知識
ロット管理とは、製品・部品などをロット(=最小単位)ごとに管理して、製品情報を効率的に把握する管理方法です。製造現場のほか、物流現場の在庫管理などで用いられています。そもそもロットとは、商品・部品などを製造する際に、同一条件で製造および出荷された、同一製品の最小単位を指します。ロット管理では、ロットごとに番号を振り分けて、製造日や賞味期限などの情報と紐付けて管理を行うのが一般的です。その際、ロットあたりの数量は製造者や管理者が任意に設定します。
ロット管理の重要性
ロット管理は、生産管理の効率化やコスト削減に欠かせません。最小ロットで生産することで余剰在庫の発生を防げます。適切な回転率が保たれ、不動在庫で価値が下がったり、廃棄したりする事態を避けることが可能です。また、製品・部品などをロット単位で管理すると、品質管理や工程管理がしやすくなります。例えば、あるロットの品質に問題が見つかった場合、ロット別に製造時期や製造工程を確認して原因を特定するとともに、迅速に回収などの対応を行えます。これにより被害を最小限に留めることが可能です。
シリアル番号管理との違い
ロット管理とよく似た管理方法として「シリアル番号管理」が挙げられます。シリアル番号管理では、一つひとつの製品にシリアル番号(固有番号)を振り、個別に管理を行います。それに対してロット管理では、一定の個数の製品をまとめて1つのロットとして管理するため、個別の管理には対応していません。
シリアル番号管理では、ロット管理よりもさらに詳細な管理を実現できます。ただし、製品ごとの個別の管理に多くのコストや手間がかかりやすいのが難点です。このように、ロット管理とシリアル番号管理にはそれぞれ異なる特徴があり、場面に応じて適切に使い分けられています。
ロット管理の手法と実施方法
ロット管理は、具体的にどのような流れで運用するのでしょうか。ここでは、ロット番号の割り振りから在庫管理まで、ロット管理の実施方法をご紹介します。
Step1.同一条件で作られた商品や製品にロット番号を割り振る
まずは、同一条件ごとにロット番号を割り振ります。例えば、「製造日」「原材料の入荷先」「入荷日」といった条件で、ロット番号の割り当てルールを決めましょう。
Step2.同一ロットごとにロット番号がわかる情報を貼り付ける
同一ロットの製品に、ロット番号を印字します。ロット番号を印字する方法として、商品に印字する方法、スタンプを押す方法、ラベルシールを貼り付ける方法などが挙げられます。
Step3.ロット番号を基に在庫管理を行う
エクセルで作成した管理表や専用システムを利用して、ロット番号とそれに紐づいた製品情報を入力します。例えば、ロット番号と併せて製造ロットの賞味期限や担当者名などを管理します。
ロット管理のメリットと注意点
ここでは、ロット管理が製造業務や物流業務にもたらすメリットを解説します。また、ロット管理を実施する際の注意点もお伝えするため、併せてご確認ください。
ロット管理のメリット
在庫管理、工程管理を効率的に行いやすい
ロット管理では、同一ロットに含まれる1つの製品の状態を確認することで、ロット全体の状態を効率的に把握できます。また、複数の製品をロットとしてまとめて管理するため、管理や輸送の工程を効率化できるのがメリットです。さらに、製品の需要と共有に基づいて適切な最小ロットを設定すれば、在庫が過剰になるのを防げます。
トレーサビリティの強化
ロット管理は製造や入出荷の履歴を残せるため、トレーサビリティの強化にもつながります。トレーサビリティとは、製品を原料から製造する過程や、出荷までの流れを追跡可能な状態にする仕組みのことです。トレース「Trace」(追跡)とアビリティ「Ability」(能力)を組み合わせた造語で、製造業界・物流業界において重視されています。
ロット管理を行うときの注意点
ロット管理では、製品に番号を付与する際に手作業でスタンプを押したりシールを貼り付けたりすることがあります。手作業は業務が煩雑になりやすく、さらには人的ミスの発生が懸念されるのがデメリットです。そのため、近年はこうした課題の解消へ向けて、多くの企業が専用のツールやシステムを活用してロット管理に取り組んでいます。
ロット管理を効率的に行う方法
ロット管理を手作業で行うと負担が大きく、人的ミスの可能性も生じます。専用のツールやシステムを活用して効率化できると理想的です。最後に、ロット管理を効率的に行う方法をご紹介します。
ツールを利用してロット番号を自動生成する
バーコード・二次元バーコードを生成するツールを利用して、ロット番号を自動生成する方法です。ロット番号の振り分けを自動化することで、作業の手間を省き、人的ミスを防止します。
在庫管理システムを活用する
倉庫内の商品を管理する「在庫管理システム」を導入する方法です。システムにロット番号をはじめとした情報を取り込み、在庫管理を効率化します。システム上で在庫数を正確に把握できるのに加えて、入力作業の効率化も実現できます。
ロット管理は専用ツールやシステムによる効率化がおすすめ!
ここまで、ロット管理の基礎知識から効率化するポイントまでお伝えしました。ロット管理では、「ロット」と呼ばれる最小単位ごとに製品・部品などを管理することで、効率化やコスト削減を実現します。在庫の無駄を防ぎ、トラブルによる被害のリスクを最小限に抑えられます。そんなロット管理は、手作業で取り組むと業務が煩雑になるため、専用ツールやシステムを活用するのがおすすめです。「i-Reporter」では、ロット管理の効率化に貢献します。
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