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「いつも同じ作業なのに、時間がかかってしまう…」「新人教育に時間がかかる…」「作業手順がバラバラで困っている…」こんな悩みをお持ちではありませんか?
作業要領書は、これらの悩みを解決する有効な手段です。作業要領書を作成することで、業務の効率化、品質の向上、そして人材育成にも役立ちます。このように、属人化を防ぎ、必要なノウハウを全員で共有することで、作業の形骸化を避けられます。
この記事では、作業要領書の基礎知識から作成方法、活用メリット、注意点まで詳しく解説します。さらに、Excelテンプレートもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
作業要領書の基礎知識
作業要領書は、製造現場やオフィスワークなど、様々な場面で活用されている重要な書類です。
しかし、作業要領書の内容や作成方法について、詳しく理解している人は少ないのではないでしょうか?
ここからは、作業要領書の基礎知識についてご紹介します。
作業要領書とは?
作業要領書とは、業務の進め方や手順を明確に記述した文書です。作業を行う際の手順書、SOP(Standard Operating Procedure)、マニュアルなどと呼ばれることもあります。
具体的には、作業方法や動作、役割などが明確に記載されているのが特徴です。
製造業だけでなく、事務作業やサービス業、さらにはロボットを用いた生産ラインなど、あらゆる業種において活用され、製品の品質安定、作業効率向上、デジタル化を伴う人材育成などに役立ちます。また、工数削減や生産効率の向上を図ることが可能です。
目的は、作業の標準化と効率化です。誰でも同じように作業を行い、質の高い成果を安定的に得られるようにするための指針となります。
作業要領書に記載する主な内容
作業要領書には、作業をスムーズかつ安全に行うために必要な情報が盛り込まれています。それぞれ詳しく見ていきましょう。
作業の概要
作業の概要は、作業要領書における最初のセクションであり、作業の全体像を把握するための説明です。
作業を行う目的、対象となる製品や部品、作業範囲、作業の流れなどを簡潔に記述します。
作業者だけでなく、上司や他の関係者にとっても理解しやすいように記載することが重要です。特に新人の従業員やチームメンバーにとって、作業の全体像を知ることは非常に大切になります。
作業の手順
作業の手順は、作業を行う具体的な指示を記述する最も重要な項目です。各作業ステップを分かりやすく詳細に記述し、誰でも同じように作業を進められるようにします。
各作業に対する具体的な指示を記載することで、新人へのマニュアルとしても効果的です。
番号や箇条書きなどを用いて、分かりやすく整理することが重要で、図や写真などを加えることで、より視覚的に理解しやすくなります。
作業条件
作業に必要な各種条件(温度や湿度、使用する機械のスペックなど)を記載することで、作業において求められる環境や条件を整えることができます。
例えば、「室温20℃で作業を行う」「湿度50%以下で作業を行う」といった条件を記載しましょう。
このように、作業条件を効果的に提示することで、業務を安全かつ効率的に行うことが可能になり、作業のばらつきを減らし、品質の安定化につながります。
不具合の対応
作業を行う中で発生する可能性のある不具合について記載しましょう。
具体的な対処法を記載することで作業中のトラブルを未然に防ぎ、発生した場合でも適切な対処ができるようになります。
例えば、部品が正しく組み合わさっていない場合や、機械が正常に動作しない場合の手順を明確にし、迅速に対応できるようになるでしょう。また、作業に関連するチェックリストや確認事項を提示することで、予防措置を講じることが可能になります
ヒントやコツ
作業を行う上でのヒントやコツを提供するセクションです。これは、作業効率を向上させるための技術や知識を共有します。
例えば、「作業を効率的に行うための工夫」「部品の取り扱いに関する注意点」などを記載しましょう。
作業要領書の作成方法とテンプレート
作業要領書を作成する際は、誰でも理解できる分かりやすい文章と、正確な手順の記述が重要です。
ここでは、作業要領書を作成する際の具体的な手順と、Excelテンプレートをご紹介します。
作業要領書の作成方法
作業要領書は、正確に、速く、安全に作業できるように作業手順を決めて、工程ごとに記載します。
Step1. 作業名を記載する
作業名は、作業内容がひと目でわかるように簡潔に記載します。
例えば、「刃具の交換」「段取り」という表現は、特定の作業を示すとともに、作業の性質(工具の交換や準備作業)を明確にしましょう。
作業名は、作業要領書を見やすくするための重要な要素です。簡潔で分かりやすい名称にすることで、作業者が目的をすぐに理解することができます。
Step2. ライン名を記載する
ライン名は、どのラインで行う作業なのかを明確に示すための情報です。
「加工」「組付」といった表現を用い、作業が行われる特定のラインを示します。この情報は、他の作業との調整や確認作業が必要となる場合に役立つでしょう。
Step3. 日付などを記載する
日付などの情報は、作業内容を特定するための重要な要素です。「工順」「機番」「工程名」「所属氏名」「作成年月日」など、作業内容を特定するための情報を記載することで、作業の履歴管理やトレーサビリティが向上します。
Step4. 作業手順を番号で記載する
作業手順は、「1」「2」「3」など、番号を振って順番に記載することで、作業者が分かりやすく作業を進めることができます。
番号を振ることで、作業の順番が明確になり、作業ミスを防ぐことができるでしょう。
Step5. 作業内容を記載する
作業内容は、複雑な表現を避けて、誰が読んでも理解できる文章で簡潔に記載しましょう。
「部品AをBに取り付ける」「工具Cを使用してDを締め付ける」など、誰が読んでも理解できる文章を心がけることで、作業者のミスを減少させる効果も期待できます。
Step6. 作業のポイントを記載する
作業のポイントは、作業を円滑に進めるためのコツや注意点を記載しましょう。
例えば、「部品を傷つけないように丁寧に扱う」「工具の締め付けトルクに注意する」などを記載します。
このセクションには、過去の失敗事例から学んだ教訓なども含めると効果的です。
Step7. 図を記載する(見取図)
作業手順やポイントだけでは分かりにくい場合は、図や写真などを用いて視覚的に説明すると、より理解しやすくなります。
図や写真などを活用することで、作業者はよりイメージを掴みやすく、言葉だけでは伝えきれないニュアンスや注意点を補いミスを減らすことができるでしょう。
作業要領書のテンプレート
作業要領書のテンプレートは、以下からダウンロードしてください。

作業要領書を活用するメリット
作業要領書は、その活用法によって大きなメリットをもたらします。
特に、新入社員や異動した作業者への教育において、効率的な対応が求められるタイミングで効果を発揮するでしょう。
ここでは、作業要領書を活用することで得られる具体的なメリットをご紹介します。
効率的に業務を行える
作業要領書を活用することで、新入社員や異動してきた作業員への教育や訓練などに対して、迅速に対応できるでしょう。
部品の持ち方、部品の組み合わせ方などを詳細に記載しているため、誰でもスムーズに作業を習得できます。
製品の品質を保つことができる
作業を標準化することで、誰が作業しても製品の品質を保ちやすくなります。
作業の標準化とは、誰もがいつでも同じように作業できるような作業内容にすることです。使用する工具や検査の規格などを標準化することで、バラつきをなくし、品質の安定につながります。
トラブルの防止につながる
作業手順が明確になることで、ミスなどのトラブルの発生を防止しやすくなります。
作業現場で起こりやすい問題への対処法などを事前に記載することで、トラブル発生時の対応をスムーズに行うことができるでしょう。
作業要領書を作成する際の注意点
作業要領書を作成する際には、効率的かつ正確な業務を実現するためにいくつかの注意点があります。ここからは、作成する際のポイントを見ていきましょう。
作業標準書と連携する必要がある
作業標準書とは、製造現場での作業の基準となるものです。作業要領書と作業標準書は、補完的な関係にあります。
作業要領書に記載されている詳細な手順は、作業標準書の基準や手順が反映される必要があるので、新たな作業標準書が設定された際は、すぐに作業要領書に反映し、作業員に共有するなど、常に連携を意識することが重要です。
作業要領書と作業標準書の違いを理解しておく
作業要領書と作業標準書は、それぞれ特性が異なります。特性を活かして、適切に活用することがポイントです。
作業標準書が「何をするか」を示すものであれば、作業要領書は「どのようにするか」を示します。両方を適切に活用することで、製造現場での生産性の向上や品質の維持・向上が期待できるでしょう。
デジタル化やAIなどの技術を取り入れる必要がある
リアルタイムで作業要領書や作業標準書を管理するため、デジタル化やAIなどの技術を取り入れることが重要です。
定期的に現場のフィードバックを更新することで、常に最新の情報に基づいた作業を行い、効率的な生産につなげます。
「i-Reporter」を活用することで、作業手順の変更や更新などをスムーズに行うことができるでしょう。
作業要領書で業務効率化!「i-Reporter」で現場の課題を解決しよう!
この記事では、作業要領書の基礎知識から作成方法、活用メリット、注意点まで詳しく解説しました。
作業要領書は、業務効率化や品質向上に役立つ重要な書類です。しかし、作成・管理の手間や、情報共有の難しさなど、課題も多く存在します。
そこでおすすめなのが、現場帳票システム「i-Reporter」です。
「i-Reporter」は、作業手順書やチェックリストをリアルタイムで管理・共有できるツールです。
特徴:
- 直感的な操作性:誰でも簡単に作業マニュアルを作成可能。
- 画像・動画の埋め込み機能:視覚的にわかりやすいマニュアル作成が実現。
- クラウド管理:最新の作業内容が常に共有され、現場の改善に直結。
活用のメリット:
- 業務の効率化
- 製品の品質向上
- 新人教育の効率化
作業手順書のデジタル化をご検討されている方は、ぜひ「i-Reporter」をご利用ください。


現場帳票研究所の編集部です!
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