導入事例株式会社PAL様
株式会社PAL
ハンディスキャナによる検品を上回る作業性。見落としもほぼゼロに激減し、顧客の信頼もアップ。
カイゼン効果
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仕分けた食品の検品が、顧客システムの都合上、目視作業しかできずミスが多発していた
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i-Repo Scanを導入した現場では、検品ミスがほぼゼロに。毎月発生する事故代金30万円を削減
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目視による検品は時間もかかり、日本語の読めない外国人作業者にはより負担となっていた
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カゴ台車1台あたり1分の作業が、一括読み取りのi-Repo Scanなら数秒で完了
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システムを導入したくとも、難しい操作が必要なものは、現場での運用が懸念された
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端末で一括読み取りするだけの簡単操作は、操作を一度見るだけで誰でも習得可能
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オペレーションエンジニアリング事業部 関東運営部 金子 由昌 氏
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株式会社PAL 導入事例資料物流に精通、大手総合スーパーの中間倉庫業務を請負
当社では、倉庫の移設や移転、在庫の保管や管理など、倉庫運営におけるノウハウや最新テクノロジーへの知見を有し、物流倉庫の総合オペレーションをご提供しています。大きくは「システム構築、ロジテックエンジニアリング、コンサルティング、オペレーション」の4事業での展開となります。
今回お話しさせていただくのは、オペレーション事業における請負事業での導入状況です。総合スーパー事業を全国展開されているお客様であり、物流の中間倉庫として商品の仕分・出荷などを行っています。
せっかくバーコードがあるのに、目視で検品、ミスが発生
―どのような作業で、何を原因として問題が起きていたのでしょうか。
取り扱っている商品は食品全般ですが、その中でも今回i-Repo Scanを導入したのは「水産・畜産・デリカ」の3食品の検品現場です。120~130店舗を対象に、3食合わせて1日数十万パックを出荷しています。商品は、店名とバーコードを記載したラベルが貼られたコンテナ(番重)に載せられており、基本的にはバーコードをハンディスキャナで読み取り、コンテナを店舗ごとにカゴ台車へ積んでいく形で仕分けしています。
他の食品は検品でも顧客のハンディスキャナを利用し、カゴ台車に他店行きのコンテナが載っていないか確認しています。しかし「水産・畜産・デリカ」の商品はお客様のシステム設計の都合上、検品に当社のハンディスキャナが使えず、コンテナを1つずつ目視で検品していく方法を採っていました。
そのため、この現場では商品事故(誤納品や未配達)が多発。目視だと、どうしても見落としが起きやすく、例えばAセンター向けのカゴ台車にBセンター向けのコンテナが混ざっていても気づかずに出荷してしまうことがありました。そういったミスが日々10件ほど発生していました。
アルバイトスタッフをメインに検品作業をしています。日本人スタッフであればラベルの店名を見て、間違いにもいくらかは気づきやすいもの。しかし、従業員の約4割を占める外国人スタッフは番号を見て店舗を判別していたため、数字だと読み違いが起きやすく、商品事故につながっていたわけです。
決して完璧とはいえないハンディスキャナでの検品
―ハンディスキャナでの検品には問題がなかったのでしょうか。
目視よりも正確とはいえ、ハンディスキャナでの検品でも見落としは起きます。誤って仕分けられたコンテナを読み取るとバイブレーション機能で人に通知されるのですが、それに気づかないことが多い。液晶画面にエラー表示も出るのですが、それも気づきにくいのです。
また、カゴ台車1台に20枚ほど積載されるコンテナのラベルを1枚ずつスキャンしていく作業に意外と時間がかかり、1台あたり1分ほど要します。そして、洗浄で落ち切っていない以前のラベルがコンテナに残っていると、それを読み取ってしまいエラー表示が出てしまう。そんな煩わしさもありました。
作業を効率化できる機能、そして導入コストも踏まえてi-Repo Scanに
―システム導入を、具体的に検討され始めたきっかけは。
こうした状況から商品事故が多発し、お客様から強く改善を求められたことがきっかけとなり、目視による検品をやめて新たなシステムを導入する動きが生まれました。
システム探しは基本的にインターネットを使って、作業の効率アップや時間短縮ができるシステムであることを重要ポイントに、数社のシステムをピックアップ。私はこの辺りから製品選定に関わり、現場で実際に利用する立場として意見を述べ、導入後の現在はシステムの管理運用を担っています。
導入検討フェーズでは各社から製品説明をお聞きし、 デモなども拝見しながら機能を確認。重要ポイントをクリアし、コスト的にも優位性のあったi-Repo Scanを導入することに決めました。
使い方が簡単だと、検品だけでなく、操作の習得も早い
―導入状況をすこし詳しく教えてください。
「水産・畜産・デリカ」部門に計6台の端末を導入し、検品作業が「作業性」と「正確性」で大きく向上しました。
まずは「作業性」ですが、カゴ台車に積まれた複数のコンテナの、並んだラベルをまとめて映し、一括で読み取るだけで検品が完了。わずか数秒ほどの作業へと劇的にスピードアップしています。
また、体への負担が大きく軽減されました。実は、水産品や畜産品を検品している部屋の温度設定は2~3℃です。そのような環境下でハンディスキャナを使い、コンテナの数だけ何回もボタンを押しながらバーコードを読んでいくと、手がかじかみ痺れも出てきます。i-Repo Scanだとまとめて一度読み取るだけなので、寒さ対策も必要ありません。作業者にとって、これは大きいです。ハンディスキャナを利用する場合よりも、かなり作業が早いのではないかと思います。
このように操作が簡単だと、操作を習得するのにも時間がかかりません。新人の作業員でも、マニュアルを見て勤務の初日から使えています。マニュアルが読めない外国人作業者には操作を一度見せるだけで使い方が分かり、従業員どうしで教え合うのも簡単で、誰もがすぐに使いこなせるようになりました。
当然、労力のカットや生産性向上につながっています。作業効率が上がったことで、1日あたり約2時間、月に60時間の工数を削減できており、人件費の削減はもちろん他部署の作業に人員を回すこともできるようになりました。i-Repo Scanの導入は、他の部署からも歓迎されている状況です。
誤った仕分けが明解に、商品事故がほぼゼロへ
―最大の目的だった「正確な納品」は実現されましたか。
「正確性」については、誤って仕分けされたコンテナだけを、すぐに見つけられるようになり、大きく改善されました。積まれたコンテナを端末で映すと、映像上で誤ったコンテナにだけ赤の×印が表示されます。いわば「誤仕分けの見える化」です。この表示機能は拡張現実(AR)の技術を利用してカスタマイズしたものでして、導入検討フェーズに私からの要望としてシムトップスにお伝えし、実現したものです。
こうして「水産・畜産・デリカ」部門における現在の商品事故は、ほぼゼロになっています。削減された事故代金はひと月におよそ30万円。まるまるi-Repo Scan導入の効果と言えます。
帳票管理においても大きな効果がありました。i-Reporter導入後は、データを元にお客様と会話ができるようになったからです。例えば、商品が届いていないといった問い合わせが店舗からあった場合は、クラウドに上がっている検品データをエビデンスに、出荷した記録をご提出しています。
今までは検品作業をしたという手書きの記録だけで、個々の商品が載っていたと言えるようなエビデンスは何も残っていませんでした。しかし現在はシステムで紐付けした記録があり、自信をもって出荷しましたと言いやすい。これは大きな進歩です。システムで信憑性を高めたことに、お客様からはお褒めの言葉をいただきました。お客様から伝わってくる信頼が大きく高まったと感じています。
ハンディスキャナよりi-Repo Scan!さらなる可能性にも期待
―i-Repo Scanの、さらなる利用拡大はお考えでしょうか。
他の現場でもi-Repo Scanを導入したいという話が、すでに出ています。お客様の店舗向けに仕分けをしている現場が3センターありまして、そこでも有益ではないかと。また、当社では他のお客様の業務にも携わっていまして、そちらでの活用も考えられます。
今もハンディスキャナを使っている現場がたくさんあり、できればハンディスキャナを完全にi-Repo Scanへ置き換えていきたい。それにはお客様のシステムと連携する必要性がありますので、お客様だけでなく、関連する各社にも協力いただいて進めていけたらと検討しているところです。
そして検品以外でも、毎月1回実施している棚卸しで活用できるのではないかと思っているところです。将来的にはOCR対応となることにも期待しています。ハンディスキャナも使っていないような現場ではラベルにバーコードもないため、文字を認識して読み取ってくれるシステムだと導入しやすいからです。もっと有効活用できる可能性がi-Repo Scanにはありますので、さらなる業務改善につなげたいと考えています。
導入企業プロフィール
株式会社PAL
- 設立:
- 2000年
- 本社所在地:
- 〒550-0013 大阪市西区新町1丁目4番26号 四ツ橋グランドビル2階
- 事業内容:
- PALは、ロジテックインテグレーターとして、ハードウェア、ソフトウェア、オペレーションの組織的機能を組み合わせ、物流現場のデジタル化、自動化の実現を通じ、お客様のDX推進に取り組む。