導入事例Showa Create Cebu, Inc.

Showa Create Cebu, Inc.

金属プレス部品の品質管理に欠かせない膨大な種類の紙帳票をデジタル化。日本本社への横展開にも期待

カイゼン効果

Before

現場の管理・運用で必要となる記録が膨大な種類の紙帳票であった

After

帳票のデジタル化で紙帳票の数を大幅に削減した

Before

印刷や保管、集計などにかかる手間や、記入時や転記時に発生するミスなどを減らしたかった

After

日々の帳票作成における入力業務が簡素化され、記入ミスや読み間違いなどが減った

Before

過去の記録の検索・確認に膨大な時間がかかり、データ活用ができていなかった

After

過去の記録を素早く検索できることに加え、集計作業も迅速にでき、データ活用が加速された

  • General Manager 芳尾 宗幸 氏

  • Assitant General Manager 上野 晋 氏

  • IT/Production Documentation Officer Jeff Ralph Sisles 氏

  • Process Engineer Joshua Jesson Aninon 氏

この導入事例のポイント

RAKU-PAD(i-ReporterのOEM版)のトレーニングを受けることで、同ツールの操作習熟だけでなく業務にどのように適用していくかのイメージを膨らませることができた。既存の紙帳票のRAKU-PADへの移行は、最初に導入パートナーが作成したものを除き自社内で行うことができ、社内での導入・展開を滞りなく進行している。

Showa Create Cebu, Inc.

照明器具や自動車関連、建築金物分野などの製品に組み込まれる各種金属プレス部品を製造しているShowa Create Cebu, Inc.。同社は10年あまりの間、膨大な種類の紙の帳票を運用していたが、近年、紙帳票の運用に関するさまざまな課題を認識し、ビジネスエンジニアリング(B-EN-G)の「mcframe RAKU-PAD」(以下、RAKU-PAD)を導入。同製品を製造現場や品質管理部門などへ展開し、現場の業務効率化とペーパーレス化を進めている。

Showa Create Cebu, Inc.
https://showa-ph.studio.site/
創立:2013年10月
資本金:1億円
従業員数:76名(パートタイム含む)
事業内容:金属プレス部品製造

フィリピン・セブ島の金属部品メーカー。昭和スプリング株式会社のフィリピン現地法人として設立された。さまざまな製品に組み込まれる金属プレス部品の製造(プレス加工、テンパ処理、溶接、組立など)を手がけており、特に板バネの加工に強みを持つ。

トレーニングを受けてデジタル帳票を内製・管理
デジタル化に伴い帳票そのものの見直しも可能に

設立から10年超の在フィリピン日系企業膨大な数に及ぶ紙帳票が課題に

大阪府富田林市に本社を置く昭和スプリング株式会社は、金属プレス加工による部品製造を主に手がけるメーカーだ。同社が2013年にフィリピンに設立した現地法人が、Showa Create Cebuである。同社のGeneral Managerである芳尾宗幸氏は「当初は組立工場としてスタートしましたが、現在ではプレス加工やテンパー熱処理などを含め、部品の製造から手がけています」と説明する。

日本式の生産ノウハウをShowa Create Cebuに定着させていく過程で使われたのが、紙の帳票である。Showa Create Cebuでは、昭和スプリングが使っていた帳票を英訳して活用していた。

「使っている帳票の種類は相当な数にのぼり、生産に関するものだけでも20種類以上あります。特に、生産や品質管理の帳票は毎日記入するものが多く、印刷する用紙や帳票の管理にまつわるコストは相当なものでした」と、芳尾氏は振り返る。

紙の帳票には紛失や誤記入、読み間違いといったリスクがある。さらに、保管されている帳票の中から数値を拾い出して集計したり、過去データをトレースしたりするには膨大な手間と時間がかかるが、当時はこうした現状を課題としては認識していなかった。

その認識を変えるきっかけとなったのは、同じセブ島を拠点に活動する日系IT企業、N-PAX Cebu Corporation(以下、N-PAX)だ。同社は2023年、各種IT関連サービスの提案活動の一環としてヒアリングを実施。N-PAXの大窪泰輝氏は、当時の状況を「ヒアリングの中で、Showa Create Cebuには紙帳票の課題があると気づき、mcframe RAKU-PADを提案することにしました」と語る。

N-PAXのヒアリングと提案により、芳尾氏は紙帳票の課題を認識。元々iPadの活用を検討していたこともあり、RAKU-PADに関する詳しい説明を受けて、改善が期待できると考えた。

トレーニングを受けてデジタル帳票を内製化。利用部門を段階的に拡大

こうして導入されたRAKU-PADは、まず製造部門にて利用された。最初は、数ある帳票のうち数種類をN-PAXがデジタル化。実際に利用する製造現場の社員やIT担当者が、利用の前にN-PAXによるトレーニングを受けている。

ユーザーの1人であるProcess EngineerのJoshua Jesson Aninon氏は、RAKU-PADに触れた感想を次のように語る。

「当初は、RAKU-PADを自分たちの業務プロセスにどう組み込んでいけばよいかがわからず課題を感じました。しかし、トレーニングを通してデータの保管や活用、トレーサビリティなどに役立てられそうだと気づくことができました」

RAKU-PADは、製造部門に続いて保守部門や品質管理部門でも利用されるようになった。帳票のデジタル化は、最初にN-PAXが手がけたものを除き、トレーニングを受けたShowa Create CebuのIT/Production Documentation OfficerのJeff Ralph Sisles氏が行っている。

「トレーニングのおかげで帳票作成がすぐにできるようになりました。帳票をつくるにあたっては、選択肢が決まっているものはドロップダウンやラジオボタンで簡単に選べるようにするなど工夫しています。そのほか、紙の帳票で重複や無駄があると感じた箇所は、帳票作成の際に関係者と相談して改めるようにしています」(Sisles氏)

2024年6月時点では、すでに約40種の帳票がRAKU-PADへ移行されている。このように社員たちがRAKU-PADを使いこなし、利用を拡大していく様子を見ている芳尾氏は、導入効果について以下のように語っている。

「RAKU-PADを使えば入力業務に手間がかからず、日付や選択肢などの項目はほぼミスなく入力できます。加えて、過去のデータの確認や集計も容易に行えます。また、従来は作業前に作業標準書を事務所までわざわざ取りに行く必要がありました。しかしながら経験のある作業員は経験に頼って作業をしてしまうケースもありました。RAKU-PADは図書管理機能によって事務所へ戻ることなく作業標準書を開くことができるため、そのような課題を解決する一助になっています。トータルでみると、RAKU-PADの導入には多くの効果があると言えるでしょう。さらに導入して良かったポイントとして、現場の作業員はシステム導入によって業務が変わってしまうことを好まない傾向にありますが、RAKU-PADは帳票のレイアウトを残すことができるため、現場に定着しやすかったことが挙げられます。それによってシステム化に対する現場意識が改善し、新たなシステム導入への免疫が上がったのではないかと感じています」

マネジメント引き継ぎにもシステムは重要本社側へのシステム活用の提案も検討中

芳尾氏は、これまで10年以上に渡ってShowa Create Cebuにおける唯一の日本人として勤めてきたが、最近新たにAssistant General Managerとして上野晋氏が加わった。Showa Create Cebuのマネージャー交替も視野に入ってきた中で、システム化についての考え方も変わってきたと語る。

「次のマネージャーにきちんと引き継げるよう、RAKU-PADのようなツールやシステムなどを管理者として整えることも重要だと認識しました。まずは、移行可能な帳票は全てRAKU-PADに移行していくつもりです」(芳尾氏)

Showa Create CebuではRAKU-PADの利用拡大がますます進んできており、芳尾氏は今後、その導入効果を定量的に評価していきたいと考えている。

「昭和スプリング側には、まだRAKU-PADのような現場の業務改善ツールはなく、当社のデジタル化推進に興味を持っている人が少なくないようです。そのため、もしコストダウンや労働時間短縮、業務効率向上といった効果をデータとして示せるようになれば、その情報を昭和スプリングにも共有してフィリピンから日本本社へのシステムの横展開ができるのではないかと考えています」

管理対象の設備(左図)と帳票のイメージ(右図)

管理対象の設備(左図)と帳票のイメージ(右図)

N-PAX Cebu Corporationのご紹介

Showa Create Cebu様へのi-Reporter導入にあたっては、N-PAX Cebu Corporation(以下、N-PAX)様にご支援いただきました。同社ではお客様の運用に合わせた要件確認から設定・教育・保守まで一貫して対応が可能です。

N-PAX様に特徴について伺いました。

N-PAXは「お客様の現状と業務内容を深く理解し、“将来のあるべき姿”を見据えた最適なソリューションを提供する」をミッションに、信頼ある実績と幅広いITソリューションでお客様のご要望にお応えします。
当社は、フィリピンにて設立以来20年以上に渡る経験を持ち、RAKU-PADの提案・導入支援だけではなく、人事給与勤怠システム(HRIS)や統合基幹業務システム(ERP)をはじめとした自社パッケージシステムを開発・提供しております。また、フィリピンのみならず、日本・米国・シンガポール・マレーシア・中国・中東など、グローバルなシステム導入の実績を強みとしています。

昨今、フィリピン国内の日系企業においては、ペーパーレス化の過渡期を迎えており、RAKU-PAD導入の依頼を多数頂いております。日本人による日本語でのご支援はもちろんのこと、システム導入経験豊富なフィリピン人技術メンバーが現場に寄り添ったサポートを行っております。
現状の業務フロー分析、帳票の整理・開発、導入、運用サポートまで一気通貫でご支援いたします。さらにデータの可視化・分析といったITサービスに至るまでお客様のDX化をトータルでサポートいたします。

また、システム検討時のコンサルティングサービス、徹底したスケジュール管理による安定したシステム導入、その後の運用サポートなどによって、製造業を中心とした幅広いお客様から安心と高い満足の声を頂いております。

https://www.n-pax.com/ja/home.php

2023年11月N-PAX様主催フィリピン日系製造業向けリアルセミナーにて左から
N-PAX President/CEO 戸田 貴大 様
シムトップス 生出 さやか
N-PAX 大窪 泰輝 様
シムトップス 横山 晃史
N-PAX 伊藤 圭亮 様
N-PAX 眞木 直樹 様
B-EN-Gシンガポール Managing Director 山下 元士 様

※本事例は2024年6月現在の内容です。
※mcframe RAKU-PAD Recordingはシムトップス社製品“i-Reporter”のOEM版です。
※本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載当時のものであり、変更されている可能性があります。
※本事例に記載されている社名、製品名などは、各社の登録商標または商標です。
※掲載企業様への直接のご連絡はご容赦ください。

導入企業プロフィール

Showa Create Cebu, Inc.

設立:
2013年
本社所在地:
3rd Avenue Between 4th & 5th Street, Mactan Economic Zone 1, Lapu-Lapu City, Cebu, PHILIPPINES
事業内容:
フィリピン・セブ島の金属部品メーカー。昭和スプリング株式会社のフィリピン現地法人として設立された。
さまざまな製品に組み込まれる金属プレス部品の製造(プレス加工、テンパ処理、溶接、組立など)を手がけており、特に板バネの加工に強みを持つ。
オフィシャルサイト

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