導入事例バイホロン株式会社

バイホロン株式会社

製造業のペーパーレス化事例

カイゼン効果

Before

品質管理の徹底に伴い、管理項目が増え、生産現場に持ち込む紙書類がしてきていた

After

年間約12万枚もの紙を節約できた

Before

改善提案のレポートをデジタルカメラとパソコンでを作成していた

After

報告書の作成が容易になり、改善活動が活発化するといった副次的な効果も得られた

Before

業務終了後に紙書類の記録をまとめてPCに入力するという作業を毎日約30分行っていた

After

製造部の生産ラインごとに存在する20以上のユニットで、各30分の作業時間を短縮できた

  • 取締役 西田 剛司 氏

  • 生産管理部 ユニットリーダー 永森 公章 氏

  • 製造部 課長 高野 健成 氏

  • 製造部 ユニットリーダー 立野 史紘 氏

  • 製造部 ユニットリーダー 松井 美樹 氏

1975年、クロレラ錠剤の専門製造会社として富山市に設立されたバイホロン株式会社(以下、バイホロン)。消費者の健康志向が高まる中、クロレラだけでなく幅広い原料の健康補助食品や医薬部外品、化粧品の製造を手掛け、現在は健康補助食品などを一貫生産するOEM受託加工メーカーとして、年間300種類以上の製品を受託生産している。特に安心・安全な製品品質を保証する品質管理に注力して取り組んでおり、2008年には日本で初めて米国NPA(自然食品協会)の第三者認証プログラム「NPA食品GMP」の「A」評価を獲得。さらに2009年4月には、日本健康・栄養食品協会の「健康補助食品GMP適合認定」、2015年9月に「FFSC22000+Food Safety認証」を取得している。

i-Reporterによってかなりの紙書類をペーパーレス化することができました。その量を試算したところ、年間約12万枚もの紙を節約できたことが分かりました。– バイホロン株式会社 製造部 課長 高野健成氏 —

ハイレベルな品質管理による高品質製品に定評のあるバイホロン

バイホロンは、大手健康食品・医薬品メーカー等を主要顧客とし、相手先ブランド名の健康補助食品などの商品を受託して製造するOEM受託加工メーカー。1975年の創業以来、40年以上にわたって製造してきた健康補助食品をはじめ、食品添加物、生活用品など幅広いプライベートブランド商品の開発から製品化までを一貫して行っている。

商品の企画開発・生産能力と品質管理に定評があり、富山市内にある3カ所の製造拠点には高性能の生産設備を配備。特に品質管理には全社を挙げて取り組んでおり、原材料の仕入れから最終製品の出荷に至るまで、適切な管理組織の構築及び作業管理(品質管理、製造管理)の実施と適切な構造設備の構築によるソフト/ハードの両面から製品の品質と安全性の確保を図る「適正製造規範(GMP=Good Manufacturing Practice)」に基づいて活動している。

作業工数記録の入力負荷と部門間情報共有に課題

バイホロンがOEM受託製造する健康補助食品は、サイクルの短い製品も少なくない。多品目・小ロット生産が中心となる製造現場では、煩雑な工程管理に課題を抱えていたという。同社の生産計画策定や購買管理、およびIT部門としての役割を持つ生産管理部 ユニットリーダーの永森公章氏は、次のように語る。

「当社の製造部門では、製品品目ごとの原価を正しく求めるために、どの作業にどれだけの時間がかかったかという工数を記録書にまとめていました。本来は作業者および作業工程ごとに詳細な時間を取得すべきところですが、入力の負荷が大きいため、トータルで何時間という記録を紙の書類に記録し、その後まとめてPCに入力するという作業を行っていました。当然のことながら、これでは原価を計算する上で正確な情報を収集することができません。そのため、入力作業の負荷を軽減しながら、より詳細なデータが取得・共有できる仕組みを構築することが急務となっていました」(永森氏)

生産部門である製造部 課長の高野健成氏も、現場の作業負荷に頭を悩ませていた。

「実はこれまでも、細かい工数を記録することができなかったわけではありません。しかし、現場にかかる負担が大きく、記録をまとめて入力・集計するのにも労力がかかるため、全工程ではなく期間を絞ってデータをとるのが精一杯でした。またデータを集計しても共有する仕組みがなかったため、例えば見積原価と実原価の差異を生産管理部へ正確に伝えることができず、蓋を開けてみたら赤字のまま生産を続けていたという問題もありました」(高野氏)

このような紙書類に記録したのちにPCに入力・集計するという作業は、生産ラインが稼働中に実施することは難しい。そのため、日々の生産業務が終了したのちに、わざわざ時間を作って入力・集計作業を行わなければならなかった。こうした本来の業務ではない間接的な労働時間を削減することも、同社にとっての大きな課題になっていた。

短時間で容易に導入できるi-Reporterの導入を即断

こうした課題を解決するためにバイホロンでは、急速に普及し始めたタブレットを活用することができないかという検討を開始した。生産現場の作業を煩雑化する要因になっていた紙書類をなくし、ペーパーレス化することが目的だった。これは同社経営陣の肝いりにより始めた取り組みだったという。

「製品の品質管理を徹底していく中で管理項目が増え、それに伴って生産現場に持ち込まなければならない紙書類も増えていきました。このペーパーレス化に取り組むことにしたのが、最初のきっかけでした。スマートフォンが普及した現在、タブレットならば現場の従業員も違和感なくその場で入力できるのではないかと考え、タブレットによるソリューションを探しました」(永森氏)

そんな中、ピッタリのタイミングで従来、取引関係にあった北陸コンピュータ・サービスから展示会の案内が届き、その会場でシムトップスの「ConMas i-Reporter」(以下、i-Reporter)に出会ったという。

「それまでもタブレットで帳票入力が可能なソリューションをいくつか候補に挙げて比較検討していましたが、北陸コンピュータ・サービスにi-Reporterを紹介され、直感的に『これは使える』と判断しました。どうせなら地場のITベンダーから導入したいということもあり、i-Reporterの導入を即断しました」(永森氏)

もちろん導入にあたっては、バイホロンが求める要件を満たしている必要がある。i-Reporterの採用は、短期間のうちにシステムを構築して運用開始できること、社内標準ツールとして使い慣れている表計算ソフト「Microsoft Excel」を使って帳票画面を設計できることが決め手になったという。

バイホロンは、すぐにシステム構築に着手する。製造部の従業員全員に一人1台となる約200台のアップル製タブレット「iPad」を購入。さらに3カ所の工場内をはじめ、社内全体に無線LAN環境を整備した。

毎日30分の作業時間を削減 入力ミスも激減する効果が得られる

生産現場においても、さまざまな導入効果が得られている。実際に現場でi-Reporterを使用する製造部 ユニットリーダーの立野史紘氏は、作業時間を短縮できたことが最大の導入効果だと話す。

「これまでは業務終了後に紙書類の記録をまとめてPCに入力するという作業を毎日約30分かけて行っていました。それがタブレットから直接入力するようになったことで、その30分の作業時間を短縮できたことになります。製造部には、生産ラインごとに20以上のユニットがあるので、その労働時間短縮効果は非常に大きいと考えています」(立野氏)

同じく製造部 ユニットリーダーの松井美樹氏は、入力ミスがなくなったことを効果として挙げる。

「紙書類の記録をPCに入力する際、品目番号や数量を間違えてしまうことがときどき発生するなど、入力ミスが目立っていました。しかしタブレットでは番号入力に変わったので、入力ミスはほとんどなくなりました」(松井氏)

また、デジタルカメラとパソコンで報告書(改善提案のレポート)を作成していたのを、タブレットを使うことで報告書の作成が容易になり、改善活動が活発化するといった副次的な効果も得られたという。

年間約12万枚の紙を節約と他システムとの連携、
BIツールを利用した分析

このように生産現場における生産性向上という効果をもたらしたi-Reporterだが、当初の目的だったペーパーレス化も実現しつつあるという。

「品質管理の都合上、すべての紙書類がなくなるところまでは至っていません。しかし、i-Reporterによってかなりの紙書類をペーパーレス化することができました。その量を試算したところ、年間約12万枚もの紙を節約できたことが分かりました」(高野氏)

iPadに導入したi-Reporterでは、製造の工数管理をはじめ、日報、改善などの報告業務、「360度評価」と呼ばれる従業員同士の人事評価、さらには製造現場の安全と品質向上を目的とする5S活動(5Sとは「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「躾」の頭文字である5つの「S」をとったもの)に取り組む委員会活動などに使われているという。

i-Reporterの主たる目的である製造の工数管理では、同社が運用する基幹業務システムのマスターおよび製造指示情報をi-Reporterへ連携する仕組みを構築、さらに基幹業務システムの刷新と同時に導入されたBIツールを利用してi-Reporterおよび基幹業務システムの情報を集計・分析が可能となり、可視化するまでできるようになっている。

このように、i-Reporterの導入によって生産現場における業務効率化、および生産管理業務の高度化を実現しつつあるバイホロンだが、その成功の秘訣はどこにあったのだろうか。

「当社は何よりも、経営陣がITの導入・活用に非常に熱心です。生産現場で一人1台のタブレットを配布しようというアイデアも、社長(代表取締役 高田浩氏)や生産管理部長(取締役 西田剛司氏)をはじめ経営陣から出たものでした。このようにトップダウンによって意思決定のスピードが早いということが、今回のシステム導入によって大きな効果をもたらすことになったと思います」(永森氏)

さらなるペーパーレス化 と IoTを駆使したデータの蓄積から分析の可視化を目指す

今後はペーパーレス化(紙の保管から電子データの保管)をさらに推進し、あらゆる情報をデータ化して管理することを目指しているという。

「紙で管理していた情報がデータ化できれば、記録として保存していた情報から傾向を分析できるなど、新たな情報活用が可能になります。そういう点を見据えながら、ペーパーレス化をさらに進めていきたいと考えています」(西田氏)

健康補助食品等のOEM受託加工メーカーとしてさらなる飛躍を遂げようとしているバイホロン。同社が注力する高度な品質管理を引き続き実現していくためにも、i-Reporterは有効なツールとして今後も活用されていくに違いない。シムトップでも、バイホロンをはじめとする製造業企業の生産性向上を支援すべく、今後もi-Reporterの機能拡張や使い勝手の向上に取り組んでいく。

なお、今回の取材の模様を以下の動画にまとめてあるので、併せて確認いただきたい。

お忙しい中、貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました。

導入企業プロフィール

バイホロン株式会社

設立:
1975年
本社所在地:
〒939-8232 富山県富山市南央町37-10
事業内容:
添加物製造業、菓子製造業、愛がん動物用飼料製造業
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