在庫は資産!実地棚卸とは

商品や製品を扱う企業では、定期的に棚卸し作業を行っています。
棚卸しについては、単に在庫数を確認するだけではなく、企業の資産を評価するためにも重要です。

扱っている商品や製品が多い企業にとっては、棚卸しを行う時に一時入出庫業務を止めて
膨大な工数を掛けて行っているところもあるのではないでしょうか。

棚卸しについては、実地棚卸と帳簿棚卸があります。
それらの棚卸しの中でも、今回は実地棚卸について説明します。

実地棚卸とは

実地棚卸=ある時点における実在庫数を数えて、帳簿上の数との差異を確認すること

この作業によって、

①在庫が正しく管理されているか
②保管期限等の品質に問題が無いか

を確認します。

同時に、紛失や破損などの確認も行えます。
この作業で確認した実在庫を実地棚卸として、売上総額や純利益などを計算します。
一般的に棚卸しと呼ばれている作業については、実地棚卸のことを指します。

実地棚卸の目的

実地棚卸を行う理由は、「在庫の把握」と「利益の確認」の2点です。
また、この2点を行うことで内部の統制を図ることができます。これらの理由について説明します。

在庫の把握

実地棚卸によって、

①在庫が帳簿のデータと差異が無いのか
②破損や保管期限などの品質に問題は無いか

が把握できます。

帳簿のデータとの差異が発生する原因として、在庫管理作業における入力ミスや入出庫時の確認ミスなどがあります。
また在庫の数はあっていても、破損や期限切れのものがあった場合は
商品として出荷できないため、在庫としてカウントできません。

そのような場合は、帳簿上のデータを修正して、出荷できない商品を処分します。
棚卸しを行っていると、時には在庫管理票に記録されている置き場に商品が無い場合があります。

これは、実際に保管した場所と記録した場所が一致していないことなどで発生します。
実地棚卸を行うことで、倉庫内の間違った場所に保管されている商品のロケーション情報についても修正することができます。

利益の確認

在庫は、企業にとって財務上の資産となります。
この資産が販売されない限り、売上に計上することはできません。

そのため販売されるまでの間は、資産として計上しておきます。
在庫を正しく把握することは、会社の資産を正しく把握することになります。

企業はこの資産が販売されることで、売上を上げ、利益を得るのです。
販売の注文が入って、いざ商品を販売しようとした時に、出荷する在庫が無いとどうなるのでしょうか。

せっかくの売上となるチャンスをみすみす逃してしまいます。
売上を上げる機会を失ってしまい(機会損失)、企業としては絶対に避けたい事象です。

事業活動において確実に売上を上げて利益を得るためにも、実地棚卸は重要な作業となるのです。

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内部の統制

多くの商品や製品を扱っていると、作業者もそれらの価値を把握しており
あってはならないことですが、盗難などが発生することもあります。
しかし、商品や製品を管理する多くの倉庫では、外部から容易に侵入することができないように
セキュリティー対策が整備されています。

そのため多くの倉庫では、外部の人間によって知らない間に盗難が行われる可能性は低いと言えます。
一方、内部の人間によって知らない間に盗難が行われる可能性については
入出門時に持ち物検査などが行われている場合であれば低いと言えます。

しかし、入出門時のセキュリティーチェックが甘いと、内部の人間による盗難の可能性もゼロでは無くなります。
盗難防止のためにセキュリティー対策は需要ですが、内部統制の強化として定期的に棚卸しを行うことで
在庫の管理がしっかり行われていることが周知されます。

実地棚卸の注意点は?

実地棚卸は単に在庫の数を数えれば良いと言うものではありません。
実地棚卸については、決められたルールがあります。ここでは、実地棚卸を行う注意点について説明します。

時期と義務

実地棚卸を行うには、とても手間が掛かります。そのため、年に何回も行うことは効率的ではありません。
一般的に実地棚卸は、企業の決算に合わせて行います。

実施回数に明確な決まりはありませんが、当期の利益を確定させる時には必ず行う義務があります。
もし、実地棚卸を行わずに決算を行った場合は、法人税などの納税金額が正当なものではないと判断されてしまいます。

監査法人による立会

実地棚卸を行う場合は、年に一度監査法人の立ち合いが必要です。
これは、実地棚卸が正当に行われているということを第三者によって証明してもらうためです。

決算時期など、利益を確認する実地棚卸を行う場合に、監査法人に立ち合いを依頼することになります。

実地棚卸の方法

実地棚卸の方法には、「タグ方式」と「リスト方式」の2種類があります。それぞれのやり方について説明します。

タグ方式

タグ方式とは、倉庫にある棚卸資産の現物に連番管理されているタグを貼り付けておいて、
タグを回収する時に実際の在庫数を数えてタグに記入していきます。
回収したタグの連番に抜けがあれば、タグの回収漏れとなり、数を確認していない在庫があるということになります。

タグ方式では、現物を一つ一つ確認して照合を行うため、計上漏れの発生が少ないのが特徴です。
しかし、事前に現品にタグを貼り付けるのに手間が掛かり
タグを回収した後も連番管理をする必要があるため作業工数が掛かり、時には膨大な時間が掛かる可能性もあります。

リスト方式

リスト方式とは、実際の棚卸資産が在庫管理台帳や在庫管理システム等のデータ上の数量と一致しているかを確認する方法です。

リスト方式では、リスト上のデータと実際の在庫が一致しているのかを確認するため、少ない作業工数で行えます。
しかし用意したリストの数と、実在庫の数が違っている場合はどうなるのでしょうか。
リストとの違いが多いと、数を数え間違える可能性に繋がります。

また、現物は存在しているにも関わらずリストに表記が無い場合があると、
リストを修正する必要があり、記入ミスを起こす可能性もあるでしょう。

タグ方式にしてもリスト方式にしても、実際の在庫を作業者が数えるため、間違いが発生する可能性はあります。
また在庫管理票との差異があった場合、データ修正作業時の記入ミスや入力漏れの可能性もあります。

企業にとって重要な棚卸しを、間違いなく行うためには、日常の在庫管理を正しく行っておくことが必要です。
日常の在庫管理を精度良く、リアルタイムに行っていれば、棚卸し作業の工数を最小限にすることができるでしょう。

そして、日常の在庫管理については紙の在庫管理票を使わずに、在庫状況をデジタルデータで一元管理することが重要です。倉庫全体をデジタルデータで管理することによって、在庫管理における作業ミスを防止することができます。

在庫は企業にとって資産であることを認識して、常に適正に管理しておく必要があります。

まとめ

実地棚卸は、在庫の適正管理および企業の収益計算にとって
とても重要な作業であることが理解頂けたのではないでしょうか。

棚卸し作業については、とても手間が掛かります。
大量の商品や製品を扱う物流業界においては、日常の在庫管理を正しく実施するしくみを構築する必要があります。
日常の在庫管理については、DX化を行い、効率化を図ってみてはいかがでしょうか。

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