i-Reporter これまでとこれから

【後編】i-Reporterは世界へ。AI時代の現場OSへ。

紙の現場帳票を電子化し、様々な業務課題を解決してきたシステム『i-Reporter』、通称アイレポ。
前編では、『i-Reporter』がどのように生まれ、なぜ"現場"にこだわり続けてきたのか、その思想と歩みについて語られた。後編では、リブランディングプロジェクトを通して見えてきた"i-Reporterの本質"を起点に、AI時代における現場データの価値、そして『i-Reporter』が目指す"現場OS"としての未来について迫っていく。

プロフィール

  • 株式会社シムトップス 取締役会長 水野 貴司

    株式会社シムトップス 取締役会長 水野 貴司

    商社にて、メカトロニクスおよびFA関連設備の営業、海外工場の移転業務に従事したのち、株式会社シムトップスに入社。2002年に取締役、2005年に代表取締役社長に就任。2026年に取締役会長に就任。個別受注生産における生産スケジューラや工程・生産管理システム、現場帳票のペーパーレスアプリなど、現場の作業者を支援する製品・サービスの企画・設計・開発・導入支援を牽引している。

  • 株式会社シムトップス 代表取締役CEO 奥畑 和行

    株式会社シムトップス 代表取締役CEO 奥畑 和行

    組み込みエンジニアとしてキャリアをスタートし、指紋認証などバイオメトリクス技術の研究開発に携わる。2000年代にHRテック企業を立ち上げ、2023年に上場を経験。2013年からシンガポールに拠点を移し、多国籍エンジニアチームのマネジメントを確立する。2023年にシムトップスに参画し取締役COO就任、2026年に代表取締役CEOに就任。現場DX領域におけるグローバル展開と次世代成長戦略を推進している。

リリースから14年、『i-Reporter』の
リブランディングプロジェクトが始動。

『i-Reporter』は現在、導入実績4,500社以上を突破し、2012年のリリースから国内シェアNo.1を続けている。しかし現状に満足することなく、現場帳票のリーディングサービスであり続けるために、『i-Reporter』のリブランディングプロジェクトを始動。水野氏・奥畑氏へのインタビューや従業員とのワークショップを経て、言葉とデザインの両面から『i-Reporter』を見つめ直した。

※出典:富士キメラ総研 2026年2月17日発刊『業種別IT投資動向/DX市場の将来展望 2026年版 DX投資編』
IV-13 現場帳票ペーパーレス化ソリューション 市場占有率46.5%(2024年度のベンダーシェア・数量)

リブランディングプロジェクトで『i-Reporter』の通称を改めて『アイレポ』に定めました。プロジェクト前は名称を変えるべきかといった話もありましたがいかがでしょう?

水野

正式名称は『i-Reporter』、通称は『アイレポ』であることはいいんじゃないかな。お客さんも『アイレポ』って呼んでいるし。

※『i-Reporter』の「i」は『iPad/iPhone』の「i」が由来。「er」は「人」がつくっていることを表現している。水野氏が名付け親。

ブランドロゴのリニューアルも行いましたが、そちらについてはどうでしょう?

水野

いいんじゃないですか。可愛いし(笑)真面目に言うと、初めて見たときから違和感がなかった。『i-Reporter』らしさがちゃんと残っていると思いました。

奥畑

リブランディングでロゴの色を、オネストオレンジと名付けてもらったんですよね。honest=誠実なオレンジ。『i-Reporter』の姿勢をよく表していると思います。お客様の声を誠実に聞いて、改善し続けるという姿勢です。

「現場帳票と言えば、i-Reporter」。その先にある未来。

リブランディングプロジェクト前は、「◯◯と言えば、i-Reporter」と一言で言い表すことができていないという話もありましたが今はどうでしょう?

奥畑

「現場帳票と言えば、i-Reporter」という一言に固まったかなと思います。ちなみにAIに、現場帳票と言えば何ですか?と聞くと『i-Reporter』って返ってくるんですよ。

水野

帳票って色々あるんですけど、中でも現場帳票というのは、複雑で、ややこしくて、もう紙でしか使えないもの。これをシステム化するならどうやってやるのって言うようなね。

奥畑

そもそも現場帳票という言葉は、CIMTOPSが長く向き合ってきた領域です。今後は"現場帳票"という言葉自体の意味も変わっていくと思っています。

私たちは今、シムトップスを"現場のAIプラットフォーム"として再定義しています。

言い換えると、『i-Reporter』は現場データの入口、プラットフォームはデータを活かす基盤、現場OSは現場と経営をつなぐ運用基盤です。

この3層を一体で進化させることが、これからの成長テーマです。データ、改善知見、連携の型が積み上がるほど、導入の立ち上がりも提案の精度も上がっていく。そこに、私たちの競争優位が継続的に積み上がっていくと考えています。

「現場帳票カイゼン部」から見えた、知識が循環する未来。

奥畑

それと、リブランディングプロジェクトを進めている中で、『現場帳票カイゼン部』というコミュニティー活動も始めたんですよ。0からスタートして2年で1,500名以上が参加してくれています。

※「2年で1,500名以上」の参加者数は2026年5月28日時点。

『うちではこんな使い方しています』とか『こんな使い方知ってます?』といったニッチな使い方を話してくれるんです。

水野

アイレポ好きな変な人ばかり来るんですよ(笑)

奥畑

でも、それってすごく重要なんです。

今まで現場の知恵って、各現場に閉じていたんですよね。でもAI時代では、それを共有・循環させられる可能性がある。

ある工場の改善事例をAIが解釈し、似た課題を持つ別の現場に提案として返す。ある現場の異常対応が、別の現場の事故防止につながる。

つまり"現場知識が業界全体の財産になる世界"が、これから来ると思っています。

CIMTOPSのMission・Vision・Valueに
込められた思い。

『i-Reporter』のリブランディングプロジェクトを通して分かったことのひとつに、CIMTOPSのMVV(Mission・Vision・Value)が社内に浸透していることが挙げられる。超個性的な言葉たちは、『i-Reporter』を含めたシステム開発の根幹であり、何かに迷ったときに立ち戻る道標にもなっているという。

奥畑

リブランディングプロジェクトの中で行っていた調査で、水野と私が特に驚いたのは、みんながMVVをすごく意識していることでした。そこまで伝わっているとは思っていなかったのでびっくりしましたね。

水野

最近では、MVVが面白くて入ったという社員もいます。

奥畑

AI時代になると、できることがどんどん増えていきます。でも、できることが増えるほど、"何のためにやるのか"が重要になる。

CIMTOPSの場合、その判断軸がMVVなんですよね。

現場の人を支援すること。お客様の役に立つこと。仲間と助け合うこと。

AI時代でも、そこは絶対に変えてはいけないと思っています。

現場にこだわり、世界へ。
『i-Reporter』が目指す未来と決意。

『i-Reporter』はこれからどのように変化し、何を目指していくのか。その答えとして挙げられたのは、"AI"と"グローバル"。一方で変わらないこともある。それは、現場へのこだわりだと話す。

奥畑

私たちは"AIを搭載しました"という話をしたいわけではありません。やりたいのは、現場のデータを"次の行動提案"として返すことです。

現場では今も、見たものを帳票へ転記する作業が多い。写真だけで反映できる、異常判断を補助できる、しかもオフラインでも使える。そうした実装を積み重ねて、"本当に現場で使えるAI"をつくっていきます。

奥畑

私たちはLLMそのものを作る会社ではありません。最先端AIを現場で動かし、価値に変える会社です。

シムトップスの役割は、現場データを収集・蓄積し、最適なAIと接続して、意思決定につながる形で届けることだと思っています。

水野

AIも結局、現場を助けるために使われるべきなんですよね。うちは昔から"現場の人を支援する"という思想でやってきたので、そこはAI時代になっても変わらないと思っています。

「現場OS」という未来。

奥畑

ERPは経営データを扱っています。でも、現場で何が起きているかはまだ十分に届いていない。私たちは、その"現場と経営の空白"を埋めたいと思っています。

現場OSとは、単なる帳票機能ではありません。現場で発生したデータをAIで解釈し、判断支援に変え、ERP・生産管理・BIへ接続する。そして意思決定の結果を、再び現場の行動に戻す。

この往復が回る状態を、私たちは"現場OS"と呼んでいます。

日本の現場知見を、世界へ。

リブランディングプロジェクトの中で、これからは世界のためにという話も出てきましたがいかがでしょう?

奥畑

今思っているのは、グローバルニッチです。とにかく現場にこだわって、現場のインプットに特化して深堀りしていく。

先ほど水野も話していましたが、インプットから先は、他サービスと連携する。それが大事かなと思っています。

水野

私はずっと思っていたよ。そこはブレたことないから。

奥畑

本当にブレてないです(笑)

でも、外から来た人間としては最初は分からなかったんですよね。現場帳票がなぜ大事なのかってことも。

けど、お客様の話や失敗例を聞くと、そういうことなのかと。

多機能であることもそう。ここをとことん深掘りすることが『i-Reporter』の差別化になるし、競合にも勝てるポイントになると思っています。

競争軸も、帳票SaaSの機能比較だけではなくなっていきます。複雑な現場データをAIと接続し、意思決定に変えるプラットフォーム競争になるはずです。

だからこそ、データと現場知見の蓄積を先に回し続けた会社が強い。私たちはその土台を、現場で積み上げてきたと思っています。

これからAIが入ってくると、現場帳票の価値はさらに高まります。なぜなら、AIが学ぶためには、"現場で何が起きたか"だけでなく、"なぜそう判断したか"まで含めたデータが必要だからです。

奥畑

日本の製造業は、品質管理や現場改善において世界でも非常に高いレベルにあります。

その現場知見を、AI時代のソフトウェアとして世界へ展開することには大きな意味があると思っています。

世界で使われる日本発の現場OS。そこは本気で狙っていきたいですね。

対談の最後は、"愛"。
現在のそして未来の仲間に向けてメッセージ。

現場へのこだわり、紙へのリスペクト、そしてAI時代の現場OSへ。これから世界へと進出していく『i-Reporter』。対談の最後は、水野氏・奥畑氏の両名より、これから仲間になる方々やユーザーの皆さんに向けてメッセージをもらった。

パートナーや従業員の方々、今後『i-Reporter』を一緒に支えてくれる仲間に向けて何か伝えたいことはありますか?

奥畑

現場課題って終わりがないんですよ。終わりがないってことは、『i-Reporter』もずっと完成はしないんです。

だからこそ面白い。

これからはAIやデータ活用も入ってきます。ただ、それでも大事なのは、現場を見て、現場の声を聞き、現場で本当に使えるものを作ることです。

そういうことに関わりたい人には、ぜひ仲間になってほしいと思いますね。

水野

あとは現場に行く人ですね。現場は宝の山なので。現場に行けば、その会社のことが全部わかる。

奥畑

私も見習わないといけないなと思いますね。

最後に、現在のユーザーの皆さん、またこれからユーザーになる皆さんに向けてメッセージをお願いします。

奥畑

現場に寄り添う会社なので、未来の現場を一緒につくっていきたいですね。

『i-Reporter』は、現場の記録を残すだけのツールではなく、これからは現場データを活かして、AIとともに現場をもっと良くしていくプラットフォームになっていくと思っています。

ユーザーの皆さんと一緒に、未来の現場を作っていきたいです。

水野

ほぉ、まとめるね(笑)
私からは、CIMTOPSのファンになってって伝えたいですね。

奥畑

推し活に参加して!ですね(笑)
それと、世界でのシェア獲得は自分のミッションだと思っています。
ここ10年で、"世界で使われる日本発の現場OS"にしていきたいですね。

水野

奥畑さんにはこれから、冷静に物事を見る力と情緒的なところをミックスして、『i-Reporter』やCIMTOPSをさらに前に進めてもらえたらなと。"理"だけでは人は動かないから。

奥畑

確かに今の『i-Reporter』は"理"だけじゃない。だからこそ愛されるサービスになっていますよね。これからも変わらず愛されるよう、現場にこだわり寄り添っていきたいと心から思っています。

水野

『i-Reporter』は愛レポーターなんでね。

前後編で届けてきた対談は、"愛"という言葉で締めくくられた。
現場への愛。紙へのリスペクト。ユーザーへの誠実さ。
そしてこれからは、現場で積み重ねられてきた知恵をデータとして蓄積し、AIによってさらに価値へと変えていく。
データと改善知見、そして連携の型が積み上がるほど、その価値は現場でも経営でも再現性を持って広がっていく。
創業以来受け継がれてきた現場へのこだわりを礎に、奥畑CEOのもと、CIMTOPSは『i-Reporter』を現場データのAIプラットフォーム、そして現場OSへと進化させ、現場DXの可能性を世界へ広げていく。

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