HACCPチェックシートを導入する目的|スムーズな運用を目指した進め方

HACCPとは、「Hazard(危害)」「Analysis(分析)」「Critical(重要)」「Control(管理)」「Point(点)」の頭文字を取った造語です。食品製造における衛生管理の手法を表しています。食品衛生法の改正により、食品に関わる事業者はHACCPへの対応が義務化されました。

事業者がHACCPの導入を進める際に役立つのがHACCPチェックシートです。
本記事では、HACCPの基本的な知識やチェックシートの概要、チェックシートを活用したHACCPの導入手順を解説します。
飲食店やスーパー、食品工場などHACCPの対象となる企業のご担当者様はぜひ参考にしてください。

食品工場・食品製造業の記録・報告業務を効率化する現場帳票電子化システム「i-Reporter」サイトはこちら

HACCP i-Reporter

HACCP(ハサップ)の基礎知識

日本で食品に関する事業を営む場合、HACCPに関する知識が必要不可欠です。HACCPに対する理解が不十分であり、衛生管理に不備が認められると、行政指導や罰金などの罰則が科されるリスクがあります。そこでまずは、HACCPに関する基礎知識を解説します。

HACCPとは?

HACCPとは、コーデックスが発表している食品衛生管理規格のことで、食品の安全性をより確保するために発案されました。
コーデックスは、FAO(国連食糧農業機関)とWHO(世界保健機関)の合同機関であり、国際的な食品規格委員会の地位を確立しています。

日本においては、令和2年(2020年)6月から、HACCPに基づいた食品管理の導入が義務化されました。
これにより、食品に関わる事業者(食品等事業者)は、食中毒菌や異物などが混入する危険性を把握して、食品の衛生を管理する必要が生じています。
食品の製造や加工、販売など各事業者が行う全工程で重要なポイントを管理するのがHACCPです。
また、HACCPの導入は国際市場での競争力向上や信頼性の確保にも寄与し、食品等事業者にとってもメリットが大きいとされています。

HACCP導入の対象者

HACCPの導入は、原則、すべての食品等事業者が実施する必要があります。
飲食店やスーパー、食品メーカーなど多くの事業者が対象です。
ただし、公衆衛生に与える影響が少ない事業者は対象外になる場合があります。
具体的には、食品または添加物の輸入業や、器具容器包装の輸入または販売業などが当てはまります。

【出典】「HACCP(ハサップ)」(厚生労働省)

HACCPチェックシートを用意する目的

店舗や工場において、HACCPに基づいた衛生管理を進める際は、チェックシートを用意するのがおすすめです。
こちらでは、HACCPチェックシートの概要や目的をご紹介します。

HACCPチェックシートとは?

HACCPチェックシートとは、HACCPの導入にあたり、必要な工程や管理のポイントを項目化したチェックリストです。
HACCPの7原則12手順に基づいて作成され、事業者が自社の食品衛生管理状況を把握し、HACCPに対応できているかどうかをチェックするために使用されます。
チェックシートには、食材の温度管理や加熱・冷却・保管方法、従業員の手洗いや健康管理、器具の洗浄・消毒・殺菌など、食品衛生管理に関わる多くの項目が含まれています。

HACCP7原則12手順とは、コーデックスが定めたHACCPを導入するための7つの原則と12の手順をまとめたものです。
事前準備にあたる手順1〜5と、実践パートである手順6〜12、原則1〜7に分かれています。
事業者は、これを参考に計画書を作成することで、スムーズなHACCPの導入を実現できます。
厚生労働省ではHACCPの導入にあたり、7原則12手順に基づく自主点検チェックシートを用意しているため、ダウンロードして確認してみるのがおすすめです。

【出典】「HACCP自主点検票(一般食品)」(厚生労働省)

HACCPチェックシートの目的

HACCPチェックシートの目的は、食品等事業者におけるHACCPに基づいた食品衛生管理の円滑な導入をサポートすることにあります。
チェックシートを活用することで、HACCP導入にあたり必要なプロセスや管理すべき項目が明確になります。
事業者にとっては、自社の衛生管理状況を可視化し、改善点を把握しやすくなる点もメリットです。

HACCPチェックシートの導入時の進め方

最後に、食品等事業者がHACCPの導入を進める際の流れを解説します。
HACCPチェックシートを活用し、適切な衛生管理環境を構築しましょう。

Step1.HACCP導入のためのチームを編成する

HACCPを導入する際は、まずは各部門から担当者を集めてチームを編成しましょう。生産・加工・調理・品質管理・営業など、食品衛生管理に関連する各部門の専門家や現場担当者を集めるのが望ましいです。チームの編成は、HACCPの7原則12手順に含まれており、適切な知識や技能を持ったメンバーが集まることで、効果的なHACCP計画の策定や運用が可能になります。

Step2.事業内容に合ったHACCP導入のチェックシートを確認する

チーム編成が完了したら、HACCPチェックシートの確認・選定を進めましょう。HACCAPに沿った食品の衛生管理の実施は、事業者の規模や業種などによって内容が異なります。そのため、自社の事業に適した衛生管理のHACCPチェックシートを導入することが大切です。

各業界の団体の多くは、「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」のマニュアルや手引書を作成しています。これらを参考にして自社に適したチェックシートを選定すると、HACCPの導入を効率的に進められます。

【出典】「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書」(厚生労働省)

【出典】「HACCP手引書、関連資料」(公益社団法人日本食品衛生協会)

Step3.7原則12手順に基づいてHACCP導入を進める

チェックシートを用意できたら、7原則12手順に基づいてHACCPの導入を進めましょう。まずは、手順1〜5の事前準備を完了したうえで、原材料や製造工程を調査し、食品安全に関する危害要因を特定します。危害要因とは、飲食によって健康被害を引き起こす可能性のあるものを指します。具体的には、病原微生物やカビ、化学物質などのことです。

次に、危害要因の発生を防止するために重要となる工程を決定し、それらを管理するための基準(温度、殺菌時間など)を設定します。管理基準を設定したら、モニタリングの方法や手順を明確にしましょう。また、万が一管理基準を超えた場合の対処方法や、製品の扱いについても事前に決めておく必要があります。

最後に、チェックシートを活用して定期的にHACCPの運用状況を検証し、必要に応じて改善策を実施しましょう。記録表や実施記録を残すことで、問題が発生した際に原因を特定しやすくなり、迅速な対応が可能になります。

HACCP i-Reporter

HACCPチェックシートは電子化して管理するのがおすすめ!

今回は、HACCPの概要やHACCPチェックシートの目的、導入時の流れについて解説しました。HACCPは、食品の安全性を確保するために国際的な基準として確立された、食品衛生管理の手法です。多くの食品等事業者にはHACCPの導入が義務化されており、その運用にはチェックシートが役立ちます。各業界の団体などが作成した手引書を参考に、自社に適したチェックシートを選定し、効率的にHACCPへの対応を進めましょう。

また、HACCPチェックシートの管理にお悩みの場合は、帳票管理システムの「i-Reporter(アイレポーター)」の導入がおすすめです。紙やエクセルベースの帳票を電子化し、スマートフォンやタブレットからシームレスにアクセスできるようになります。チェックシートを活用してHACCPの運用状況を確認する際にも、端末一つで情報の入力から共有までをスムーズに行えます。お申込み不要でお試しいただける無料トライアルをご用意していますので、興味がある場合はお気軽にお問い合わせください。

現場帳票の電子化システム「i-Reporter」

導入社数3,500社以上!
ペーパレスアプリでの
シェアNo.1

i-Reporter

(アイレポーター)

使い慣れたエクセル帳票から
そのまま移行できる
現場帳票の電子化システム

3分で分かる資料ダウンロード

現場帳票のデジタル化相談してみる