QC(品質管理)とは?代表的な手法|メリットや注意点

この記事の要点

  • QCとは製品やサービスの品質基準を一定に保つための活動で、QA(品質保証)より範囲が狭い
  • 代表的な手法はQC7つ道具・新QC7つ道具・SQC・QCストーリーの4種類
  • 生産性向上・品質の数値化・企業信頼性・従業員モチベーション向上の4つのメリットがある
  • 一方で導入に時間がかかり、チェックリスト遵守が目的化して形骸化するリスクもある
  • 人手不足が深刻な現場ではDXツールの活用でQC活動を省人化・合理化することが重要

製造業ではQCD(品質・コスト・納期)のバランスが重視されますが、とりわけ「品質は生命線」といわれます。品質を高レベルで安定させるには、生産工程におけるQC(品質管理)が大切です。

この記事では、そうした製品の品質を維持・向上させるためのQC(品質管理)活動について解説します。代表的な手法やメリット・注意点などを詳しく取り上げるので、ぜひ参考にしてください。

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QC(品質管理)とは?

QC(品質管理)とは、製品やサービスの品質基準を一定に保つための活動、手法のことです。具体的には、原材料の検査や製造工程の管理・改善などがQC活動にあたります。QCは、英語「Quality Control」の略語です。

日本では、職場内で結成された小グループが主体的に品質管理に取り組むQCサークル活動が伝統的に行われてきました。しかし、昨今は人手不足や働き方改革などによる省人化のニーズから、DXツールで品質管理を代替、合理化する動きも目立ってきています。

なお、QCに似た言葉としてQA(品質保証)は、製品が一定の品質基準を満たすことを外部に向けて保証するための活動です。QAには品質マネジメントシステムの国際規格ISO9001などが用いられます。QCとQAの違いとして、QC活動の業務範囲が製造・生産現場に限定されるのに対し、QAは製品の企画・設計段階から出荷・販売後まで広範囲をカバーします。

QCの代表的な手法

QCには、さまざまな手法があります。ここでは、代表的な手法をいくつか紹介します。

QC7つ道具

QC7つ道具とは、品質管理のためにデータを整理・分析するための手法です。問題点の見える化や原因追及に役立ちます。

パレート図

データを項目別に分け、値の大きい順に並べた棒グラフと累積比率を示す折れ線グラフを組み合わせたもの。主要な問題点を特定するのに役立ちます。

特性要因図

ある結果(特性)をもたらす原因(要因)を、階層構造で整理した図。問題の原因を分析するのに役立ちます。

グラフ

データを視覚的に表現したもの。データの傾向や変化を把握するのに役立ちます。

ヒストグラム

データの分布を棒グラフで表したもの。データのばらつきや集中度を把握するのに役立ちます。

散布図

2つの変量の関係をプロットした図。2つの変量に相関関係があるかどうかを調べるのに役立ちます。

管理図

工程の安定性を監視するための図。工程に異常が発生していないかどうかを判断するのに役立ちます。

チェックシート

データを収集するための表。データの収集漏れを防ぎ、効率的にデータを収集するのに役立ちます。

新QC7つ道具

新QC7つ道具とは、従来のQC7つ道具とは異なり、言語データを扱う手法です。複雑な問題の構造を明らかにしやすく、品質改善の初期段階で役立ちます。

親和図法

関連する言語データをグループ化していく手法。問題の構造を明確にするのに役立ちます。

連関図法

複数の項目間の因果関係を矢印で結んだ図。問題の原因と結果の関係を分析するのに役立ちます。

系統図法

目的と手段の関係をツリー構造で表した図。問題解決の手順を明確にするのに役立ちます。

マトリックス図法

2つの項目の関係をマトリックスで表した図。2つの項目の関連性を分析するのに役立ちます。

アローダイアグラム法

作業の順序と所要時間を矢印で結んだ図。作業の進捗状況を管理するのに役立ちます。

PDPC法

プロセス決定計画図。複数の選択肢から最適なものを選ぶのに役立ちます。「PDPCサイクル」とも。

マトリックスデータ解析法

複数の項目の関係をマトリックスで表し、統計的手法で分析する手法。問題の原因を特定するのに役立ちます。

統計的品質管理(SQC)

統計的品質管理(SQC)とは、データを統計的手法で解析し、品質管理や工程改善を行う手法です。製品の品質を一定に保ち、不良品の発生を抑えるために用いられます。具体的には以下のような統計的手法、考え方があります。

検定と推定

サンプルデータから母集団の特性を推定し、品質を評価します。

相関分析

2つの変量の関係を分析します。2つの変量に相関関係があるかどうかを調べられます。

回帰分析

2つの変量の関係を関数で表します。ある変量から別の変量を予測するのに役立ちます。

実験計画法

実験を計画し、効率的にデータを取得する手法。製品の品質を改善するのに役立ちます。

多変量解析法

複数の変量の関係を分析する手法。製品の品質に影響を与える要因を特定するのに役立ちます。

直交多項式

多項式近似を行う手法。実験データを分析するのに役立ちます。

二項確率紙

二項分布に従うデータをプロットするためのグラフ用紙。不良率を管理するのに役立ちます。

簡易分析法

簡単な統計的手法でデータを分析する手法。現場で手軽に品質管理を行うのに役立ちます。

QCストーリー

QCストーリーとは、品質管理における問題解決や課題達成のための一連の手順を体系化したもの。問題の発見から解決までのプロセスを明確にし、効果的に進めるのに役立ちます。

テーマの選定

解決すべき問題や達成すべき課題を明確にします。

現状把握

問題の現状を把握します。データ収集や現場調査などを行います。

目標設定

解決すべき問題や達成すべき課題に対する目標を設定します。

活動計画

目標達成のためのアクションプランを作成します。

原因解析

問題の原因を分析します。

対策立案

問題の原因に対する対策を立案します。

対策実施

立案した対策を実行します。

効果確認

実施した対策の効果を確認します。

標準化と管理

効果的な対策を標準化し、管理します。

反省と今後の方針

QCストーリー全体を振り返り、今後の活動方針を検討します。

その他の手法

そのほか、QC活動には以下のような手法、考え方も用いられます。これらを適切に組み合わせることで、効果的なQC活動が実現され、製品やサービスの品質向上、ひいては顧客満足度の向上、企業の競争力強化が達成されます。

5S

整理、整頓、清掃、清潔、躾の5つの要素からなる職場環境改善活動。

IE (Industrial Engineering)

科学的な分析に基づき、業務の効率化や改善を図る手法。

4M

人 (Man)、機械 (Machine)、材料 (Material)、方法 (Method) の4つの要素から、品質に影響を与える要因を分析する手法。

TQC (Total Quality Control)

全社的な品質管理活動。

TQM (Total Quality Management)

全社的な品質経営活動。

QCのメリット

QCの取り組みが成功すれば、以下のようなメリットが得られます。

生産性の向上

QCに取り組むと製造プロセスの標準化が進めやすいため、無駄な作業が減り、業務の流れがスムーズになります。より短い時間で多くの製品を生産できるようになり、生産性が向上します。

品質を数値化

品質を客観的に把握しやすくなるため、改善点を見つけやすくなります。不良品発生の防止やコスト削減が期待できます。

企業の信頼性が向上

QCを続けることで、高品質な製品を安定して提供しやすくなります。顧客からの信頼を得ることで、リピーターや新規顧客の獲得が期待できます。

従業員のモチベーション向上

QC活動に従業員が積極的に参加することで、自分たちの仕事が製品の品質に直接影響を与えることを実感できます。仕事に対する誇りや責任感が芽生え、モチベーションが向上します。

QCの注意点

QCには以下のような注意点、デメリットもあることを把握しておきましょう。これらマイナスの影響を抑えるためには、QCに用いる手法やツールの取捨選択も重要です。

時間がかかる

初期段階では、QCの導入や改善に多くの時間とリソースを費やす必要があります。短期的には生産スケジュールに影響を与える可能性もあります。

形式的なものになりやすい

チェックリストや手順書に従うことが目的化してしまい、実際の品質向上に繋がらない場合があります。QC活動が形骸化する恐れがあります。

QC(品質管理)の効率化にDXツールの活用を!

QC(品質管理)は、製造業の要とも言える製品の品質を維持・向上させるために重要な活動です。より良いQC活動によって企業は顧客満足度を高め、ビジネスでの競争力を強化できます。

とはいえ、人手不足が深刻化している昨今、QC活動に十分な時間や労力を使えない場合も多いでしょう。余裕がないと検証や分析にヒューマンエラーが発生するリスクも高まるため、QCにも上手くDXツールを取り入れ、省人化・合理化したいところ。

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よくある質問(FAQ)

QC(品質管理)とは何ですか?QA(品質保証)との違いも教えてください。

QC(Quality Control:品質管理)とは、製品やサービスの品質基準を一定に保つための活動・手法のことです。原材料の検査や製造工程の管理・改善などがQC活動にあたります。日本では職場内の小グループが主体的に品質管理に取り組む「QCサークル活動」が伝統的に行われてきました。QA(品質保証)との違いは業務範囲にあります。QC活動の業務範囲が製造・生産現場に限定されるのに対し、QAは製品の企画・設計段階から出荷・販売後まで広範囲をカバーし、製品が一定の品質基準を満たすことを外部に向けて保証する活動です。QAにはISO9001などの品質マネジメントシステムの国際規格が活用されます。

QC7つ道具と新QC7つ道具の違いは何ですか?

QC7つ道具と新QC7つ道具は扱うデータの種類が異なります。QC7つ道具は数値データを整理・分析するための手法で、パレート図・特性要因図・グラフ・ヒストグラム・散布図・管理図・チェックシートの7種類があります。問題点の見える化や原因追及に役立ちます。一方、新QC7つ道具は従来のQC7つ道具と異なり言語データを扱う手法です。親和図法・連関図法・系統図法・マトリックス図法・アローダイアグラム法・PDPC法・マトリックスデータ解析法の7種類があり、複雑な問題の構造を明らかにしやすく、品質改善の初期段階で役立ちます。数値データによる定量的分析にはQC7つ道具、定性的な情報整理や問題の構造化には新QC7つ道具が適しています。

QC活動を導入するメリットは何ですか?

主に4つのメリットがあります。①生産性の向上:製造プロセスの標準化が進み無駄な作業が減ることで、より短い時間で多くの製品を生産できるようになります。②品質の数値化:品質を客観的に把握しやすくなるため改善点を見つけやすくなり、不良品発生の防止やコスト削減が期待できます。③企業信頼性の向上:高品質な製品を安定して提供できるようになることで顧客からの信頼を獲得し、リピーターや新規顧客の獲得につながります。④従業員のモチベーション向上:QC活動に積極的に参加することで自分たちの仕事が製品の品質に直接影響を与えることを実感でき、仕事に対する誇りや責任感が芽生えます。

QC活動を導入・運用する際の注意点は何ですか?

主に2つの注意点があります。①時間がかかる:QCの導入・改善には初期段階で多くの時間とリソースを費やす必要があります。短期的には生産スケジュールに影響を与える可能性もあるため、計画的な導入が重要です。②形骸化のリスク:チェックリストや手順書に従うことが目的化してしまい、実際の品質向上につながらない場合があります。QC活動が形式的なものになると本来の効果が得られないため、活動の目的を常に意識し、実質的な品質改善に結びついているかを定期的に確認することが大切です。これらのマイナスの影響を抑えるためには、QCに用いる手法やツールの取捨選択も重要な観点となります。

QCストーリーとはどのような手法ですか?

QCストーリーとは、品質管理における問題解決や課題達成のための一連の手順を体系化したものです。問題の発見から解決までのプロセスを明確にし、効果的に進めるために活用されます。主に10のステップで構成されます。①テーマの選定、②現状把握(データ収集・現場調査)、③目標設定、④活動計画の作成、⑤原因解析、⑥対策立案、⑦対策実施、⑧効果確認、⑨標準化と管理、⑩反省と今後の方針の検討。このストーリーに沿って活動することで、感覚や経験に頼らずデータに基づいた論理的な問題解決が可能になります。QCサークル活動などで広く活用されており、組織全体での品質改善文化の定着にも役立てられています。

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